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JST熱電変換技術 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年01月12日(木) 13:30~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構

発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • エネルギー

1)冷却液を使って電気エネルギーを得る、液体熱電変換素子「熱化学電池」の高性能化

発表資料 プレゼン動画

東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授 山田 鉄兵

https://inorg.chem.s.u-tokyo.ac.jp/

新技術の概要

液体を用いて温度差から電気エネルギーを得る熱化学電池という素子がある。我々は熱化学電池の酸化還元活物質に様々な熱応答性の機能を付与することで、小さな温度差で大きな電圧を得る仕組みを開発してきた。

従来技術・競合技術との比較

熱化学電池は、酸化還元活性を示す化合物を溶解した溶液からできており、温度によって酸化還元平衡がシフトすることによって生じる電位差を利用して発電を行う。従来は多様な電極材料や酸化還元物質が用いられていたが、熱応答性の現象に注目した例は皆無だった。我々は様々な熱応答性技術を導入することで単位温度差当たりの電圧(ゼーベック係数)を向上させることに成功してきた。

新技術の特徴

・液体を循環させて熱を吸収しながら電気エネルギーへと変換できる
・重金属などの希少・高価あるいは有害な元素を使う必要がない
・単位温度差当たり、単一セルで取り出せる電圧が大きい

想定される用途

・熱をもつパイプなどに貼りつけて熱電変換を行う
・PCなどの冷却水システムの水を熱化学電池に置き換えて冷却しながら電気を得る

  • 14:00~14:25
  • エネルギー

2)Siプロセス技術と整合するナノ結晶形成技術を用いた環境調和型IV族系熱電材料の製造

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成専攻・電子光科学領域 教授 中村 芳明

http://www.adv.ee.es.osaka-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、結晶方位のそろったIV族元素ベースの極小ナノ結晶を高密度に内包する薄膜を形成することを可能にする。ここでは結晶方位制御から高電気伝導率が維持され、ナノ結晶により熱伝導率が低減されて、熱電変換に必要な特性が得られる。このように本技術は、高性能なIV族元素系熱電材料を生み出すものである。

従来技術・競合技術との比較

方位を制御した極小ナノ結晶を有する材料を形成することで、無毒・安価な環境調和型のIV族半導体をベースとしたレアメタルフリー材料において、従来実現困難である高性能熱電変換に必要な特性-熱伝導率低減と高い電気伝導率・ゼーベック係数-を得ることができる。

新技術の特徴

・超高度に制御した極小ナノ結晶を高密度に内包する薄膜
・レアメタルフリーのIV族元素をベースとした熱電材料
・極小熱伝導率と高電気伝導率の同時実現による高熱電性能

想定される用途

・熱電変換
・Si基板上のワンチップ熱電デバイス

  • 14:30~14:55
  • エネルギー

3)水和イオン伝導体を活用した熱電変換技術

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 吉成 信人

http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/konno/members.html

新技術の概要

国内で独自に開発した水和イオン超イオン伝導材料(イオン流動型NCIS)に電極を接続した素子を開発した。この素子は電極間に電圧を印加することにより、電極間に大きな温度勾配が生じる他、電極間に温度差を印加した場合には、電極間に起電力が生じるという特性を有する。

従来技術・競合技術との比較

電熱変換材料としてペルチェ素子が広く用いられている。ペルチェ素子は電子の移動により熱電変換を達成しているが、本発明素子はイオンの自由流動を利用して熱電効果を発現する。本素子は高抵抗であるため、絶縁しなくても用いることができ、電力を大量に使用せず効率的に電熱交換を行なうことが出来る。

新技術の特徴

・水和金属イオンの自由流動を用いた熱電変換材料
・電圧印加方向を制御することにより局所的な加熱が可能
・本質的に電子不導体であり、低電流かつ大きな熱起電力が得られる

想定される用途

・熱に応答するスイッチ
・スポット加熱

関連情報

・サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • エネルギー

4)IoT無線センサの自立発電用の高性能のシリコン熱電変換材料とデバイスの開発

発表資料

東京大学 大学院工学系研究科 総合研究機構 教授 塩見 淳一郎

http://www.phonon.t.u-tokyo.ac.jp/

新技術の概要

高速焼結によってシリコンナノ粒子を非平衡性の非常に強い準安定状態でバルク化することにより、従来よりも大幅に大きい熱電変換性能指数をp型とn型の両方について実現した。さらに、切り紙技術により優れた伝熱特性を付与したデバイスに開発した材料を搭載し、無線センサ端末を駆動した。

従来技術・競合技術との比較

シリコンは豊富に存在し、安価で環境親和性が高い点などにおいて、熱電変換技術の普及に資する。シリコンから成る熱電変換材料としては、本研究で開発した材料は従来技術と比較して室温付近で1桁程度の高い性能指数を示す。バルクシリコン材料をデバイス化して無線センサ端末を駆動した例は他に無い。

新技術の特徴

・シリコンナノ粒子を高速焼結することによって局所的にひずみが導入されたバルクシリコン熱電材料を作製した
・従来よりも大幅に大きい熱電変換性能指数をp型とn型の両方について実現した
・切り紙技術により優れた伝熱特性を付与したデバイスに開発した材料を搭載し、無線センサ端末を駆動した

想定される用途

・IoT無線センサの自立発電をはじめとする室温近傍での熱電変換発電

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 知的財産マネジメント推進部 知財集約・活用グループ
TEL:03-5214-8486  
Mail:license アットマークjst.go.jp
URL:https://www.jst.go.jp/chizai/license.html

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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