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静岡大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年11月24日(木) 10:00~14:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、静岡大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)高配向性を有するアナターゼ型酸化チタン膜の製造方法

発表資料 プレゼン動画

静岡大学 電子工学研究所 ナノマテリアル研究部門 教授 下村 勝

新技術の概要

本発明は、水と、アルコールと、ジケトンと、酸と、チタンアルコキシドと、フッ素原子含有チタン化合物溶液を基板を浸し、ソルボサーマル(水熱合成)法でアナターゼ型酸化チタン膜を形成するものである。本発明のソルボサーマル法により、高配向性を有するアナターゼ型酸化チタン膜を製造できるという特徴を持つ。

従来技術・競合技術との比較

チタン酸化物のアナターゼ型、ルチル型、無定型については種々の製法が知られている。従来の製法は粒子状チタン酸化物を基板上に配置する手法であったが、本技術は結晶(001)面が揃った均一な成膜化ができ、活性の高いチタン酸化物膜を得ることができる。

新技術の特徴

・高い結晶性を持つアナターゼ酸化チタン薄膜が安価に、かつ均質に作製可能である
・異種元素のドーピングが可能であり、導電性を制御することができる

想定される用途

・高配向結晶薄膜を作成でき、かつドーピングが可能であるため、色素増感太陽電池やペロブスカイト太陽電池などにおける電子輸送層への利用が期待される
・他の構造と組み合わせることによって、光励起によって生成された電子とホールの分離が可能となり、光触媒等への応用が期待される
・紫外線吸収による水素生成電極への使用が期待される

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

  • 10:30~10:55
  • 製造技術

2)単位球面上の新しい曲線による力学的に優れた姿勢制御法

発表資料 プレゼン動画

静岡大学 創造科学技術大学院 情報科学専攻 教授 三浦 憲二郎

https://wwp.shizuoka.ac.jp/miura-lab/

新技術の概要

5軸加工機、3Dプリンタ、多関節ロボット等の分野において、工具の姿勢制御を最適化する技術である。新たに提案する球面κ-曲線は単位球面上の通過点を指定でき、当該通過点で曲率極値を取る。その極値を減少させることで姿勢制御の加速度や力を軽減できるとともに、表現式は有理2次式に基づいており低次数であるため計算効率もよい。

従来技術・競合技術との比較

姿勢制御に用いられる手法としては1) 加工機のメカニズムによる回転角、2) オイラー角、3) 単位4元数、4) 本研究で提案する球面κ-曲線がある。これらの手法の中で、球面κ-曲線は測地曲率の制御に適しており、その曲線により速度・加速度を最適化することで姿勢を的確に制御できる。

新技術の特徴

・姿勢制御において最も力がかかる位置を入力点として指定できる
・曲線の次数が2次であり、低次数のため曲線軌道の最適化が容易である
・数式で厳密に定義されるため姿勢の平滑化等の信号処理が不要である

想定される用途

・5軸加工機の姿勢制御
・3Dプリンタのノズル姿勢制御
・多関節ロボットの姿勢制御

  • 11:00~11:25
  • 材料

3)CNFを活用したPP製3Dプリンターフィラメントの開発

発表資料 プレゼン動画

静岡大学 農学部 ふじのくにCNF寄附講座 特任教授 青木 憲治

新技術の概要

セルロースナノファイバー(CNF)を樹脂中に均一分散させ、網目状構造を形成させることで、新たな製品価値を付与することが期待できる。これまで当研究室ではCNFの均一分散が可能なCNFマスターバッチの開発を行ってきた。成果例としてPP製3Dプリンターフィラメントを紹介する。

従来技術・競合技術との比較

3Dプリンターのフィラメント材料の主流はPLA、ABSであり、PP製のフィラメントは市場にほぼ存在しない。PPは結晶性高分子であるため熱収縮が大きく、安定した造形ができなかった。開発したCNFマスターバッチを用い、CNFで網目状構造を形成させることにより、ヒケ、反りが抑えられ、完全造形可能なPP製フィラメントが得られた。

新技術の特徴

・セルロースナノファイバー(CNF)をPP中に均一分散できる分散化処理技術
・樹脂の熱収縮、熱変形の制御
・3次元網目状構造の利用

想定される用途

・物理発泡ポリプロピレン
・塗膜のフィルムフォーミング性向上
・射出成形品の寸法安定性向上

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • デバイス・装置

4)IoTセンサー端末のバッテリ交換を不要とする電源回路技術

発表資料 プレゼン動画

静岡大学 工学部 電気電子工学科 教授 丹沢 徹

https://wwp.shizuoka.ac.jp/tanzawa-lab/

新技術の概要

バッテリと環境発電素子を備えたIoTセンサー端末に電力を供給する電源回路システム。バッテリと環境発電素子を直列接続した出力電力を後段の負荷回路に供給すると共に余剰電力を自動的にバッテリに戻して充電するコンバータ回路を設けることにより、負荷回路への出力電力を安定させ、バッテリだけを用いた場合に比べてバッテリ寿命を飛躍的に延ばすことが出来る。

従来技術・競合技術との比較

電力発生源が発電素子のみの場合、発生した低電圧の微小電力を負荷回路の要求電圧に変換するとき、コンバータ回路の変換効率が低いため、安定した電力供給が出来ない。本電源回路システムは、バッテリ交換不要で所望の電力を長期間に亘って安定して電力供給することが出来る。

新技術の特徴

・バッテリ交換を不要に出来る。(実質的なIoTセンサー端末の寿命を上回る)
・本電源回路システムはセンサーICに集積化可能なほど小さいためセンサー・モジュールの低コスト化・小型化に寄与

想定される用途

・大型化学プラントにおける熱配管の故障前にアラームを鳴らす警報機
・橋やトンネルの崩壊前に予兆を捉えて事故を未然に防止
・河川等の災害予防水位モニター

  • 13:30~13:55
  • デバイス・装置

5)フィルタ素子及びそれを含む撮像素子

発表資料

静岡大学 電子工学研究所 極限デバイス研究部門 教授 小野 篤史

https://www.rie.shizuoka.ac.jp/~a-ono/

新技術の概要

光透過性を有する基板と、基板の主面に沿って形成される金属製の膜状部材とを備え、膜状部材は、一方向に沿って交互に特定の周期で周期的に形成された凹面及び凸面を含む一方の面上の第1の面構造と、一方向に沿って交互に特定の周期で周期的に形成された凹面及び凸面を含む他方の面上の第2の面構造とを有する、フィルタ素子。

従来技術・競合技術との比較

従来から表面プラズモン共鳴を利用したフィルタ素子が開発されている。従来のフィルタにおいては、透過波長のさらなる狭帯域化と光透過率のさらなる向上が望まれている。本発明は、透過波長の狭帯域化、及び光透過率の向上を実現可能なフィルタ素子を提供する。

新技術の特徴

・金属薄膜で構成されたマルチカラーフィルタ
・偏光とカラーを同時弁別可能なカラーフィルタ
・可視光~近赤外光領域にかけて狭帯域なシングルバンドパスフィルタ

想定される用途

・偏光カラーイメージセンサ
・可視近赤外同時弁別イメージセンサ
・高色純度ディスプレイ

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 計測

6)長期連続計測かつ省電力モードが可能なストライプゲート電極付きpHセンサの開発

発表資料 プレゼン動画

静岡大学 工学部 電気電子工学科 准教授 二川 雅登

https://wwp.shizuoka.ac.jp/futagawa/

新技術の概要

半導体型pHセンサにストライプゲート電極を付加し、長期安定計測を可能とする世界初のpHセンサを開発した。時間と共に出力が変化するドリフトを電極に電圧を印可することで抑制に成功した。長期計測では15分に1回、10秒程度の間欠計測が主であるが、非計測時間帯においてもドリフトを抑制し、かつ省電力化を実現するシステム構築にも成功した。

従来技術・競合技術との比較

ガラス電極式のpHセンサは液洛がつまるため土壌に挿入することができなかった。また、半導体型pHセンサは、土に挿入することができるなどの利点はあったが、ドリフトが発生し長期計測ができなかった。これらの理由から、これまでのpHセンサは、現地に設置し続けて1か月以上の連続計測を実施することができなかった。

新技術の特徴

・電界によりドリフトを抑制
・低消費電力
・pHの長期安定計測

想定される用途

・農業培地培地計測
・廃土管理
・溶液環境監視

関連情報

・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

静岡大学 イノベーション社会連携推進機構
TEL:053-478-1702
Mail:sangakucdアットマークadb.shizuoka.ac.jp
URL:https://www.oisc.shizuoka.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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