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福井大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2022年09月06日(火) 10:00~11:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、福井大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)ナノファイバーによる三次元構造体作製技術

発表資料 プレゼン動画

福井大学 学術研究院 工学系部門  維先端工学講座 教授 藤田 聡

http://acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp/bioeng/suye/

新技術の概要

ナノファイバー作製に有用なエレクトロスピニング法では、これまで三次元構造体を作製することは困難でした。本技術では、ハイドロゲルや高粘性のポリマー等を用いて任意の形状の鋳型を作り、この上にナノファイバーを吹き付けた後、鋳型を完全に除去するというプロセスにより、三次元構造体を自在に製造できます。

従来技術・競合技術との比較

これまでは作製が困難であった、ナノファイバーベースの任意の形状の三次元構造体(例えば球状、袋状、凹凸のある生体組織)を作製できます。コラーゲンや多糖の生体高分子から成るゲルファイバーでも利用可能なことから、生物学研究や薬理評価に有用な臓器モデルの作製や、人工血管等の医療デバイスへの応用も可能です。

新技術の特徴

・鋳型のマクロな構造と、ナノファイバーの微細構造を両立しうる階層的な三次元構造体の形成が可能
・合成高分子だけでなく、ゲル状の天然高分子など、種々の材料で利用可能
・鋳型に応じて自在にサイズ・形状を制御可能

想定される用途

・人工血管・人工弁等の再生医療用デバイス・足場材料
・研究用・薬物評価用の細胞組織モデル
・指や顔等の複雑な表面の形状にフィットする創傷被覆材・貼付材

関連情報

・サンプルあり

  • 10:30~10:55
  • アグリ・バイオ

2)カバノアナタケを用いた抗糖化物質の高効率生産

発表資料 プレゼン動画

福井大学 学術研究院 工学系部門 生物応用化学講座 教授 櫻井 明彦

http://acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp/bioeng/sakurai/index.html

新技術の概要

天然のカバノアナタケには様々な生理活性物質が含まれているが、人工培養が難しく大量生産されていなかった。本研究ではカバノアナタケの菌糸体を液体表面培養することで抗糖化物質を生産し、その主成分を3,4-dihydroxybenzalacetone (DBL)と同定した。DBLの抗糖化活性はこれまでに報告されていないが、基準物質であるアミノグアニジンの10倍程度の高い値を示した。

従来技術・競合技術との比較

通常の深部培養法でカバノアナタケを培養すると、生理活性物質の生産性は著しく低い。このため深部培養法ではなく、液体表面培養法により、これまで人工培養されていなかったカバノアナタケの生理活性物質の生産に成功した点が従来技術との違いとなる。また、DBLの生理活性としてこれまで知られていなかった抗糖化作用を見出した。

新技術の特徴

・カバノアナタケの菌糸体培養により新奇の抗糖化物質DBLを生産できる
・増殖速度の大きいカバノアナタケ変異株を作出できる
・カバノアナタケの菌糸体培養により天然菌核と同等の生理活性物質を短期間に生産できる

想定される用途

・糖尿病に関連する医薬品など
・糖化を抑える保健機能食品など
・肌の張りを維持するような化粧品など

関連情報

・サンプルあり

  • 11:00~11:25
  • 情報

3)異常サンプルを用いないAI外観検査技術

発表資料 プレゼン動画

福井大学 学術研究院 工学系部門 情報・メディア工学講座 講師 張 潮

http://www.labzhang.com/

新技術の概要

AIを用いた外観検査の自動化が進んでいるが、実応用上では、大量のラベル付きデータを用意することが困難である。本技術では、検査対象の正常サンプルの画像のみでAIを学習させ、物体表面の歪み・傷・汚れ・変色などを含む異常/正常の判別および異常領域の特定をリアルタイムで行うことが可能である。

従来技術・競合技術との比較

既存のAIシステムでは、大量なサンプル画像およびペアとなる「正常/異常」のラベルを収集し、AIに学習させるのが一般的であるが、膨大なコストがかかる。また、少数の異常データで異常検知を行う技術もあるが、そもそも不良品率の低い生産ラインでは収集が困難と考える。本手法では正常サンプルの画像のみを使用する。

新技術の特徴

・検査対象の種類の制限が少ない(工業製品や農産物、海産物などの製造・加工ラインに利用できる)
・正常サンプルの画像のみをAIの学習に利用する(ラベル付きのビッグデータを用意する必要がない)
・リアルタイムでの検査が可能(秒間20~30枚の画像を処理できる)

想定される用途

・機械加工品や成形品、押出品、表面処理品、組立品などの工業製品の検査・品質保証
・果物等の農産物や魚介等の海産物などの食品を検出対象とする振分・異物混入検査の自動化
・塗装工程などにおいての物体表面の歪み・傷・汚れ・変色を検出する異常検知システム

関連情報

・デモあり

  • 11:30~11:55
  • 材料

4)極限環境ウイルス由来タンパク質を用いたナノ粒子材料

発表資料 プレゼン動画

福井大学 学術研究院 工学系部門 生物応用化学講座 准教授 里村 武範

http://acbio2.acbio.u-fukui.ac.jp/bioeng/suye/

新技術の概要

100℃を超える極限環境に生息可能な超好熱菌に感染したウイルスの殻を構成するタンパク質を、組換えタンパク質として大量生産に成功し、人工のウイルス様ナノ粒子を形成させることができた。また、このウイルス様粒子表面に遺伝子工学的手法により電子伝達物質を粒子表面に付与することで導電性ナノ粒子を作ることができた。

従来技術・競合技術との比較

これまでウイルス粒子を利用したナノ材料の応用例は多数あるが、ウイルス粒子はタンパク質でできているため、高濃度の有機溶媒やタンパク質変製剤存在下では使用できなかった。本技術は、これらに高い耐性を持つ極限環境ウイルス粒子タンパク質を用いているため、一般的なナノ粒子と同様の条件で利用が可能となる。

新技術の特徴

・有機溶媒やタンパク質変製剤中でも粒子構造を維持できる
・粒子表面に様々な化学官能基を付与できる
・大量調製が容易

想定される用途

・導電性ナノ粒子材料
・ドラッグデリバリーシステム

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

福井大学 産学官連携本部
TEL:0776-27-9725  
Mail:office アットマークhisac.u-fukui.ac.jp
URL:http://www.hisac.u-fukui.ac.jp

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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