医工連携 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年12月22日(木) 10:00~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、新潟大学、北海道大学、
東北大学、東京工業大学、東京医科歯科大学、名古屋大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 情報
東京工業大学 科学技術創成研究院 バイオインタフェース研究ユニット 教授 小池 康晴
新技術の概要
筋電図を利用したインタフェースを構築する場合、前処理として全波整流の後、ローパスフィルタを通すことで筋肉の発生している張力を推定し利用することが多い。しかし、ローパスフィルタによる遅れのため実時間で操作するときに遅れを感じる場合がある。ベイズ推論による新しい前処理方法を利用することで遅れを減らすことができる。
従来技術・競合技術との比較
筋電図から張力を推定するローパスフィルタは、遅れが生じる。ベイズ推論による新しい前処理方法を利用することで、簡単な繰り返し計算により精度良く信号の情報を取り出すことが可能となる。
新技術の特徴
・生体信号処理
・ベイズ推論
・機械学習
想定される用途
・ヒューマンインタフェース
・生体信号計測器
- 10:30~10:55
- 計測
東北大学 大学院医工学研究科 医工学専攻 治療医工学講座 生体電磁エネルギー医工学分野 教授 薮上 信
新技術の概要
磁性ナノ粒子と微生物等との抗原抗体反応による複合凝集体が磁気相変化する現象を利用して、簡便かつ高感度に微生物等を検出する。IoTデバイスとの組み合わせによりポータブルセンサリアルタイム自動集計等が可能である。
従来技術・競合技術との比較
本センサはELISA、市販抗原検査キット等よりも低コストでその検出感度を上回る微生物評価法である。またIoTデバイスとの相性が良く、リアルタイムに測定、データ集計等が可能であり、日常的な迅速検査が可能である。
新技術の特徴
・磁性ナノ粒子の凝集体を利用した新しい微生物検出
・市販抗原検査キットの1/3程度の低コスト
・IoTでリアルタイム集計&分析
想定される用途
・高齢者施設等でのクラスタ防止、感染症対策
・手術室や病院での迅速微生物、タンパク質検査
・イベント会場等での感染症対策
関連情報
・展示品あり
- 11:00~11:25
- 医療・福祉
3)【発表中止】結核菌や抗酸菌蛋白質を調整して、診断やワクチンに利用する
新潟大学 大学院医歯学総合研究科(医学系) 細菌学 教授 松本 壮吉
新技術の概要
本邦や世界の先進国における非結核性抗酸菌(NTM)症の増加が著しく、難治性で現代における難病の様相を呈している。2021年に150万人が死亡したように、結核の惨禍も継続している。このような抗酸菌症の対策の基盤となる、診断やワクチン抗原、また抗菌薬標的蛋白質を生産する。
従来技術・競合技術との比較
大腸菌等のモデル生物の産生した抗酸菌蛋白質では本来の抗原性や活性が失われていることが多い。弱毒で早育性の抗酸菌を利用して、結核菌が産生する蛋白質を、生来の抗原性や活性が維持された状態で、安全に、大量に生産する。
新技術の特徴
・抗酸菌が産生する蛋白質生来の構造や抗原性を維持している
・抗酸菌蛋白質を安価で簡便、安全に生産できる
想定される用途
・抗原性蛋白質を利用するワクチン開発や抗酸菌の免疫原性を利用する免疫療法の開発
・抗酸菌症創薬のための標的蛋白質
・抗酸菌症の診断抗原
関連情報
・サンプルあり
- 11:30~11:55
- 医療・福祉
4)胃および十二指腸内視鏡的粘膜下層剥離術を安全に行うためのハイドロゲル
発表資料北海道大学 北海道大学病院 中央診療施設等 光学医療診療部 助教 山本 桂子
新技術の概要
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)では消化管穿孔が大きなリスクとなっている。我々は、従来の局注液よりも効果的な局注剤として(術中穿孔予防)、また治療後潰瘍を被覆する保護剤として(遅発穿孔予防)の機能を併せ持つハイドロゲルを考案した。
従来技術・競合技術との比較
従来品の局注液であるアルギン酸ナトリウムに炭酸カルシウムをアルギン酸ナトリウムに懸濁し、次に酸およびキトサンを追加局注することにより、直接供給不能なハイドロゲルを均一な状態で粘膜下層内に形成させることができ、消化管内の酸、アルカリ、Naの存在環境下でも崩壊せずに消化酵素の浸透を防ぐ耐久性を獲得した。
新技術の特徴
・内視鏡的粘膜下層剥離術用アルギン酸ハイドロゲル
・キトサンおよび潰瘍治癒促進物質配合アルギン酸ハイドロゲル
想定される用途
・内視鏡的粘膜下層剥離術の局注剤・術後潰瘍保護・治癒促進剤
関連情報
・サンプルあり
- 13:00~13:25
- 材料
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 医療基盤材料研究部門 無機生体材料学分野 准教授 横井 太史
新技術の概要
生体内に埋入後に破損しない人工骨の開発を目指し、カルボン酸イオンを導入したリン酸八カルシウムを不活性雰囲気下で焼結することにより、リン酸カルシウムとカーボンの複合材料を作製した。同材料は釘を打っても破壊しないほどの優れた損傷許容性を示すことを見出した。
従来技術・競合技術との比較
従来の人工骨は強度を高めることによって生体内に埋入後に破壊することを防ぐ材料設計であった。これに対して本技術は、材料内にき裂が発生してもそれが局所に留まり、材料全体に広がらないように材料を設計している点が従来技術とは大きく異なっている。
新技術の特徴
・割れないセラミックス焼結体
・セラミックス/カーボン複合体
・生体適合性
想定される用途
・人工骨
・人工歯根
・骨折固定用プレート・スクリュー
関連情報
・サンプルあり
- 13:30~13:55
- 創薬
名古屋大学 大学院医学系研究科 腫瘍外科 病院准教授 國料 俊男
新技術の概要
マグネタイト(Fe3O4)を封入した磁性ナノ粒子(MCL)により細胞を磁性化し、磁場で短時間のうちに10層以上の多層性細胞シートを培養不要で構築する方法を開発し、その有効性を明らかにしている。細胞の上から下への定磁場により、迅速に均一化したシートの作成が可能な磁場誘導型細胞成型機器を開発した。
従来技術・競合技術との比較
従来技従来技術では、細胞シート作製に培養が必要であった。培養期間が3日から7日と時間がかかり、外傷、熱傷や緊急手術などでの使用ができなかった。また単層培養なため多層性細胞シートの作製が困難であった。磁場誘導型細胞成型技術により培養不要かつ短時間での多層性細胞シートの作製が可能となった。
新技術の特徴
・培養不要で安全かつ低コスト化の可能な細胞成形技術
・多層性細胞シートの短時間での作製技術
・どのような動物種・細胞腫でも使用可能な汎用性の高い細胞成形技術
想定される用途
・外傷、広範囲熱傷などの救急疾患
・外科手術後の合併症の予防・緊急手術
・従来の細胞シートが適応としている疾患
- 14:00~14:25
- 医療・福祉
北海道大学 北海道大学病院 むし歯科 助教・(兼)臨床講師 川本 千春
新技術の概要
本技術の薬剤徐放性の口腔用ゲル組成物は、従来品と比して薬剤が持続的に口腔内に留まるため、ウイルスの不活化と予防にも有効であると期待できる。
従来技術・競合技術との比較
抗エンベロープウイルス用の薬剤徐放性の口腔用組成物が既に開示されている他、既存の薬剤剤徐放性の口腔用組成物は開発されているが、本技術とは異なり短時間で効果を発揮することを想定しており、薬剤が持続的に口腔内に留まるものではない。
新技術の特徴
・本技術の口腔用ゲル組成物はウイルスの不活化と予防に有効である
・子供や免疫力の弱い高齢者や介護を必要とする身体障害者にも容易に使用できる
想定される用途
・処方例として、ゲル剤、舌下錠剤、軟膏として提供可能である
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
新潟大学 地域創生推進機構
TEL:025-262-7554
Mail:onestop adm.niigata-u.ac.jp
URL:https://www.ircp.niigata-u.ac.jp/
北海道大学 産学・地域協働推進機構 産学連携推進本部
TEL:011-706-9483
Mail:jigyo mcip.hokudai.ac.jp
URL:https://www.mcip.hokudai.ac.jp/
東北大学 産学連携機構
TEL:022-795-5275
Mail:souren grp.tohoku.ac.jp
URL:https://www.rpip.tohoku.ac.jp/jp/information/gijutsu_form/
東京工業大学 研究・産学連携本部
TEL:03-5734-2445
Mail:sangaku sangaku.titech.ac.jp
URL:https://www.ori.titech.ac.jp/
東京医科歯科大学 オープンイノベーション機構
TEL:03-5803-4732
Mail:openinnovation.tlo tmd.ac.jp
URL:https://www.tmd.ac.jp/tlo/
名古屋大学 メディカルイノベーション推進室
TEL:052-744-2189
Mail:tsurumai-miu aip.nagoya-u.ac.jp
URL:http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scettjst.go.jp