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ライフサイエンス~岐阜大、三重大~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年08月08日(火) 10:00~11:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構 、三重大学、岐阜大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • アグリ・バイオ

1)ブタの高付加価値化を促進する非侵襲的な受精卵の作製技術

発表資料

岐阜大学 高等研究院 准教授 髙須 正規

https://www.guias-bme.com/

新技術の概要

私たちは、これまでできなかった「非侵襲的なブタ卵子の採取・受精卵作製・レシピエントへの移植による産子の獲得」技術を確立した。この技術は、ブタの遺伝子資源保全や育種改良に応用できるだけでなく、清浄性とトレーサビリティーを担保した遺伝子改変ブタの作製に応用できる可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

これまでに、生きたブタから非侵襲的に卵子を採取する方法はなかった。この方法は繰り返し行えることから、目的とする父母に由来する受精卵を大量に得獲得できる。また、この方法で遺伝子改変ブタを作製することで、清浄性とトレーサビリティーを担保した遺伝子改変ブタを獲得できる。

新技術の特徴

・産業豚の受精卵を冷凍保存し、伝染病のリスクを回避できる
・この方法で作製した受精卵をブタの育種に用いることができる
・清浄性とトレーサビリティーを担保した遺伝子改変ブタを作製できる

想定される用途

・ブタの遺伝子資源保存
・受精卵移植によるブタの育種
・異種移植・疾患モデルブタの作製

  • 10:30~10:55
  • 材料

2)新規タンパク質架橋酵素の開発と利用

発表資料 プレゼン動画

岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 准教授 大野 敏

新技術の概要

チロシナーゼはタンパク質中のチロシン残基をDOPAやDOPAキノンへと変換し、DOPAなどを利用したタンパク質分子間架橋が可能となる。一方で、活性を有するチロシナーゼは溶液状態で失活しやすいことから、保存安定性に優れた架橋酵素として、反応開始スイッチ機能を有する融合チロシナーゼを開発した。

従来技術・競合技術との比較

通常チロシナーゼは溶液状態での保存安定性は悪いが、反応開始スイッチ機能を有する融合チロシナーゼは、溶液状態(ー20℃)で3ヶ月保存後も、チロシナーゼ活性を有しており、安定に保存が可能である。溶液状態で保存可能であることから取り扱いも容易となる。

新技術の特徴

・溶液での保存安定性が高い(取り扱いが容易)
・酵素反応によるタンパク質間架橋形成
・DOPA,DOPAキノンを介した反応に応用可能

想定される用途

・タンパク質のみから構成される接着剤・粘着剤・絆創膏
・タンパク質ファイバーの架橋導入による強靭化
・タンパク質のチロシン残基特異的な修飾

  • 11:00~11:25
  • アグリ・バイオ

3)光で分子を不活性化するための新規光増感蛍光タンパク質

発表資料

三重大学 大学院医学系研究科 生命医科学専攻 教授 竹本 研

https://www.medic.mie-u.ac.jp/biochem/index.html

新技術の概要

光で分子を不活性化するCALI法が近年注目されています。本手法は、光に反応して活性酸素を放出する光増感分子を用いて、狙った分子を酸化・不活性化するものです。光を用いるため、操作したい場所や時間を自在に制御できます。本技術は、これまでにない高い効率で分子を光不活性化できる、新規光増感蛍光タンパク質HyperNovaに関するものです。

従来技術・競合技術との比較

我々は以前SuperNovaという光増感蛍光タンパク質を発表し、世界中の研究者に利用されています。一方でSuperNovaは37℃での成熟効率が低い欠点があり、操作可能な分子に限りがありました。HyperNovaはその欠点を高いレベルで克服し、SuerNovaでは困難であった分子の操作がはじめて可能になりました。

新技術の特徴

・これまでにない高い効率で分子を光で不活性化可能
・特に37℃で生育する哺乳類での実験に最適
・旧バージョンでも多くの利用者がいるので、そのまま乗り換えが見込めます

想定される用途

・ライフサイエンス分野の基礎研究のツール

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • 創薬

4)骨へのドラッグデリバリーシステムに利用可能な糖鎖複合体

発表資料

岐阜大学 大学院医学系研究科 医科学専攻 准教授 野澤 聡

https://researchmap.jp/snozawa

新技術の概要

糖鎖(特に多硫酸化糖鎖)が成長因子と結合する点に着目し、ハイドロキシアパタイト(HA)結合性分子(アスパラギン酸ペプチド)を多硫酸化糖鎖に結合させ、この糖鎖複合体を骨への薬物担体として用いることで、骨周囲の糖鎖濃度、ひいては成長因子の骨周辺濃度を高めることを可能とした。骨癒合促進や骨粗鬆症治療に応用しうる前例のない技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来はヘパリンなどの糖鎖をハイドロゲルに混和させる、スキャホールドに糖鎖を結合させる等で成長因子の局所濃度を高めていた。しかし、前者は糖鎖が骨に直接結合していないため早期に徐放されること、後者はスキャホールドに化学的に糖鎖を結合させる工程が煩雑であることがデメリットである。本技術は糖鎖を骨選択的に極めて容易に結合させることができる点で優れている。

新技術の特徴

・糖鎖が骨(HA)特異的に結合すること
・皮下投与にて全身の骨に糖鎖を運搬できること
・糖鎖に成長因子を結合させ、その複合体を骨へ結合させられること

想定される用途

・骨折部に糖鎖と成長因子を投与することで骨癒合を促進させる
・HAが表面コートされた人工骨、椎間スペーサー、人工関節に糖鎖・成長因子を含浸結合させ骨との固着を促進させる
・皮下投与により糖鎖を全身の骨へ運搬し、骨粗鬆症を改善させる

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

三重大学 みえの未来図共創機構 知的財産マネジメント部門
TEL:059-231-5495  
Mail:chizai-mip アットマークcrc.mie-u.ac.jp

岐阜大学 学術研究・産学官連携推進本部 産学官連携推進部門
TEL:058-293-2025  
Mail:chizai アットマークgifu-u.ac.jp

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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