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北海道大学 新技術説明会【対面開催】

日時:2023年10月05日(木) 10:00~15:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、北海道大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)繊維長の異なるセルロースナノファイバーを用いた高強度複合材料の創製

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授 田島 健次

http://poly-ac.eng.hokudai.ac.jp/bmc/

新技術の概要

パルプを原料としてTEMPO酸化処理によって調製された繊維長約500nmのTEMPO酸化セルロースナノファイバー(TOCN)とカルボキシメチルセルロースを分散剤としてボトムアップ的に調製したナノフィブリル化バクテリアセルロース(CM-NFBC)(繊維長>15um)を混合することにより、非常に高強度なシート(引張強度は360MPa、ヤング率は28.5GPa)および繊維を調製することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

TEMPO酸化セルロースナノファイバー(TOCN)、カルボキシメチルセルロースを分散剤としてボトムアップ的に調製したCM-NFBCともにセルロースをベースとした材料で、これらの複合材料も石油由来の材料に比べて石油依存度が低く、生分解性を有する持続性の循環型高分子材料である。

新技術の特徴

・サステナビリティ
・高強度
・生体適合性・生分解性

想定される用途

・高強度3次元成形体
・フィラー
・高強度テキスタイル

関連情報

・サンプルあり

  • 10:30~10:55
  • 創薬

2)ダイナミックエピトープ-未開拓標的分子からの革新的創薬コンセプト

発表資料

北海道大学 大学院先端生命科学研究院 先端融合科学研究部門 新薬探索研究分野 教授 西村 紳一郎

https://altair.sci.hokudai.ac.jp/g4/

新技術の概要

「標的の枯渇化問題」を解決する新技術①抗原提示法と②未開拓標的分子の探索法を核とする独創的な創薬基盤技術プラットフォームを提供することで、アンメットメディカルニーズに真に応える新しい治療法・早期診断法を開発する。

従来技術・競合技術との比較

製薬業界にとって最大かつ共通の課題である「標的の枯渇化問題」は「抗原(標的)=タンパク質」という固定概念によって生み出された問題である。疾患特異的な糖鎖修飾によって出現する「糖ペプチド」領域を新たな標的分子とみなして新薬開発を実現する実践的な革新技術は世界初である。

新技術の特徴

・未開拓の標的探索を加速する「テーラーメード糖ペプチド化合物ライブラリ」の構築を実現
・定量的質量分析法による疾患特異的マーカー(標的)としての糖ペプチド分子の同定法を確立
・新しい機序による抗原提示法による効率的な抗糖ペプチド抗体の作製法を開発

想定される用途

・新しい抗体医薬品(ADC、CAR-Tを含む)
・新しい診断技術(がんの早期診断・ステージの確定等)
・新しいワクチンモダリティ(がんおよび感染症)

  • 11:00~11:25
  • 創薬

3)骨再生を誘導するカーボンナノチューブ細胞遮蔽膜

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院歯学研究院 口腔機能学講座 口腔機能補綴学教室 助教 平田 恵理

https://www.den.hokudai.ac.jp/hotetsu1/hotetsu1.html

新技術の概要

骨組織が再生するための空間を提供し,再生すべき組織以外の組織細胞の侵入や成長を防止することにより骨形成が可能な環境を作る細胞遮蔽膜を、機械的強度と生体適合性が高いカーボンナノチューブ(CNT)を用いて開発した。

従来技術・競合技術との比較

CNT系細胞遮蔽膜では、複数のバンドルが緻密な網目構造を有するため、CNT系細胞遮蔽膜は高い強度を備える自立膜として存在することができるだけではなく、生体内に長時間埋入されても膜構造が崩壊することなく細胞遮蔽膜としての機能を維持することができる。

新技術の特徴

・ナノ表面構造により骨芽細胞の増殖を促進し、非骨原性細胞の増殖を抑制
・組織形成を促進する薬剤を担持可能
・組織再生前の分解や崩壊の懸念がない

想定される用途

・骨再生誘導法用細胞遮蔽膜

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)腹部外傷手術シミュレーター

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院医学院医学研究院 北海道大学病院先端医療技術教育研究開発センター 副センター長 村上 壮一

https://www.huhp.hokudai.ac.jp/center_section/%E5%85%88%E7%AB%AF%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%8A%80%E8%A1%93%E6%95%99%E8%82%B2%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC/

新技術の概要

腹腔内の複数の臓器に関与する手技の訓練に適した医療用の手技シミュレーター及びこれを用いた医療用の手技訓練方法に関する。臓器モデルを収容する容器の側壁の少なくとも一部が透明または半透明であるため、訓練の結果を外部から確認しやすく、手技の評価にも適した医療用の手技シミュレーターシミュレーターに関する。

従来技術・競合技術との比較

従来の医療用の手技シミュレーターでは臓器モデルが目的に応じて限定的にしか備わっていない。このため、外傷手術の訓練等、腹腔内の複数の臓器に関与する手技を伴う処置の訓練には適していない。本医療用の手技シミュレーターでは腹腔内の複数の臓器に関与する手技の訓練に適した腹部外傷手術シミュレーターを提供できる。

新技術の特徴

・腹部外傷手術のトレーニングを時、場所を選ばずにトレーニングできる。
・繰り返し腹部外傷手術のトレーニングができる。
・携行可能で安価である。

想定される用途

・腹腔5点パッキングのトレーニングおよび評価
・肝周囲パッキングのトレーニングおよび評価
・Pringle法のトレーニングおよび評価

関連情報

・展示品あり

  • 13:00~13:25
  • 環境

5)リンの高効率かつ高選択的な分離回収技術

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院工学研究院  附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター  エネルギー変換システム設計分野 准教授 坪内 直人

https://chemeng-hokudai.jp/

新技術の概要

本技術は、基本的にはバイオマス系二次資源(例えば、鶏糞や下水汚泥の炭化物)の塩素化でリンの回収を阻害する鉄を事前分離し、次いで、元々存在する炭素による還元反応でリンのみを選択的に回収するもので、これは炭素添加した鉄鋼スラグや下水汚泥焼却灰などにも適用できるため、我が国のリン資源対応力強化が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

我が国では主に、国内に持ち込んだ黄リンからリン酸や塩化リンを製造しているが、本技術ではバイオマス系二次資源などから塩化リンを直接製造でき、また、塩化リンの水溶解によりリン酸としての回収も可能なことから、HAP/MAPの形態(用途は肥料に限定)で回収する湿式法ならびに他の乾式法と比較して優位性が非常に高い。

新技術の特徴

・リン二次資源から「いのちの元素・産業の栄養素」として位置づけられているリンを高効率かつ高選択的に回収することが出来る
・リンは、用途が多岐に渡る塩化リンの形態で回収することができ、さらに、水溶解でリン酸としての分離回収も可能である
・実用化されている下水処理設備でのリン回収物(HAPやMAP)にも適用可能なため、HAP/MAPを肥料のみならず工業原料としての利用を可能にする

想定される用途

・本技術は、鶏糞や下水汚泥などに含まれるリンの回収が可能なため、全輸入リンの約40%、鉄鋼スラグを含めると50%以上を回収できる
・製造する塩化リンの用途としては、例えば、燃料電池、触媒、殺虫剤、医薬、難燃剤、農薬、抗酸化剤などが挙げられ、多岐に渡る
・リンは、プラネタリー・バウンダリーで最もリスクの高い元素の一つであり、鶏糞や下水汚泥などからのリン回収は地球規模での環境保全にも貢献できる

  • 13:30~13:55
  • エネルギー

6)燃料電池を融合させた多機能型CO2回収技術

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院工学研究院 材料科学部門 准教授 松島 永佳

https://lmse.eng.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

本技術は固体高分子型燃料電池を改良し、電気透析と水素ポンピングを活用した画期的な多機能型CO2回収である。その技術では、大規模なCO2回収に加え、H2の高純度・高圧化も同時に可能となるユニークなものである。コンパクトな装置設計が可能で、製鉄所のみならず船舶への適用や、工場内でのH2リサイクルに活用できる。

従来技術・競合技術との比較

代表的なCO2回収技術に、アミン法や電気透析法がある。本技術は、アミン法で必要となる反応回収塔の大幅なコンパクト化に貢献できる。また燃料電池のガス拡散電極を使うことで、透析法の問題である気泡発生を無くし、1/10の電力消費量で回収が可能となる。

新技術の特徴

・発電しながらCO2回収
・高純度/高圧水素ガス生成が可能
・装置がコンパクト

想定される用途

・製鉄/発電所排ガス
・船舶排ガス
・水素ガスのリサイクル

  • 14:00~14:25
  • 材料

7)柔らかく・溶解性の高いN-置換型ナイロンと感温性ポリマーへの応用

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 大学院理学研究院 化学部門 教授 佐田 和己

http://wwwchem.sci.hokudai.ac.jp/~matchemS/

新技術の概要

ナイロンは世界初の人造繊維であり、しなやかさ、強靭さ、難溶性を特長とする高分子材料である。ナイロンのアミド基をN-置換体への変化させることで、可溶かつ柔軟な高分子材料の開発に成功した。主鎖の炭素の数を最適化することで、水中で下限臨界共溶温度(LCST)型の温度応答性(感温性)を発現することを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

繊維であるナイロンと同じアミド結合を持つ高分子材料でありながら、ビニルポリマーに匹敵する柔軟性と易溶解性を有する高分子である。感温性ポリマーであるPNIAMと同等の性能も持つ。合成の容易さ、炭素数の多様化や重縮合系高分子とのハイブリッド化が容易である点に優位性がある。

新技術の特徴

・主鎖の柔軟性と各種溶媒への溶解性の制御が可能である
・水中での高分子周囲の水和構造の制御が可能であり、温度応答性(感温性)や液液相分離の制御につながる
・合成と官能基の導入が容易であり、多様な機能性ソフトマターの開発につながる

想定される用途

・水和構造の制御による水になじむゴムやプラスチック材料や高い生体親和性材料
・ゲルや液晶などのソフトマター開発向けの柔軟性と溶解性が制御された高分子基材
・DDS向け、感温性を利用した温度応答性材料や液液相分離材料

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • デバイス・装置

8)「触覚」の検出が可能な新たな圧力センサアレイ

発表資料 プレゼン動画

北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センター 兼 北海道大学病院 次世代遠隔医療システム開発センター 機能通信センシング研究分野 教授 兼 副センター長 池辺 将之

https://www.rciqe.hokudai.ac.jp/labo/iqs/

新技術の概要

「触覚」を検出するためには、感圧材に直接触れることが必要である。そこで、配線層を1枚で構成する手法を考案し、実装を行った。感圧材を直接圧迫することで、感圧材のつぶれ度合い(深さ方向)、応力の検出、また、作用時間を把握することができるため、それらの情報を用いた遠隔地医療に活用することが期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来の圧力センサアレイは、感圧材を配線層(配線基板)で挟み込む構造であり、配線基板が2枚必要であった。そのため、感圧材を直接圧迫することができず、感圧材に対して垂直方向変位量の測定が困難であった。また、上層と感圧材、下層と感圧材の双方の接着工程が必要であり、低価格化が困難という課題があった。

新技術の特徴

・感圧材と配線層(配線基板)の2層構造であるため、感圧材を直接圧迫することができ、感圧材の形状変化を精度よく検知することができる
・感圧材の表層を加工(例えば、人間の指紋)することで、表層と水平方向の接触(摩擦)による感圧材の変位量を精度良く把握することができる
・感圧材の形状変化を画像処理により、色の違い等を用いて可視化することができる

想定される用途

・患者を本発明を用いた機器を用いて触診し、そのデータをリアルタイムで遠隔地にいる医師に送信することで、遠隔治療に触診を取り入れることができる
・従来、数値等で把握することが困難であった熟練技術者の感覚等を可視化することができる
・農業など農作物を触った感触を遠隔地で共有することができる

関連情報

・デモあり
・展示品あり

  • 15:00~15:25
  • 材料

9)高色純度発光および超高感度酸素センシング能を有する希土類錯体混晶

発表資料

北海道大学 大学院工学研究院 応用化学部門 機能材料化学分野 准教授 北川 裕一

https://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/amc/

新技術の概要

発光性希土類錯体(Eu、Tb、Ybなど)は高色純度発光を示すためセンシング材料として注目されている。この発光性希土類錯体と非発光性の希土類錯体(La、Gd、Lu)の混合結晶を新たに作製した。この混晶中において生じる錯体間の遅いエネルギー移動に基づく遅延発光を利用することにより、超高感度な酸素濃度センシングができることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来、発光性希土類錯体(Eu錯体とTb錯体)は希土類-有機配位子間の励起状態平衡に基づく酸素感受性を示すことから酸素センサーとして注目されてきたが、本技術ではそれに比べ約100倍を超える感度で酸素濃度を検知できる。

新技術の特徴

・酸素濃度により発光寿命が変化する酸素濃度センシングが可能な発光体で、従来比で発光寿命が30倍以上長寿命化し、約100倍の高感度化を達成
・高色純度の赤色、緑色、近赤外発光を示す酸素センサーがそれぞれある。その中でも近赤外発光(Yb(Ⅲ)/Lu(Ⅲ)混晶)は、生体透過性に優れている
・発光性の錯体と非発光性のからなる混合結晶を簡便な合成法で作製でき、機能設計の自由度が高く、様々なアプリケーションに応用可能

想定される用途

・【医療/バイオ分野】血中や呼気中の酸素濃度計測、細胞内の酸素センシングなど
・【生物科学/海洋/環境分野】動植物の生理機能研究、薬物スクリーニング、海洋微生物などの海洋システム研究、環境地球科学への応用など
・【食品・産業分野、その他】食品鮮度モニター、感圧塗料(航空機や車のボディ設計)、生産等の監視用酸素センサ、燃料電池の酸素消費量センサ、スポーツ分野の流体解析など

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

北海道大学 産学・地域協働推進機構 産学連携推進本部
TEL:011-706-7561
URL:https://www.mcip.hokudai.ac.jp/about/onestop.html

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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