金沢工業大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2023年02月28日(火) 09:55~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、金沢工業大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
金沢工業大学 産学連携局 局長 河合 儀昌
- 10:00~10:25
- 医療・福祉
1)病理画像のがんらしさと正常らしさを情報量で評価する情報密度法
発表資料金沢工業大学 工学部 情報工学科 教授 金道 敏樹
新技術の概要
病理画像診断技術分野の発表である。性質の分かっている画像特徴量のそれぞれが「がんである」と「正常である」とを識別する上での情報量(判断根拠)をどれほど持っているかを使って病変部を可視化する技術である。人工知能病理診断の国際コンペ CAMELYON16 のデータに適用し、このアプローチの有望さが確認できている。
従来技術・競合技術との比較
近年、畳み込みネットワークなど人工知能を使った病理画像診断技術が盛んに研究され成果を上げる一方、その判 断根拠を示すことが課題として浮かび上がっている。本技術は、逆に、判断根拠から積み上げる病理画像診断技術実現するものである。
新技術の特徴
・画像診断において、情報理論に裏づけられた病変/正常(良/否)の判断根拠を可視化できる。
・病変度合いを連続値で定量化できるので、病変の可能性が高い部分から医師に提示できる
・病変度合いを連続値で定量化できるので、病変なし判断の支援ができる
想定される用途
・がんなど病理画像診断における画像診断支援
・表面撮影画像から可能である範囲でのコンクリート等劣化検出
関連情報
展示品あり
- 10:30~10:55
- 情報
金沢工業大学 情報フロンティア学部 経営情報学科 教授 徳永 雄一
新技術の概要
ドローンの遠隔無視界操縦におけるドローン周辺の空間認識を支援するために、即時的にドローン周辺の3Dモデルを生成し、その3Dモデルに操縦対象のドローンのモデルを重ね、これを任意の視点から撮影した視点(三人称視点)の映像を生成、操縦者に提供する。
従来技術・競合技術との比較
①魚眼カメラによる俯瞰映像、②ドローン後方にステーを伸ばした先のカメラで撮影、③別ドローンを追尾させて撮影という方法で、三人称視点を実現する方法が提案されているが、①は十分な視点を得るには多数のカメラを設置する必要があり、また②はドローンのバランスを乱す可能性があり③は追尾ドローンの安全性確保が必要となり、いずれも実用に難がある。本技術は、ドローン搭載カメラの映像伝送と、GPS情報伝送という現在のほとんどのドローンが備えている機能を用いて実現するため、広く普及させることができる。
新技術の特徴
・地形・付加静止物・空間移動体に分け、それぞれのデータソース、処理方法を変えたモデル生成方法
・識別できた物体については既成モデルに置き換えることで鮮明な空間映像を生成
・遠方から近づくにつれ、モデル精度を向上させることで処理負荷軽減と視認精度を両立
想定される用途
・ドローン物流
・インフラ点検
- 11:00~11:25
- 情報
3)確率共鳴現象を応用したカラー画像に対するコントラスト復元技術
発表資料金沢工業大学 工学部 ロボティクス学科 教授 竹井 義法
新技術の概要
明暗の混在する画像に対して、自然な暗部強調を可能とするコントラスト復元技術。ノイズの存在が逆に微弱信号を強調する確率共鳴現象を利用することで、カラー画像のコントラスト復元を実現する。
従来技術・競合技術との比較
グレースケール画像に対する適用例が多い確率共鳴現象を用いて、カラー画像の画質改善(コントラスト復元)ができる。本技術は画像に対する空間処理を必要としないことから、空間処理による副次的な問題が生じにくい。また、機械学習向けアクセラレータの利用にも適している。
新技術の特徴
・確率共鳴現象を利用したカラー画像に対するコントラスト復元の実現。
・空間処理を必要とせず、自然な色味を保持したままに暗部強調と明部保存を実現する。
・画像形式によらず良好なコントラスト復元を実現する。
想定される用途
・配光条件を制御できない状況での遠隔作業支援時の監視カメラ映像の改善(自然光のある農業、ロボット手術支援における狭小領域のモニタ映像等への応用)
・車載カメラ(夜間での車内監視、駐車時のバックモニタよる車庫内外の監視)への応用
・スマートフォン搭載カメラの画質改善
関連情報
サンプルあり (連携希望企業等からの要望があれば提供できる)
- 11:30~11:55
- 材料
金沢工業大学 バイオ・化学部 応用バイオ学科 講師 附木 貴行
新技術の概要
化石資源の替わりに再生可能な資源への転換が注目され、その一つとしてバイオマス資源の活用が検討されている。
バイオマス資源の活用例として、木や草本類を構成するセルロースに着目し、セルロースマイクロファイバーやセルロースナノファイバー等の繊維にし、他の材料と複合化することで軽量で高強度の材料を用い積層成形する。
従来技術・競合技術との比較
高強度、高弾性、低熱膨張のナノ/マイクロセルロース繊維は、低荷重、低負荷が要求される二輪自動車用ヘルメットや競技用ヘルメットの積層部材への利用が考えられる。そのため、軽量性や力学物性の向上がより一層求められている。
新技術の特徴
・微細構造を有するナノ/マイクロセルロース繊維のハイブリット積層体を成形
・樹脂含侵性による成形加工が可能な積層体
・軽くて強い積層複合材
想定される用途
・スポーツ用品
・家電家具
・輸送機
関連情報
サンプルあり (連携希望企業等からの要望があれば提供できる)
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
金沢工業大学 産学連携東京分室
TEL:03-5777-1964
Mail:iuctky mlist.kanazawa-it.ac.jp
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp