東京都立大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年08月25日(木) 13:55~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、東京都立大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:55~14:00
開会挨拶
東京都立大学 総合研究推進機構 産学連携専門 課長 十津川 剛
- 14:00~14:25
- 情報
1)陳列作業自動化に向けたパッケージデザインと商品識別法
発表資料東京都立大学 大学院システムデザイン研究科 機械システム工学域 准教授 和田 一義
新技術の概要
本発明は、物品の種類や姿勢を認識可能な方法およびシステムを提供するものである。商品に対し予め記憶された模様単位を定められた方向に繰り返し配列し、読み取られた模様と記憶された商品種類の対応関係に基づいて物品および姿勢を特定することにより、確実に商品を認識することを特徴とする。
従来技術・競合技術との比較
商品を補充等作業するロボットは、バーコードやQRコードによって種類や姿勢を推定するが、商品は様々な姿勢であることから、印刷面が隠れたら商品を認識できない。また、物体の姿勢や位置を推定するためのARマーカーは、マーカーは一定の大きさが必要であり、マーカーが付与された面やマーカーの一部が隠れると認識できない。
新技術の特徴
・製品種類、製造工場、製造時期に応じて向きや間隔が異なるパッケージデザインを予め記憶させる。
・洗練されたデザインである。
想定される用途
・小売店の陳列棚に並ぶ商品の包装
関連情報
・サンプルあり
- 14:30~14:55
- 環境
2)安全で低コストかつ安定した原料を用いた有機ケイ素化合物の新しい製造方法
発表資料東京都立大学 大学院都市環境科学研究科 環境応用化学域 准教授 三浦 大樹
新技術の概要
本技術は、基幹化学原料であるアルコールから容易に誘導されるエステル、エーテル、ポリエステルに含まれる炭素ー酸素結合を、担持金ナノ粒子触媒を用いることにより、炭素ーケイ素結合に変換する方法に関するものである。本技術によれば、温和な条件下、短時間でアルキルエステル、アルキルエーテルから有機ケイ素化合物を合成することができる。
従来技術・競合技術との比較
医薬、農薬及び機能性材料の原料及びそれらの中間体として有用な有機ケイ素化合物が知られており、様々な合成方法が提案されているが、本技術は、従来に比べて有機ケイ素化合物の合成に必要な原料の入手が容易で、原料コストが安価である。また、その原料は安定しており、危険性もなく取り扱いやすい。
新技術の特徴
・炭素-ケイ素結合の形成にエステルのような汎用性が高い原料と担持金ナノ粒子触媒を利用
・アルキルエステル、アルキルエーテルからの有機ケイ素化合物の合成は温和な条件かつ短時間
・高分子の解重合(分解)により同時に有機ケイ素化合物を大量合成可能
想定される用途
・機能性材料及びその原料又はそれらの中間体
・医薬及び農薬の原料又はそれらの中間体
- 15:00~15:25
- 計測
東京都立大学 大学院システムデザイン研究科 機械システム工学域 教授 角田 直人
新技術の概要
開放空間における水蒸気の2次元分布を、近赤外光を使って測定する技術である。近赤外レーザー光を測定空間に拡大平行照射し、近赤外カメラで撮影したデータから、測定空間内の水蒸気の吸収度合いの分布を導出する。光学系には駆動部がなく安定した計測が可能で、近赤外光を用いるため汎用的なレンズ等を使用できる。
従来技術・競合技術との比較
既存の電気式湿度計は点測定で、水蒸気分布や流れを測定できない。市販のレーザーを用いた水蒸気測定装置は、セル中に導入した均一なサンプルガスのみが対象である。レーザー光を空間走査させる手法も考えられるが、走査速度に応じて測定結果にズレが生じるなど、既存技術で手軽に精度良く水蒸気分布を測定することはできない。
新技術の特徴
・水蒸気の2次元分布を画像でリアルタイムに確認することができる
・画像から定量的な水蒸気量とその時間変化を計算・表示することができる
・開放空間での測定が可能である
想定される用途
・電池、半導体等の製造工場での湿度管理
・配管等水蒸気漏れ調査
・ヒト用マスク等の透湿性評価
- 15:30~15:55
- アグリ・バイオ
4)世界の穀物不足を救う、『三大穀物間Cybrid植物』
発表資料東京都立大学 大学院理学研究科 生命科学専攻 教授 岡本 龍史
新技術の概要
本発明は、顕微授精法を用いてコムギ、イネ、トウモロコシなどの配偶子(卵細胞と精細胞)を任意の組み合わせで電気的に融合させることで、三大穀物間の交雑不全を克服し、コムギ−イネ・イネ−トウモロコシなどの交雑植物(Cybrid植物)を作出する技術である。
従来技術・競合技術との比較
コムギ、イネ、トウモロコシは異なる亜科に属するため、通常の交配による交雑は不可能である。また、異種体細胞融合法はアブラナ科やナス科の植物で利用されているが、三大穀物を含むイネ科植物では実用化できていない。本技術では従来技術で困難だった三大穀物間の交雑植物(細胞質雑種)の作出を可能とした。
新技術の特徴
・イネ、コムギ、トウモロコシなどの間での遺伝資源の相互利用が可能。
・遺伝子組み換え体に該当しないため、通常圃場で栽培可能。
・冠水耐性や高温耐性等、気候変動への耐性形質付与。
想定される用途
・人類の直接食料
・家畜飼料、食品材料
・バイオエタノール原料、バイオマス原料
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
東京都立大学 東京都公立大学法人 産学公連携センター URAライン
TEL:042-677-2726
Mail:ragroup jmj.tmu.ac.jp
URL:https://www.tokyo-sangaku.jp/
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