情報通信研究機構 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年10月27日(木) 10:00~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、情報通信研究機構
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 通信
1)超多数端末接続ネットワークでの高精度時刻管理方式
発表資料情報通信研究機構 電磁波研究所 電磁波標準研究センター 時空標準研究室 研究員 矢野 雄一郎
新技術の概要
超多数個の端末に対して原子時計の精度の高い時刻情報を維持・管理する方法。端末間の周波数差情報をやり取りし、各端末の周波数情報をネットワークに接続されている端末で共有して最尤推定処理することで、理想的な条件下では端末の時刻をナノ秒オーダーで高精度に維持することを可能とする。
従来技術・競合技術との比較
従来の時刻同期用プロトコルは、ネットワークの接続形態や構成形態に起因する使用制限がある。これに対し、次世代無線通信ネットワークでは、超多数接続や柔軟なトポロジー構成が要求される。本技術は、このような要求を満たしながら、次世代無線通信ネットワークにおいて高精度な時刻管理を行うことができる。
新技術の特徴
・超多数接続に対応できること
・ネットワーク全体で安定した時刻が刻まれること
・ネットワーク構成に依存しないこと
想定される用途
・センサーネットワーク
・エッジサーバー
・V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2X(Vehicle-to-Everything)
- 10:30~10:55
- 情報
情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳情報工学研究室 主任研究員 西田 知史
新技術の概要
本技術は、五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)と言語のうち複数のモダリティからなるマルチモーダル情報を、人から計測した脳活動を用いて作成した数理モデルによって脳情報空間上での統一的な表現に変換し、マルチモーダル情報の直接的な比較や統合を可能にする。
従来技術・競合技術との比較
脳はマルチモーダル情報の処理が得意であり、そのような情報を脳活動という統一的な表現で扱う。本技術は、そのような脳活動から作成した脳情報空間を新たに導入することで、従来技術や機械学習では扱いが難しかった五感と言語という多種のマルチモーダル情報を容易に統合可能にする点で新規性を有する。
新技術の特徴
・マルチモーダル情報を脳情報という統一的な表現に変換することで、直接的な比較や統合が可能になる
・得られた統一的な脳情報表現は、パターン認識問題などで汎用的に利用することができる
・脳情報表現を用いることで人間の認知や行動の推定へ有効に活用できる
想定される用途
・匂いと味のような複数モダリティの言語記述から商品を探すマルチモーダルキーワード検索
・店の内装に合ったBGMと香りを選ぶ等に利用できるマルチモーダル情報の適合度を推定する技術
・書籍購入履歴からおすすめの音楽を推薦するといったクロスモーダル商品レコメンデーション
- 11:00~11:25
- 情報
情報通信研究機構 ユニバーサルコミュニケーション研究所 先進的音声翻訳研究開発推進センター 先進的音声技術研究室 主任研究員 岡本 拓磨
新技術の概要
異なる領域に複数の音場を同時に制御可能な複数領域音場制御を提案する。従来法はスピーカの配置が限定的であり、制御できない波面の方向を有する問題に対して、任意のスピーカ配置に対応した方式を提案し、従来法の問題点を解決した。また、提案法は従来法を含む一般解として定式化できる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術は円形スピーカアレイの内側に複数の音場を同時に制御する方式であるため、それぞれの波面と制御エリア間の相対的な位置により制御できない波面の向きを有する問題があったが、任意のスピーカ配置に対応した方式へと一般化させ、複数の音場に対してあらゆる方向の波面も制御可能となった。
新技術の特徴
・それぞれの音場の波面を到来音場と放射音場とに分割した音場制御方式
・上記を発展させ、任意のスピーカ配置、円筒型スピーカに対応した複数領域音場制御
・従来の音場制御の一般化として定式化
想定される用途
・万博等におけるエリアごとの多言語同時再生
・車内等における個人ごとに異なる音空間を提示可能なパーソナルオーディオシステム
・博物館等におけるコンテンツごとに異なる解説音の同時再生
- 11:30~11:55
- 情報
4)脳波を用いた学習者のモチベーションの可視化
発表資料情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター 脳機能解析研究室 研究員 渡部 宏樹
新技術の概要
本発明では、解答の正誤を示すフィードバックに対する脳波反応を計測することによって、脳波から教育アプリケーション使用中の学習意欲を客観的に評価する手法を開発した。本発明は、学習単元・学習内容に対する学習意欲の度合いの評価指標となりうる。また、その評価によって学習意欲向上につながるような最適な学習単元や到達目標の設定が可能となることが見込まれる。
従来技術・競合技術との比較
適応型学習を用いたICT教育では、学習者の課題成績などから次に行う単元をサジェストする機能が搭載されている。しかし、現在行っている単元に対してすでに飽きてしまっているか、学習意欲が高まっているかなどの心理的側面を考慮することができない。本発明は、ICT教育実施時の脳波から、その課題単元に対する学習意欲という心理的側面を推定する方法を提供する。
新技術の特徴
・ICT教育で学習中の脳波を使用して学習者のモチベーション度合いが推定可能
・ウェアラブルな脳波計とパソコンなどのICTデバイスのみで実現可能
・学習中の脳波計測を通じて脳の認知状態を直接知ることで、モチベーション状態のより客観的な指標が作成可能
想定される用途
・生体情報に基づくICT教育デバイスのコンテンツなどの客観的な評価
・学習者のモチベーションが高まっている学習単元・学習内容の推定
・ICT教育における学習者のモチベーションが向上するような学習内容・単元の自動サジェスト機能の構築
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
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