横浜国立大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2021年06月10日(木) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、横浜国立大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 機械
横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 准教授 下野 誠通
新技術の概要
本発明は、直進動作と回転動作を同時かつ独立に実現可能な円筒形二自由度永久磁石同期モータを発明した。また、本モータは埋込磁石構造に基づいているため、リラクタンス力/トルクを活用可能であり、高出力密度化が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
直動と回転を必要とする多自由度システムでは、それぞれの自由度に対してアクチュエータを配置し、機械的に連結することが多い。本モータを適用することで、機械連結部などの削減が可能となるため、省スペース化が期待でき、共振などによる制御性能の劣化を回避することができる。
新技術の特徴
・直進と回転とを同時かつ独立に実現する円筒形二自由度モータ
・高推力密度化、高トルク密度化を達成する埋込磁石構造
・構造のモジュール化による部品点数削減
想定される用途
・産業用ロボット
・工作機械
・医療機器
関連情報
・サンプルあり
- デバイス・装置
横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 准教授 堀切 智之
新技術の概要
不均一広がりをもつ希土類添加物質の吸収スペクトル内に、ホールバーニングにより櫛歯状の吸収ピーク構造を形成する。これに光子を入射させると、櫛歯に応じた周波数の光子は、一旦吸収され、その櫛歯周波数間隔の逆数時間後、再び外部に放出される。この放出された時間を計測する事で、数MHzの分解能で分光が可能となる。
従来技術・競合技術との比較
現在、光子レベルの分光は、回折格子やファブリーペロー共振器などが有る。前者は、GHzを超える粗い分解能しか得られない。後者は、高分解能であるが必ずしも光子が通過できないため、繰り返し測定が必要であり、単一の光子の分光は出来ない。本技術は、超高分解能かつ単一光子分光を可能とするものである。
新技術の特徴
・単一光子に対し、10MHz以下の超高分解能で、光の波長を測定可能。
・さまざまな中心波長に対し、波長変換素子を組み合わせて用いる事で、単一光子高分解能分光が可能。
想定される用途
・量子通信分野
・細胞生物学等のバイオ分野での蛍光分光分野
- 材料
横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 准教授 大矢 剛嗣
新技術の概要
本新技術は、まったく新しいタイプの導電性CNTヒドロゲルを簡便な手段で得られるというものである。本技術によればゲル化剤等を必要とせずにゲルが得られる。また、このゲルは、簡単に液体に戻すことができ、ゲルの繰り返し利用が可能である。さらには、特定の直径のCNTを簡単に分離することも可能である。
従来技術・競合技術との比較
本技術によれば、架橋剤を用いるタイプのゲルやチキソ性ゲルといった既知のゲルとは全く違う新しいタイプの(導電性)ゲルになる。今回開発したCNT分散液を加熱することでゲル化するが、加熱条件の変更でその硬さを制御できる。また、ゲル化したものに対して超音波を照射をすることで溶液状態に戻せるといった可逆性を持つ。さらに、特定直径のCNTを分離する能力も持ち合わせている。
新技術の特徴
・新しいタイプのCNTヒドロゲル(導電性)
・ゲル ⇔ 溶液 が可逆的に容易に得られる(繰り返し利用可能)
・特定直径のCNTを分離できる
想定される用途
・ウェアラブルセンサー(ヘルスケア等)分野での電極と起伏のある表面との仲立ちをする導電性ゲル
・導電性インク、塗料
・特定CNTの分離
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- エネルギー
横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 准教授 松澤 幸一
新技術の概要
再生可能エネルギーの課題である安定供給性を実現するためには電力網に水素ガスを介在させる必要がある。本技術は水素ガスの発生・利用を実現とする水電解装置、特に固体高分子形水電解装置等の電気化学システムで必要とされる酸素極の新規な触媒材料を提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では酸素極としてイリジウム元素という極めて希少な貴金属の酸化物を使うため、資源的な制約やコストアップに繋がるという課題があった。本発明は様々な材料系での検討を通じて得られた結果を基に、電解性能を維持しながらこれらの課題解決に繋がったMnとTaO2.5からなる新規な複合材料とその性能を示す。
新技術の特徴
・新規複合材料は希少性やカントリーリスクがない原料で構成
・低コスト化が可能となる
・新規複合材料は電気化学特性を維持しながら劣化も抑えられている
想定される用途
・固体高分子形水電解装置での酸素極
・電解水素化装置及び工業電解槽での酸素極
・固体高分子形燃料電池やアルカリ水電解装置の酸素極
関連情報
・サンプルあり
- 機械
横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 教授 藤本 康孝
新技術の概要
磁気ねじを利用した高推力・高トルク2自由度モータを紹介する。右ねじの磁気ねじと左ねじの磁気ねじを組合せることで、直進と回転の2自由度を実現する。それぞれの磁気ねじに対応する磁気ナットを固定子の回転磁界で制御することで、直進運動と回転運動を任意に制御することができる。
従来技術・競合技術との比較
従来は直進運動と回転運動それぞれに対応した2つのアクチュエータを用いたり、特殊なボールねじを用いたりして直進と回転の2自由度運動を実現していた。提案技術では、機械的な接触を介さずに直進運動と回転運動を実現できるため、保守性に優れる。
新技術の特徴
・直進運動と回転運動を任意に制御することのできる2自由度モータ
・磁気ねじ構造により、高推力・高トルクを実現
・シャフト×1、回転子×2、固定子×2からなるシンプルな構造
想定される用途
・産業用ロボット
・工作機械
・遠隔操作ロボット
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
横浜国立大学 研究推進機構 産学官連携推進部門
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