福岡大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年05月31日(火) 09:55~15:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、 福岡大学
発表内容一覧
- 再生医療の加速化を目指した生体適合素材細胞支持体の開発 発表資料 プレゼン動画
- 脱炭素社会の早期実現に欠かせない水素材料選択のための疲労試験機 発表資料 プレゼン動画
- 平面材料から製作したアジャストフェイスシールド 発表資料 プレゼン動画
- 様々な組織を標的として選択的な遺伝子の送達を可能にするペプチド 発表資料 プレゼン動画
- 簡便かつ効果的なステンレス表面の化学的改質法 発表資料 プレゼン動画
- アサリ漁獲量アップに向けたペレット状フルボ酸鉄シリカ資材の開発 発表資料 プレゼン動画
- 次世代シーケンシング(NGS)を活用した絨毛膜羊膜炎発症予測を可能にする自己学習型アプリケーションの開発 発表資料 プレゼン動画
- パケット型インデックス変調方式を用いた差動化情報伝送 発表資料
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
福岡大学 産学官連携センター センター長 太郎丸 眞
- 10:00~10:25
- 創薬
福岡大学 薬学部 薬物送達学 准教授 櫨川 舞
新技術の概要
効率的な細胞シートの量産化を目指した新規細胞シート支持体を開発した。生体適合素材で調製した細胞支持体は、培養後の細胞シートに重ねることで、吸水効果と共に細胞を効率よく吸着させ、細胞をシート状に綺麗に取り出すことができる。本細胞支持体は、生分解性を生かした除去不要な移植、積層化、薬物徐放化デバイスへの応用が可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来の不織布よりも細胞回収率が高く、ゼラチンや細胞含有基材よりもはるかに低コストで、生分解性を生かし、細胞シートの吸着した細胞支持体ごとの移植可能で(除去不要)、さらには積層化も可能である。さらには、薬剤含有細胞支持体の調製可能で、薬物の徐放性デバイスとして利用も可能な高機能性細胞支持体である。
新技術の特徴
・細胞回収率(吸着性)の高い安全素材
・生分解性のため除去不要
・分解速度・薬物徐放化が可能
想定される用途
・細胞シート作製時の細胞支持体
・細胞シート積層時の細胞支持体
・薬剤徐放化デバイス
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- 機械
福岡大学 工学部 機械工学科 教授 遠藤 正浩
新技術の概要
脱炭素社会実現の鍵の一つは水素社会の早期達成にある。くり返し(疲労)荷重を受ける水素機器に使用する材料を選択する方法はいくつか存在するがそれぞれに欠点があって決定的なものはまだない。水素機器に適合する材料の選択を安価に行うことができる新しい疲労試験機を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術の一つは高圧水素環境中で疲労試験を行う方法であるが,実験設備導入と毎回の試験の費用が莫大である。もう一つは,先に材料内に水素を充満させてから試験を行う方法であるが,試験中に水素が材料から抜ける欠点がある。本法は試験片内部に水素チャージ液を循環させながら疲労試験を行うのでこれらの問題はない。
新技術の特徴
・安価
・安全
・簡単操作
想定される用途
・疲労試験
・長時間材料試験
関連情報
・デモあり
- 11:00~11:25
- 製造技術
福岡大学 工学部 機械工学科(ものづくりセンター) 准教授 熊丸 憲男
新技術の概要
コロナ下の物資不足で、大学病院からの依頼で製作したフェイスシールド。頭回り、顔幅、フェイス面の角度が調整可能という多機能性を持ちながら、すべてのパーツが0.5~1.0mm厚のシートから切り出されているため、レザー加工機やプレスによる大量生産が可能。機能には現場看護師の意見が強く反映されている。
従来技術・競合技術との比較
数多く発売されている競合商品と比較した場合、平面材料のみを用いた競合商品よりも多くの調整箇所を持っている。また、多くの調整箇所を持った競合商品は射出成型などでパーツを製作するか、ゴムなどの別の素材が必要となる。しかし、本品はすべてのパーツを同一の素材から同一の加工で生産ができる。
新技術の特徴
・全てのパーツを同じ方法で加工することができる。
・平面材料からの切り出し形状によって、数多くの調整機能を持つ。
・製造に高度な技術を必要としない。
想定される用途
・大量生産の商品
・パーツを消費者が組み立てる商品
・使用者ごとに調整が必要となる商品
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- 13:00~13:25
- 創薬
福岡大学 医学部 医学科(解剖学講座) 講師 貴田 浩志
新技術の概要
本技術はIgG抗体と遺伝子の両方に結合する、天然アミノ酸からなる抗体/遺伝子結合ペプチドである。ペプチド+治療遺伝子+標的細胞結合IgG抗体を混合して標的指向性を持ったナノ粒子が形成される。IgG抗体がデリバリー機能を果たし、簡単に様々な疾患の病変選択的な治療遺伝子送達を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来の化学的遺伝子キャリアは高い安全性、汎用性、生産や取扱いの容易さなどのメリットがある一方で、標的指向性がないというデメリットがあった。標的細胞ごとに、キャリアに標的抗原に親和性のあるリガンドを強固に共有結合させ、標的指向性を付与する必要がある。本技術は化学的キャリアとしての取扱いの容易さを有しつつ、抗体医薬と混合するだけで簡単に標的指向性を付与できる。
新技術の特徴
・天然アミノ酸で構成される、安全、安価、高性能な非ウイルス性遺伝子ベクターである
・簡単に病変選択的に治療遺伝子を送達可能で、治療効果向上・副作用軽減を実現できる
・様々な疾患の病変選択的な治療遺伝子送達プラットフォームとして利用可能である
想定される用途
・中枢神経変性疾患の治療遺伝子送達
・悪性腫瘍への治療遺伝子送達
・自己免疫性疾患の治療遺伝子送達
- 13:30~13:55
- 材料
福岡大学 工学部 化学システム工学科 教授 八尾 滋
新技術の概要
特殊な構造を持つブロック共重合体の希薄溶液にステンレスを浸漬し、所定の温度で乾燥するだけで、簡便かつ効果的にステンレスの表面を化学的に改質することができる画期的な手法。
従来技術・競合技術との比較
従来プラズマ法や表面開始重合法など、非常に煩雑な手法が必要であったステンレス表面の改質を、溶液に浸漬あるいは溶液をコーティングするだけで、化学的に安定に改質する新規手法である。
また単なるコーティングとは異なり、耐久性がある。
新技術の特徴
・簡便かつ効果的
・耐久性がある
・任意の特性に改質可能
想定される用途
・血管拡張用のステント
・船舶のコーティング
・防汚性処理
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 環境
福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 教授 渡辺 亮一
新技術の概要
これまで、フルボ酸鉄シリカ資材は、所定の効果を確認するために干潟内に固定する方式にて効果を確認し、十分な成果を確認することが出来た。この新技術では、田畑に散布する肥料の様に撒くことが可能なペレット状の資材を開発し、簡単にどこでも取り組める干潟改善技術を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
従来の技術では、生分解性の袋に溶出可能な資材を海砂を重りとして干潟内に固定して効果を発揮させてきたが、新技術ではペレット状の錠剤を散布するだけで効果を発揮するように工夫している。
新技術の特徴
・施工性の改善
・施工労力の低減
・汎用性アップ
想定される用途
・ヘドロが堆積した干潟の改善
・アサリの漁獲量アップ
・干潟再生による生物多様性の維持
関連情報
・サンプルあり
- 14:30~14:55
- 医療・福祉
福岡大学 医学部 医学科(産婦人科) 教授 宮本 新吾
新技術の概要
本アプリケーションは、妊婦から採取した試料の次世代シーケンシング(NGS)データと妊婦の生体情報とを組み合わせることで、妊娠関連有害事象の発生、例えば、絨毛膜羊膜炎の発症を予測する。また、予測に利用する閾値・生体情報の選択は機械学習を用いることで、解析症例数が増加するほど予測精度を向上させる機能を有する。
従来技術・競合技術との比較
近年、NGS技術を用いた絨毛膜羊膜炎(子宮内感染)発症の早期予測が可能となったが、高い専門的技術を要するため普及を困難としている。本発明はNGS解析技術を有さない臨床医が日常的に子宮内感染症発症診断のために活用でき、また、解析症例数が蓄積するほど予測精度が向上することを可能とした新規アプリケーションである。
新技術の特徴
・NGS解析技術を内包し情報解析技術を有しない開業医にも活用できる。
・疾患を問わず患者の生体情報とNGSデータとを組み合わせて発症を予測できる。
・機械学習による予測精度向上機能を内包している。
想定される用途
・一般的な細菌感染症の予知と診断
・腔内細菌叢解析による生活習慣病等の予測診断
・細菌叢改善の効果判定
- 15:00~15:25
- 通信
8)パケット型インデックス変調方式を用いた差動化情報伝送
発表資料福岡大学 工学部 電子情報工学科 助教 太田 真衣
新技術の概要
LPWAでの利用を想定したパケット型インデックス変調方式を用いた場合に時間同期を必要としない伝送方式である。時間インデックスの基準を1つ前の受信パケットにし、伝送するインデックス情報を差動化させることで定期的な時間同期が不要となる。
従来技術・競合技術との比較
パケット型インデックス変調方式では、LPWAでの利用を想定し、伝送時間の制限により低伝送速度でも、パケットによる伝送ビットに加え、パケットを伝送するチャネルと時間のインデックスに情報を割り当て、付加的に伝送ビット数を増加させることができる。しかし、インデックスを検知するために定期的な時間同期が必要である。
新技術の特徴
・時間同期が不要
・安価な端末で生じるクロックドリフトへの耐性
想定される用途
・IoT
・センサネットワーク
・LPWA
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
福岡大学 産学官連携センター
TEL:092-871-6631
Mail:sanchi adm.fukuoka-u.ac.jp
URL:http://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/
新技術説明会について
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TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp