山形大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2022年08月02日(火) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、山形大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- デバイス・装置
1)機能性有機材料を用いた高性能薄膜アクチュエータの開発
発表資料山形大学 学術研究院(大学院有機材料システム研究科主担当) 有機材料システム専攻 助教 関根 智仁
新技術の概要
機能性材料を組み合わせた独自の溶液材料を開発し、成膜するだけで作製可能な薄膜型アクチュエータを開発した。本デバイスは、印加電圧に応じて駆動範囲を調整可能であり、周波数追従性や機械的耐久性に優れている。
従来技術・競合技術との比較
従来の無機系アクチュエータは、高出力なデバイスであったが、薄膜化は困難であった。一方、本デバイスは、薄くて軽いカンチレバー型のアクチュエータであり、アクティブ点字などの全く新しいアプリケーション応用が期待できる。
新技術の特徴
・塗るだけで作製可能
・カンチレバー型の薄膜アクチュエータ
想定される用途
・アクティブ点字デバイス
・細胞培養デバイス
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- デバイス・装置
2)セルロースを用いた印刷型フレキシブル湿度センサの開発
発表資料山形大学 有機エレクトロニクス研究センター プロジェクト研究員 吉田 綾子
新技術の概要
環境にやさしいセルロースとカーボン材料を用い、高性能な抵抗変化型の湿度センサを開発した。この湿度センサは感度が高く、30%RH~90%RHの範囲で100%以上の抵抗変化を示す。また作製プロセスはシンプルで、生産性の高い印刷方式を適応できるため、フレキシブルで低コストな湿度センサが実現できる。
従来技術・競合技術との比較
湿度センサには、抵抗変化型・静電容量型・電磁波吸収型・水晶振動子型など、様々なタイプがあるが、その中でも抵抗変化型湿度センサは構造がシンプルで精度が高いという特徴がある。本技術は抵抗変化型の湿度センサに関する技術であり、従来のように複雑なプロセスを必要とせず、シンプルなプロセスで作製できることが特徴の一つである。
新技術の特徴
・高性能でフレキシブル
・シンプルなプロセス
・環境にやさしい材料
想定される用途
・ウェアラブル湿度センサ
・水検知センサ
・近接センサ
- 14:30~14:55
- 製造技術
3)3Dプリンターで、場所によって透明度や硬さの違うゲルを作り出す技術
発表資料山形大学 学術研究院(大学院理工学研究科主担当) 機械システム工学専攻 教授 古川 英光
新技術の概要
3Dゲルプリンターでは、光硬化型の樹脂をインクとして用いるが、光照射で硬化させる順序を工夫することで、場所によって透明度や硬さの違う3D造形物を一回のプロセスで作ることができる。
従来技術・競合技術との比較
3Dゲルプリンターそのものが独自の技術である。それに加えて、今回、単一のインクでありながら、場所によって違う性質を出すことについて技術として確立することができた。
新技術の特徴
・ゲルでさまざまな透明度、弾性率、屈折率、誘電率、などをもつ3Dの物体をつくることができます。
・ゲルは透明だと高級感がありますが、目隠ししたい場所については、局所的に白く不透明にできます。
・硬さの違う部分を1つの造形物の中に作り分けることができます。
想定される用途
・やわらかい臓器モデル
・やわらかい食品モデル
・やわらかいロボットパーツなど
関連情報
・展示品あり
- 15:00~15:25
- デバイス・装置
4)交通系ICカードサイズで実現するナノグラムの重さが測れる分子センサー
発表資料山形大学 学術研究院(大学院基盤教育機構主担当) 教授 古澤 宏幸
新技術の概要
本技術の要点は、微量天秤としてナノグラムの重さが測定可能な、水晶振動子をベースとした交通系ICカードサイズの小型分子センサーを実現したことである。
分子検出の一例としてDNA分子を検出するデモ実験を実施したところ、1ナノグラム程度のDNA分子を1塩基配列の違いも見分けて検出できることが確認できた。
従来技術・競合技術との比較
従来の水晶振動子をベースとしたセンサー装置は研究施設での使用を前提とした据え置き型の大きなものであったが、本技術を用いたカードサイズ型のセンサーは電池駆動が可能で可搬性がある。他の技術を用いた光学式や電気化学式の分子センサーと比較して、検出対象を標識することなく重さで検知できる点に利点がある。
新技術の特徴
・ナノグラムオーダーの重さが測れる質量センサー
・電池駆動で持ち運びが可能
・水中、気相中、真空中など媒体を選ばず分子を検知
想定される用途
・【研究分野】小型で簡易なバイオセンサー
・【ヘルスケア】バイオマーカーの検出デバイス
・【教育分野】バイオ・化学分子の重さによる可視化と理解
関連情報
・展示品あり
- 15:30~15:55
- 製造技術
5)塗料や固-液混合体などの高粘性液体を微粒化・帯電させる静電スプレー技術
発表資料山形大学 学術研究院(大学院理工学研究科主担当) 情報・エレクトロニクス専攻 准教授 杉本 俊之
新技術の概要
特殊なフィルムの表面に液体を供給しながら、フィルム裏面から強力超音波振動を加えることで、液体を微粒化・帯電する静電スプレーシステム法を開発した。工業や食品等で使用される固体微粒子を含む液体(懸濁液)や、塗料・接着剤などの高粘性液体を微粒化し、静電気力で無駄なく塗着させることができる。
従来技術・競合技術との比較
遠心力を用いる回転カップ式や、空気流を使う2流体式、液体自体に高い圧力を加えるエアレス式等に比べてスプレーの直進性が高く、塗着効率を高くできる(ほぼ100%)。一方、インクジェットやエレクトロスプレー技術では対応できない高粘性流体にも適用でき、噴出流量も大きい。
新技術の特徴
・高粘度(~1000mPa)の塗料や懸濁液などの高粘性流体の微粒化(平均数10µm)が可能
・インクジェットのような塗布直進性
・静電気力による高い塗着効率(ほぼ100%)
想定される用途
・塗料や接着剤の塗装
・食品、化粧品の薄膜体形成やコーティング
・懸濁液からの造粒
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
山形大学 知的財産本部
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Mail:yu-yu-chizai jm.kj.yamagata-u.ac.jp
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