電気通信大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年05月10日(火) 09:55~14:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、電気通信大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
電気通信大学 産学官連携センター センター長 大須賀 昭彦
- 10:00~10:25
- 情報
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報学専攻 教授 橋本 直己
新技術の概要
既存のカメラとプロジェクタを使って、動く物体へのプロジェクションマッピングを実現する。機械学習により初期姿勢を認識し、その後は動く物体の輪郭情報を手がかりとして、位置姿勢追跡を行う。遅延補償技術によって市販プロジェクタでも投影遅延を減らし、動的プロジェクションマッピングを身近に実現する。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、特殊な高速プロジェクタや高速カメラを必要としない。また、遮蔽に強いアルゴリズムを採用することで、対象物体を直接手に持って動かしながら、プロジェクションマッピングを継続することができるため、インタラクティブな用途にも対応できる。
新技術の特徴
・既存デバイスを活用した動的プロジェクションマッピングの実現
・対象物を直接で持って動かしながらのプロジェクションマッピングが可能
・どのような持ち方にも対応する頑健な物体追跡アルゴリズム
想定される用途
・遠隔教育・訓練におけるインタフェース(遠隔環境の再現)
・空間演出やショールームでのインタラクティブ展示
・体感ゲーム・コスプレ等における変身効果(及びエンターテインメント全般)
関連情報
・デモあり
- 10:30~10:55
- 通信
電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター(AWCC) 教授・センター長 藤井 威生
新技術の概要
個人端末を使った通信ログを活用した無線環境データベースを構築することにより、場所依存性が高く予見性が低かった無線環境予測を行うことで、通信性能の向上、周波数利用効率の改善、無線電力伝送の性能改善につなげることを可能とする技術。
従来技術・競合技術との比較
従来無線環境の認識は経験則に基づく電波伝搬モデルや計算量が非常に多いレイトレーシングと呼ばれる幾何学モデルで計算することが主流であったが、本技術では端末での通信を使っているときに得られる通信ログを集約して分析することで、いままで得られなかった精度で電波環境の予測が可能となり、通信の安定化・高信頼化に寄与する。
新技術の特徴
・高信頼無線通信
・電波環境予測
・通信性能の予測・補償
想定される用途
・産業用ネットワーク(工場・農業・交通など)の無線化
・高信頼通信(自動運転・ローカル5G設計・無線LAN高性能化)
・無線電力伝送
- 11:00~11:25
- 情報
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 准教授 小川 朋宏
新技術の概要
正規受信者と盗聴者が用いる通信路にノイズ差がある場合、盗聴者に対する完全秘匿を確保しながら通信の安全性を確保する符号化が存在することが理論的に知られている。本技術では実際に盗聴通信路符号を作成して定量的に安全性を解析する手法を与える。
従来技術・競合技術との比較
計算量的安全性では盗聴者の計算能力に関する仮定が用いられており、量子計算機の実現や解読アルゴリズムの発見により安全性が損なわれてしまう懸念がある。将来に渡る安全性確保が要求される状況においては情報理論的安全性が望ましい。本技術では、計算コストの低い情報理論的な安全性評価可手法を与える。
新技術の特徴
・64ビット程度の符号長が短い線形符号で安全性を定量化可能
・鍵レートと安全性のトレードオフを考慮した符号設計が可能
・無条件安全性を確保した様々な暗号応用が考えられる
想定される用途
・無線通信や衛星通信で盗聴者が介在する場合に物理層における安全性確保
・量子暗号の秘匿増幅やハッシュ関数の安全性評価
・ビットコミットメント(メールでじゃんけん)などの暗号応用
関連情報
・サンプルあり
- 11:30~11:55
- 情報
4)確率モデルに基づく時系列データ解析
発表資料電気通信大学 情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授 中村 友昭
新技術の概要
本技術は、機械学習に基づく時系列データ解析のための確率モデルである。教師なしで時系列データを生成するパラメータを推定できるため、ラベルのないデータであっても自動的に解析し、解釈可能な結果を得ることができる。
従来技術・競合技術との比較
近年の深層学習では大量のラベル付きデータを用いることが一般的であるが、本技術は少量のラベルのないデータであっても解析可能である。また、深層学習に比べ解釈性の高い結果を得ることができる。
新技術の特徴
・複数の機械学習モデルを組み合わせることによる高い表現力
・教師なしで解釈性の高い結果を得ることが可能
想定される用途
・時系列データ解析
- 13:00~13:25
- 材料
電気通信大学 研究設備センター 特任助教 北田 昇雄
新技術の概要
海洋発光生物の持つ発光システムは非常に有用でライフサイエンス分野を中心に広く応用されている。発光基質の合成と発光酵素の改変により、発光輝度や発光波長を制御した多色発光システムを開発した。現在この多色発光システム利用した新たな技術を探索中である。
従来技術・競合技術との比較
発光制御を行うと発光輝度の大幅な低下が生じてしまうことが知られている。本技術では、電通大で開発した多様な発光基質と、産総研で開発された人工発光酵素を組みわせることで、発光輝度の低下を最小限に抑えた多色発光システムを開発した。
新技術の特徴
・マルチカラーで発光を示す生物発光材料
・生体透過性の高い長波長発光
・高輝度生物発光材料
想定される用途
・生体イメージング
・発光材料
・検出試薬
関連情報
・サンプルあり
- 13:30~13:55
- 計測
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻 特任助教 加藤 峰士
新技術の概要
周波数制御された光周波数コムと固定光学系を用いることで、広帯域で高精度かつ高速な波面制御が行える光フェーズドアレイを発明した。
従来技術・競合技術との比較
従来手法では光集積回路とCW光を利用しているのに対して、本手法では超短パルスと空間光学系で構築しており、より高速な波面制御が実現できる。
新技術の特徴
・原子時計と同期した光周波数コムによる超精密制御
・超短パルス波面を操作することができる
・光周波数コムを用いた種々の精密計測手法を組み合わせることができる
想定される用途
・超高速3DLidar
・超高速ビーム走査による高速蛍光計測
- 14:00~14:25
- 通信
電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 教授 松浦 基晴
新技術の概要
超高速通信と大電力伝送を可能にする光ファイバ給電技術の概要と想定する用途を紹介する。この光ファイバ給電技術では構造上、従来の光ファイバ給電技術を凌駕する電力伝送が可能で、既に実証実験に成功しており、その概要についても紹介する。また、構成の簡易化および給電効率の向上を目的とした、独自の光合波分波回路も紹介する。
従来技術・競合技術との比較
紹介する技術は通信に関しては,従来の光ファイバ伝送と同等の超高速伝送を実現しつつ,電力伝送については,従来技術の数百倍の電力伝送を1本の光ファイバで達成するものであり,世界的に見ても類を見ない性能を実証している.
新技術の特徴
・1本の光ファイバで通信と送電が可
・送電可能な電力は従来技術の数100倍
・より簡易かつ給電効率の高い給電を目指す
想定される用途
・モバイル無線基地局の通信・駆動
・IoT関連機器(基地局・高度センサ)の通信・駆動
・その他大容量通信と給電が必要な遠隔機器の通信・駆動
関連情報
・デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
電気通信大学 産学官連携センター
TEL:042-443-5871
Mail:onestop sangaku.uec.ac.jp
URL:https://www.uec.ac.jp/inquiry/new/8
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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