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福岡大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年05月30日(火) 09:55~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、福岡大学

発表内容詳細

  • 09:55~10:00

開会挨拶

福岡大学 研究推進部 産学官連携センター センター長 太郎丸 眞

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)結晶性高分子のメソ構造シミュレーション ー理論的プラスチックの高度マテリアルリサイクルプロセス構築-

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 研究推進部 教授(特任) 八尾 滋

https://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~shyao/index.html

新技術の概要

プラスチックの高度マテリアルリサイクルを実現するためには、物理劣化・物理再生理論に基づいた、新たな再生プロセスの構築が不可欠である。この理論では、過度なせん断履歴によりタイ分子が減少すること、また溶融状態での緩和が物性再生を実現することが示されており、多くの実験により、実証がなされている。しかし、実際に内部構造を解析することは非常に困難である。分子シミュレーションはそれを理論的に実現する一つの手法であるが、これまで結晶性高分子のメソ領域の構造シミュレーションは不可能とされてきた。本技術はそれを初めて実現したものである。

従来技術・競合技術との比較

これまで結晶性高分子のメソ構造の分子シミュレーションは不可能とされてきた。本技術はこれを可能としたもので、画期的なシミュレーション技術であり、これによりせん断履歴などの構造ならびに力学的特性に及ぼす影響を理論的に解析できるようになる。

新技術の特徴

・結晶性高分子のメソ構造の構築
・せん断履歴などの結晶構造に及ぼす影響の理論的解析
・高性能化成形プロセスの理論的検討

想定される用途

・結晶性高分子の各種物性の理論的解析
・成形ならびに再生プロセスの構築
・結晶性高分子の物性向上のためのプロセス検討

関連情報

・デモあり

  • 10:30~10:55
  • 医療・福祉

2)在宅ケアスタッフ連携アプリKURUXA(クルサ)

発表資料 プレゼン動画

新技術の概要

在宅ケア(訪問診療・看護・介護など)現場の単独では対応困難なケース(暴力,急変等)が生じた際、近くのスタッフに支援要請ができる位置情報系コミュニケーションアプリである。主な機能は「スタッフ間の位置情報」、「支援要請」、「支援要請先までのルートナビ」、「チャット」等を搭載している。

従来技術・競合技術との比較

これまでにGPSを用いた位置情報共有はゲームアプリとして一般ユーザー向けに展開されているが、当技術は主に訪問を生業とする専門職等のクローズドコミュニティ内で使用する位置情報系コミュニケーションアプリで、ユーザーであるスタッフ間の連携ツールとして用いる。

新技術の特徴

・クローズドコミュニティで使用する位置情報系コミュニケーションアプリ
・位置情報の共有、支援要請、支援要請先までのルートナビ、チャット

想定される用途

・訪問を行う行政機関スタッフ間の連携(保健所・保健センターのスタッフ、児童相談所、配偶者暴力相談支援センター、自治体の民生委員など)
・プレホスピタル時の連携(ドクターカー、救急隊、搬送先病院など)
・災害派遣医療チーム間の連携

関連情報

・サンプルあり

  • 13:30~13:55
  • 材料

3)熱などに弱い物質をpH応答性高分子でミクロサイズに包む

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 工学部 化学システム工学科 教授 三島 健司

https://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~mishima/index.htm

新技術の概要

二酸化炭素を機能性溶媒として利用、親二酸化炭素性の機能性高分子を被覆材とすることで、熱や有害有機溶剤に弱いタンパク質などの薬剤をpH応答性のあるプラスチックでミクロサイズに包む技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来、ラクトフェリンのような温度により変性するタンパク質を芯物質として、腸環境で徐放性を示すカプセルの製造技術は提案されていた。しかし、直径数ミリから数センチ程度の錠剤の剤形で、微小化は困難であった。本発明では、数マイクロメートルの微粒子を作製する。

新技術の特徴

・有害な有機溶剤を用いない製造方法
・熱や有機溶剤に弱いタンパク質などの薬剤を芯物質として、機能性高分子を包み、数マイクロメートルの微粒子を作製する
・数マイクロメートルの微粒子は、pH応答性の薬剤徐放が可能である

想定される用途

・医薬品
・化粧品
・食品

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 材料

4)被覆フォトクロミック微粒子の製造方法

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 工学部 化学システム工学科 助教 シャーミン タンジナ

https://www.cis.fukuoka-u.ac.jp/~mishima/index.htm

新技術の概要

光照射によって着色または色調が変化するフォトクロミック化合物を芯物質、機能性高分子を被覆材として、超臨界二酸化炭素中を機能性溶媒として利用することで、マイクロコーティングを実現し、10μm~100μmの平均粒子径を有する高分子被覆フォトクロミック微粒子を生成する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、フォトクロミック染料を含むナノエマルションを作製した後、化学的反応により表面をケイ酸塩などの高分子で被覆するという方法があるが、使用した有機溶媒の乾燥に約2日の時間がかかるという点で工業的生産性に欠くものである。本方法では、1時間程度で製造できる。

新技術の特徴

・光照射によって着色または色調が変化するフォトクロミック化合物を芯物質とし、機能性高分子で覆われたマイクロ光デバイスを製造する
・有害な残留有機溶媒がない
・製造工程が従来法の2日に対して、1時間程度と短い

想定される用途

・光デバイス
・記憶媒体
・機能性微粒子

  • 14:30~14:55
  • 創薬

5)EGFR阻害剤による皮膚障害の予防を可能にする光に安定なビタミンK誘導体の開発

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 薬学部 薬学科 教授 松永 和久

https://www.pha.fukuoka-u.ac.jp/sozai

新技術の概要

抗癌剤であるEGFR阻害剤は、副作用として皮膚障害が好発する。障害部位では、炎症性ケモカインCCL5発現が増加しており、過剰の発現は皮膚障害を助長する。我々は皮膚細胞においてビタミンK誘導体がCCL5発現を抑制することを発見した。本発明は、CCL5発現を抑制することによって皮膚障害の重症化抑制を可能にする。

従来技術・競合技術との比較

ビタミンKクリームが皮膚障害に有効との報告があるが、その機序は不明であり、光分解の懸念もあった。我々はビタミンK誘導体が既存のビタミンKよりも光に安定かつCCL5を抑制することを発見し、より効果的な予防法を見出した。

新技術の特徴

・光に安定なビタミンK誘導体である
・光毒性を示さないビタミンK誘導体である
・炎症性ケモカインであるCCL5の発現を抑制することができる

想定される用途

・EGFR阻害剤による皮膚障害の予防薬

関連情報

・ サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

6)飛沫侵入を従来型の10%未満に低減したフェイスシールド

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 工学部 機械工学科 助教 赤木 富士雄

新技術の概要

従来のフェイスシールドの端部形状を流体制御の観点を基に工夫することで、患者のくしゃみや咳を近い距離で浴びた場合でも飛沫の侵入がこれまでより90%以上抑えられる新型のフェイスシールドを開発した。このフェイスシールドを併用すれば、通常マスクの予防効果が向上し、装着者の負担とリスクの大幅な軽減が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のフェイスシールドでは、シールド上下の隙間からの飛沫の侵入を防ぐことが出来なかった。そこで、シールドの上下端の形状を工夫して端部における気流を制御することでシールド内への飛沫の侵入を抑制する新たな技術を開発した。この形状と寸法を最適化することで、従来型の場合よりも90%以上の侵入抑制を実現した。

新技術の特徴

・シールド端部の形状のみの変更で侵入抑制が実現
・装着感は従来型とほぼ同じであるにも関わらず侵入抑制効果が飛躍的に向上
・端部形状のみをアフターパーツとすれば従来型にも使用可能

想定される用途

・医療機関における従事者および受付業務での感染予防
・福祉関係の従事者および高齢者の感染予防
・粉塵や化学薬品等を取り扱う工場などでの吸引防止

関連情報

・サンプルあり 
・展示品あり

  • 15:30~15:55
  • 医療・福祉

7)呼吸器外科をはじめとする各種外科領域で術中臓器血流を可視化する新規蛍光装置の開発

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 福岡大学病院 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科 准教授 早稲田 龍一

https://www.med.fukuoka-u.ac.jp/thoracic/

新技術の概要

近年の手術には術中ナビゲーションが必要不可欠となっている。
理想的なナビゲーションとは、①安全性、②正確かつ明快な描出力に加え、③簡便性、④低コストの全てを満たすものである。
これまで呼吸器外科領域を中心にビタミンB2をトレーサーとする上記の4条件を満たす理想的な蛍光ナビゲーション法開発に取り組んできたが、その核となるのが今回の新規蛍光装置である。

従来技術・競合技術との比較

現在、ICG(インドシアニングリーン)をトレーサーとする蛍光ナビゲーションが全盛である。同法の蛍光は不可視蛍光のため観察装置が必須であるが、本技術では必要としない。また、本技術における現時点で最も有望なトレーサーのビタミンB2はアレルギーや中毒のない薬剤であり、ICG以上の汎用性が期待できる。

新技術の特徴

・不可視の励起光で可視蛍光を得る(励起光装置のみで使用可能で、観察装置を必要としない)
・アレルギーや中毒のないビタミンB2をトレーサーとしている
・励起対象にあわせて励起光波長を選択可能である

想定される用途

・手術時の臓器血流の視覚化(様々な臓器・皮膚)
・血流以外の視覚化(気流・リンパ流)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

福岡大学 研究推進部 産学官連携センター
TEL:092-871-6631  
Mail:sanchi アットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:http://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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