環境・エネルギー~秋田県合同~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年11月29日(火) 13:30~15:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、秋田大学、秋田県立大学
後援:秋田県、秋田県商工会議所連合会、秋田科学技術協議会
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 環境
秋田県立大学 木材高度加工研究所 准教授 足立 幸司
新技術の概要
発酵食品残渣に含まれた親水性物質がもつ膨潤性や可塑性に着目し、木材等の木質系素材の寸法安定性や変形加工性の向上に活かす技術。従来、化石由来資源から作られていた改質剤を、未活用の天然由来資源への転換に貢献する。
従来技術・競合技術との比較
木材やセルロース等の木質系材料は、水を主とする親水性物質を吸脱着しやすく、れに伴う膨潤・収縮による寸法変化を生じるため、寸法安定化には化石資源由来の薬剤含浸が用いられ、人体への安全性への懸念の払拭が難しかった。本技術は、発酵食品残渣に含まれる成分を用いるため、安全・安心な改質技術として活用することができる。
新技術の特徴
・乾燥や湿潤時の基材の寸法安定性の向上
・膨潤効果による基材の乾燥状態での変形加工性の向上
想定される用途
・木製食器等。乾湿条件で多用する製品の寸法安定化。
- 14:00~14:25
- 環境
2)外気温の変化に応答して遮熱するゲル
発表資料秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 助教 中村 彩乃
新技術の概要
特に夏場において、窓から入射する太陽光由来の放射熱を制御することは、室温上昇を抑制し、冷房を節電して省エネルギーに繋がります。温度応答性高分子であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は約46℃で相転移し、低温では太陽光を透光し、高温では光を遮断します。このHPCに無機電解質等を混合することによって、相転移温度より高温で近赤外光領域の光を遮断し室温上昇を抑制可能なゲルシートの作製に成功しました。
従来技術・競合技術との比較
市販されている遮熱材は、調光機能がないため温度に関係なく遮熱します。一方、外部の温度変化に応答して調光可能な遮熱材として、二酸化バナジウムにタングステンをドープした遮熱材等が報告されていますが、材料が高価であり、合成工程が多く、作製方法が複雑といった問題がありました。本発明では、混合・冷却のみで作製することができ、コストを低く抑えた温度応答性遮熱ゲルを提供することが出来ます。
新技術の特徴
・ゲルシートを安価に且つ簡易に作製可能である
・相転移温度を室温から45℃程度まで調整可能である
・低温での可視光透過率は80 %以上と高く、かつ低温と高温での日射透過率の差も70~80 %と高い
想定される用途
・家屋やビル、電車の窓にゲルシートを貼り付けることによって、外部温度に応じて自動的に室温の制御が可能となる。
関連情報
・サンプルあり
- 14:30~14:55
- エネルギー
秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 准教授 松本 和也
新技術の概要
水電解用酸素発生触媒として酸化イリジウムが有望とされている。高性能化のため微粒子化や多孔質化が検討されているが、作製方法が煩雑であるという課題がある。本技術では、イリジウムを含むイオン結晶を作製し、焼成するだけで触媒活性に優れた多孔質酸化イリジウムを簡便に得ることが可能となる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では多孔質酸化イリジウム触媒を作製するために多大な労力が必要であった。本技術では、イリジウムとアミン化合物を塩酸水中で混合することで得られるイオン結晶を焼成するだけで、酸化イリジウム触媒としては最高クラスの活性を示す酸素発生触媒を得ることができる。
新技術の特徴
・多孔質酸化イリジウム触媒を簡便に作製可能
・酸化イリジウムとして最高クラスの酸素発生触媒能を示す触媒が得られる
・純度の低いイリジウム原料からも簡便に高性能な多孔質酸化イリジウム触媒が得られる
想定される用途
・水電解用酸素発生触媒
・化学反応触媒
・イリジウムの再資源化
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- エネルギー
秋田大学 大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学専攻 教授 熊谷 誠治
新技術の概要
電気二重層キャパシタは劣化が少なく、入出力特性に優れた蓄電デバイスです。電気二重層キャパシタの電極材料には活性炭が使用されます。幅2~50 nmのメソ孔を主体とするもみ殻由来活性炭を添加することで、数多くの充放電サイクルに曝されても、静電容量を高く維持できる技術を開発しました。
従来技術・競合技術との比較
電気二重層キャパシタの寿命は他の蓄電デバイスと比較してもかなり長く、積極的に寿命を延ばそうとする試みはありませんでした。また、電極に使用される主剤活性炭に、異種の副剤活性炭を添加するという試みもなく、さらに、もみ殻由来活性炭を活用するという考えはこれまでありませんでした。
新技術の特徴
・もみ殻活性炭を約20質量%添加することで、電気二重層キャパシタの静電容量の低下が抑制されます。
・もみ殻由来活性炭は主剤活性炭の細孔より大きな細孔(メソ孔)を含有し、それが電解液の分解残渣を捕獲します。
・電極製造時にもみ殻由来活性炭を添加するだけであり、特別なプロセスを必要としません。
想定される用途
・電気二重層キャパシタの電極材料(自動車、電力設備、電子デバイス用など)
・リチウムイオンキャパシタの正極材料(自動車、電力設備、電子デバイス用など)
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門
TEL:018-889-3020
Mail:chizai jimu.akita-u.ac.jp
URL:https://www.akita-u.ac.jp/crc/
秋田県立大学 地域連携・研究推進センター
TEL:018-872-1557
Mail:stic akita-pu.ac.jp
URL:http://www.akita-pu.ac.jp/stic/index.htm
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