材料・機械技術 ~四国5大学~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年08月30日(火) 09:55~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、
四国産学官連携イノベーション、共同推進機構(SICO)、
徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学、高知工科大学、
株式会社テクノネットワーク四国
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
株式会社テクノネットワーク四国 代表取締役 合谷 祥一
- 10:00~10:25
- 材料
1)粒度の均一な粒状窒化ホウ素の合成法および樹脂材料の高熱伝導化
発表資料香川大学 創造工学部 創造工学科先端マテリアル科学コース 教授 楠瀬 尚史
新技術の概要
放熱樹脂の熱伝導フィラーとして熱伝導異方性のない窒化ホウ素(BN)粒子が望まれている。本研究では、BNが球状に成長した異方性のないBNフィラーを均一な粒度で合成することに成功した。これを樹脂と複合化することにより、等方的に高熱伝導を有する樹脂を作製することが可能となった。
従来技術・競合技術との比較
BNは結晶異方性が大きく、市販されている粉末は板状結晶であり、熱伝導異方性が問題となっていた。BNの熱伝導異方性を改善するために、板状結晶を凝集させた凝集BNフィラーが開発されたが凝集力が弱く混練時に崩壊するという欠点があった。本研究で合成したフィラーは、BN粒子が球状に成長しているため、粒子強度が高く、熱伝導異方性を改善することが可能である。
新技術の特徴
・球状BNフィラー
・熱伝導異方性の低減
・高熱伝導樹脂
想定される用途
・樹脂基板やシリコンゴム、グリスなど有機材料の高熱伝導フィラー
・高熱伝導性耐電圧樹脂材料用フィラー
・触媒担体
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- 情報
2)RGBカメラで検出精度向上を実現する光学フィルタの開発
発表資料高知工科大学 情報学群 教授 栗原 徹
新技術の概要
RGBカメラで検出精度の向上を実現するため、RGBカラーフィルタの前に光学フィルタを配置し、識別に有用な波長を選択できる構造を構築しました。さらに、その深層学習ネットワークにRGBカラーフィルタも固定の重みとして入れることで、光学フィルタと認識用AIを学習によって同時に設計することに成功しました。
従来技術・競合技術との比較
スペクトルを細かく計測できるハイパースペクトルカメラは高価で撮像時間もかかりますが、提案法では利用するカメラの機種に最適な光学フィルタと認識AIを同時に設計し、葉の色と果実の色が近いピーマンの検出において光学フィルタ無しに比べ2%程度性能向上することができました。
新技術の特徴
・目視では見分けにくい色の識別が可能
・スペクトルの違いを強調
想定される用途
・医薬品の鑑査システムなどハイパースペクトル画像が有効な領域でコスト圧縮を図りたい業界
- 11:00~11:25
- 機械
徳島大学 大学院 社会産業理工学研究部 教授 高岩 昌弘
新技術の概要
地面と装着者の脇下間に支援力を発生させる新しいタイプのパワーアシスト装置を提案する。圧倒的な軽量化とほぼ瞬間的に完了する着脱の容易さを特徴とする。空気圧アクチュエータで駆動するアクティブ型とバネの復元力のみを用いるパッシブ型を提案し、要介護者支援や一次産業分野での重労働支援への実用展開を図る。
従来技術・競合技術との比較
従来の装着型パワーアシスト装置は、機構上、腰痛予防のため推奨されているスクワット法を阻害する可能性がある。また、着脱に時間を要し、装置の自重が直接的な身体負担となるなどの問題がある。本装置は免荷型で脇下支援を特徴とし、スクワット動作を阻害せず、瞬間的な着脱と自重による身体負担が無いことを特徴とする。
新技術の特徴
・身体との接触点が足側面と脇下のみであるため、腰痛予防のために推奨されているスクワット法を阻害しない
・瞬間的に完了する着脱時間のため、装置の必要・不要が混在する作業におけるオンデマンド的な使用が可能
・装置は免荷されているため、装置自身の自重は装着者の直接的な身体負担にならない
想定される用途
・歩行リハビリテーションや重量物の持ち上げ支援
・立ち上がり、立ち座り支援
・中腰姿勢における姿勢補助
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 11:30~11:55
- 計測
愛媛大学 大学院 理工学研究科 生産環境工学専攻 教授 李 在勲
新技術の概要
本技術は、人間の歩行動作を腰部に着用した単一慣性センサ(IMU sensor)のみで推定する方法である。成長とともに形成された習慣的なパターンを持つ人間の歩行動作について、腰部の慣性センサデータから両脚の動きを実時間で予測するアルゴリズムを開発し、両脚の股関節と膝関節のピッチ角の推定が可能である。
従来技術・競合技術との比較
人間の歩行動作を計測する従来の方法では、光学式モーションキャプチャー、ウェアラブルモーションキャプチャー、カメラを用いた画像処理などがある。これらの方法は複雑な大型装置と複数のマーカーやセンサを身体に装着する必要があり、精密な分析が必要な研究などに適しているが日常生活での活用は困難である。本技術では、腰部のベルトに単一センサを着用するだけの簡単な装置であるので日常生活でも広く活用できる。
新技術の特徴
・腰部に着用する単一慣性センサのみ
・リアルタイムで両脚の歩行動作推定が可能
・習慣的な歩行パターンを基に腰部の慣性センサから両脚動作を推定
想定される用途
・ヘルスケアのための歩行動作推定
・仮想現実(Virtual Reality)やビデオゲーム(Video Game)のHMI(Muman-Machine Interface)
・歩行動作に対するリハビリテーション
関連情報
・デモあり
- 13:00~13:25
- 環境
5)還元型無機リン酸の選択的酸化方法及び測定方法
発表資料高知大学 教育研究部 自然科学系 農学部門 准教授 山口 晴生
新技術の概要
多くの研究・産業分野に普及している従来技術の一部を改良することで、還元型リン酸塩(PO2+3)の定量的な検出が実現した。特異性は担保されており、操作性・コスト面にも優れていることから、高波及型キットの開発を目指せる。
従来技術・競合技術との比較
これまで還元型リン酸塩(PO2+3)を検出するために様々な技術が開発されてきた。それらの多くは、対象物を分離するための煩雑な操作、ハード、コストをともなう。いくつかの技術は分離操作を伴わないものの、操作性の簡便さ、感度あるいは特異性が担保されていない。これらの点を克服している点で本技術の優位性は高い。
新技術の特徴
・従来から広く活用されている普及技術の一部を改良するだけ。
・ハード面およびソフト面いずれにおいてもリーズナブル。操作性にも優れており、キット化が視野に。
・対象物質を分離する操作が不要。従来技術と組み合わせることで、リン酸塩(PO2+3+4)の網羅定量が可能。
想定される用途
・リン酸塩(PO2+3+4)の網羅定量キットの開発
・農作物の生育環境の管理(生育に有効とされる還元型リン酸塩の定量)
・環境アセスメント(水質評価および管理)
- 13:30~13:55
- 材料
徳島大学 大学院 社会産業理工学研究部 理工学域応用化学系 助教 霜田 直宏
新技術の概要
水素を製造および利用するための反応プロセスは多岐にわたり、それらの反応に用いられる固体触媒は担持金属触媒が一般的である。本技術は、アルミニウム廃材のリサイクル工程で排出されるアルミニウムドロスを担体材料として利用する新規触媒開発を行うものである。本発表では、アンモニア分解、メタン改質、サバチエ反応などへ開発触媒を適用した研究成果について発表する。
従来技術・競合技術との比較
固体触媒材料は様々な化学工業プロセスにおいて重要な材料である。特に酸化アルミニウム(アルミナ)を担体とする触媒は石油化学工業などで幅広く使用されている。産業廃棄物を利用した本技術は固体触媒コストを大きく低減できるものと考えられる。また、近年の世界的な金属資源の価格不安定さから国内における有用金属資源の再利用技術はますます重要になると思われる。
新技術の特徴
・産業廃棄物の再利用
・低コスト化
想定される用途
・固体触媒
- 14:00~14:25
- 材料
7)「ナノポーラス超多元触媒」の開発
発表資料高知工科大学 環境理工学群 教授 藤田 武志
新技術の概要
有機化学合成・ガス反応・電極触媒用途に用いられるほぼすべての遷移金属と貴金属を含んだ14元素から構成されるアルミ合金を作製し、アルカリ溶液でアルミを溶かしナノポーラス超多元触媒を作製します。簡便な方法により、孔のサイズが約5ナノメートルの比表面積の大きなナノ構造ができ、14元素が均一に分布した合金になります。
従来技術・競合技術との比較
ナノポーラス超多元触媒は、多元素重畳効果(カクテル効果)より水の電気分解用電極材として優れた特性を持ちます。
新技術の特徴
・スポンジ構造の多孔体
・ハイエントロピー触媒
・実用化が容易な簡便な作製方法
想定される用途
・多能性を生かした万能触媒として活用される可能性
・自動車産業界や火力発電業界、さらに石油化学産業界などの化石燃料に基礎をおく全ての産業界や医薬品分野での高難度な触媒反応に活用される可能性
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
四国産学官連携イノベーション共同推進機構(SICO) SICO事務局(徳島大学)
TEL:088-656-9702
Mail:sico-office tokushima-u.ac.jp
URL:https://www.tokushima-u.ac.jp/ccr/active/project/sico/
徳島大学 株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部【発表3、6】
TEL:087-813-5672
Mail:tlo @s-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/
香川大学 株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部【発表1】
TEL:087-813-5672
Mail:tlo s-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/
愛媛大学 株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部【発表4】
TEL:087-813-5672
Mail:tlo s-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/
高知大学 次世代地域創造センター地域イノベーション部門(知財担当)【発表5】
TEL:088-844-8418
Mail:kt05 kochi-u.ac.jp
URL:https://www.kochi-u.ac.jp/cersi/
高知工科大学 研究連携部研究連携課【発表2,7】
TEL:0887-57-2025
Mail:renkei ml.kochi-tech.ac.jp
URL:https://www.kochi-tech.ac.jp/research_coordination/founds/accession/steps.html
株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部
TEL:087-813-5672
Mail:tlo s-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp