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ライフサイエンス~医療系大学~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年01月16日(火) 10:00~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構 、東京医科歯科大学、
    関西医科大学、福島県立医科大学、
    京都府立医科大学、兵庫医科大学、
    産業医科大学、福岡大学、札幌医科大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 医療・福祉

1)安全性が高く再生医療応用に適した培養用超分子ペプチドゲル

発表資料

東京医科歯科大学 統合研究機構 脳統合機能研究センター 准教授 味岡 逸樹

https://www.tmd.ac.jp/cbir/1/ajioka/

新技術の概要

特願2020-128805にて、新規ゲル化ペプチド類JigSAPを出願した。さらに今回、JigSAPゲルを選択的に分解する分解剤の開発にも成功した。この分解剤を用いることで、培養した組織とJigSAPゲルを、生理的条件のまま容易に分離することができる。

従来技術・競合技術との比較

既存の足場材料であるマトリゲルなどは、生物由来材料で免疫原性があり、ヒトへの応用が困難である。また、マトリゲルは生体組織より柔らかく、立体的な組織成長のサポートの力学的特性が不十分である。新技術はこれらを克服したものである。

新技術の特徴

・粘弾性(硬さ)を変えられる
・成長因子を徐放できる
・酵素を使わずに分解できる

想定される用途

・3Dオルガノイド/アセンブロイド培養用人工足場
・再生医療用人工足場
・3D組織培養用人工足場

  • 10:30~10:55
  • 創薬

2)着床促進薬とそのスクリーニング系について

発表資料 プレゼン動画

関西医科大学 医学部 病理学講座 講師 松浦 徹

https://www3.kmu.ac.jp/pathol/

新技術の概要

これまで受精卵に着目した生殖医療技術の開発が行われてきたが、移植後の着床はほとんど自然に任せている。我々は着床を再現する実験系(IVIM)を開発し、IVIMによる着床効率を向上するペプチド薬を発見に至った。加えて、本ペプチド薬はマウスに移植した胚の着床効率を優位に向上させることを発見した。

従来技術・競合技術との比較

これまでの着床不全に対しては子宮内の環境を整える治療法が取られていた。例えば、子宮内膜肥厚化に働くエストロゲン製剤、妊娠維持に働くプロゲステロン製剤、子宮内膜症に対しての抗炎症薬などを挙げることができる。本技術は着床に作用するインテグリン活性を高めることで、直接着床効率を向上させる。

新技術の特徴

・インテグリンβサブタイプとTalinとの結合を促進し、インテグリンの活性化フォームを増やす
・胚と子宮内膜の結合性を向上させる
・これまでの不妊薬とターゲットが異なり、共に用いることで相加的な効果を期待することができる

想定される用途

・反復着床不良患者に対する、人工授精胚の子宮移植時に子宮内に胚と同時に投与することで、着床する確率を高める
・畜産動物の繁殖(人工授精胚を用いる牛等)
・希少動物の繁殖(人工授精胚を用いる場合に)

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 11:00~11:25
  • 創薬

3)癌予後マーカーの開発と高感度化へ資する独自抗体について

発表資料 プレゼン動画

福島県立医科大学 医学部付属生体情報伝達研究所 生体物質研究部門 准教授 本間 美和子

https://www.fmu.ac.jp/home/biomol/HTML/HommaMK_2023.pdf

新技術の概要

浸潤性乳管癌術時試料をもとに抗CK2抗体による組織化学染色を行い、将来の再発と関連する特徴的な細胞核内集積像を見出した。本手法による核小体染色陽性群は、無再発生存期間に対して現行の臨床病理学的指標と比べ唯一の独立変数となった。独自の高品質抗体クローンを複数種類樹立しており、研究試薬、体外診断薬としての活用を目指す。手法ならびに物質特許を出願中。PCT出願後の特許庁見解書では前者は3項目が「有」の評価を得た。

従来技術・競合技術との比較

Oncomine等のゲノム解析に比べ、術後速やかに、迅速、安価、かつ機関を問わない標準的プロトコールにより実施できる。

新技術の特徴

・癌摘出術時試料もしくは針生検資料を用いCK2染色評価を実施することで、摘出術直後に将来の再発について予測し、再発を待たずに再発予防へ資する適切な治療を早期に開始できる
・乳癌以外の固形癌へ拡大して本手法の検証を進めると共に核小体CK2機能について基盤となる分子生物学的研究も進行中である
・組織染色の際は抗原賦活化処理のためにオートクレーブ等による加圧法が最適である。装備できる新機器による染色自動化を達成できればブレークスルーとなる

想定される用途

・針生検もしくは摘出術時癌試料の組織化学染色評価により将来の再発を予測する
・前述の組織染色へ資する独自抗体とプロトコールを入れた研究試薬キットとしての用途
・手法へ適合する機器染色自動化が検証できれば体外診断薬としての用途

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)手術ナビゲーションCTにおいて静脈の撮影タイミングを適正化し、三次元CT画像を鮮明化する方法

発表資料 プレゼン動画

札幌医科大学 附属病院 放射線部 主査 大橋 芳也

新技術の概要

近年、腹腔鏡や手術支援ロボットを用いた低侵襲手術が普及したため、術前にバリエーションが豊富な静脈の走行を詳細に把握したいとの要望がある。例えば、横行結腸癌手術では、脆弱な静脈の裂傷を回避するため、上腸間膜静脈周囲を明瞭に撮像した三次元CT画像を術前に確認したいとの要望がある。
しかしながら、体内に注入された造影剤は心臓から全身を巡ることで薄まると共に、被検者毎に診断領域の静脈への到達に要する時間が異なっているため、従来のX線CT装置では、被検者毎に静脈を明瞭に撮影することが困難であった。
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、CTアンギオグラフィーにおいて被検者毎に静脈を明瞭に撮影することが可能なX線CT装置、撮像方法及びプログラムを提供することを目的とするものである。

従来技術・競合技術との比較

・低精細の測定手法としては超音波検査やMRアンギオグラフィなどが知られるが、CTアンギオグラフィのような高精細画像は得られない。CTアンギオグラフィでも本発明のような高精細ではなく、簡易的でやや精細度が低い使用法も知られる。
・従来のBolus tracking (BT)法は高精細なCTアンギオグラフィの代表的手法で、動脈だけでなく静脈の撮影にも用いられるが、本発明のように一回の造影剤注入で高精細で動脈診断と静脈診断を行う記載は、調査の範囲で見いだされなかった。

新技術の特徴

・主に動脈の描出を改善するための造影CT撮影法として体内の造影循環をリアルタイムにモニタリングスキャンし大動脈が造影されたタイミングで撮影することができるBolus tracking (BT)法を、動脈だけでなく静脈にも併用し、患者さん個別の静脈循環にタイミングを合わせて撮影することができるDouble Bolus Tracking (DBT)法の開発
・静脈の血流速度は、動脈と比較すると緩やかであるため、静脈モニタリング領域のX線周期は、動脈の周期よりも長く設定される
・動脈系撮影のためのモニタリングを行い、その後に静脈系撮影のためのモニタリングを行う

想定される用途

・手術ナビゲーションのための三次元画像の明瞭化
・手術前の静脈走行位置の把握
・静脈病変に対する診断能向上

  • 13:30~13:55
  • 医療・福祉

5)小腸および大腸内視鏡検査の侵襲性低減と検査時間短縮を目的とした新規潤滑剤

発表資料 プレゼン動画

京都府立医科大学 大学院医学研究科 消化器内科学 助教 廣瀬 亮平

https://kpum-shoukaki.net/index.html

新技術の概要

内視鏡シャフト部もしくはオーバーチューブと腸粘膜面の摩擦係数を最小にする潤滑剤の物性(粘度)を特定した。ある特定の粘度域の潤滑剤を用いることで、これらの摩擦係数を最小化できることが明らかになった(理想的な潤滑剤の物性の特定)。摩擦係数低下により内視鏡シャフトやオーバーチューブが消化管壁に与える荷重(負担)が軽減され内視鏡検査の侵襲性が低減する。

従来技術・競合技術との比較

摩擦測定を生体内で行うことは非常に難しく、これまで内視鏡シャフト部もしくはオーバーチューブ部と小腸・大腸粘膜の潤滑に関しての研究はない。このように内視鏡検査の侵襲性低減と検査時間短縮のための理想的な潤滑剤の特性は同定されていない。現在の内視鏡検査で一般化されているのは肛門部への潤滑ゼリー塗布のみで、腸管内への潤滑剤塗布は標準化されていない。

新技術の特徴

・潤滑剤の消化管粘膜への塗布により内視鏡シャフト部orオーバーチューブ部と消化管粘膜の動摩擦係数を低下させることで、内視鏡シャフト部orオーバーチューブ部が消化管壁に与える荷重(負担)が軽減する
・上記の摩擦係数が最も低下する潤滑剤の粘度域を特定した。この摩擦係数低下は潤滑剤の化学成分によって左右されず、潤滑剤の粘度によってのみ決定する
・内視鏡シャフト部や肛門部皮膚に直接塗布して肛門部皮膚の摩擦を軽減させる従来のゼリー状潤滑剤とは異なり、内視鏡挿入中に内視鏡鉗子孔から注入し内視鏡先進部付近の消化管粘膜に塗布することで内視鏡シャフト部orオーバーチューブ部と消化管粘膜の摩擦を低下させる

想定される用途

・小腸内視鏡検査(シングルバルーン内視鏡検査・ダブルバルーン内視鏡検査)用潤滑剤
・大腸内視鏡検査用潤滑剤

  • 14:00~14:25
  • 医療・福祉

6)創薬研究に有用な片肺間質性肺炎モデル動物

発表資料 プレゼン動画

兵庫医科大学 医学部 放射線医学 助教 児玉 大志

https://www.hyo-med.ac.jp/faculty/undergraduate/medicine/course/radiology/

新技術の概要

特発性間質性肺炎(肺線維症)の動物モデルはブレオマイシンの吸入などを用いて作製されるが、半数が投与後に死亡してしまう点が大きな問題である。我々は、片肺にのみ発症する片肺間質性肺炎モデルの作製に成功した。さらに、同手法を応用したその他呼吸器疾患モデルの作製を試行している。

従来技術・競合技術との比較

本疾患モデルは高い生存率が見込まれるのみでなく、従来のブレオマイシンによるモデルに認められる体重減少も殆ど求められない。一番の特徴は、同一個体に健常肺と病的肺を有するため、薬剤等が正常組織及び病的組織に与える影響を同一個体で観察することが可能である。

新技術の特徴

・創薬研究に於いて、有効性と安全性の両者を同時に同一個体で評価可能
・高い生存率により、線維化に対する効果など長期の観察が可能である

想定される用途

・創薬研究:間質性肺炎治療薬の候補物質の有効性・安全性の評価への応用
・販売:疾患モデル動物としての販売

  • 14:30~14:55
  • 医療・福祉

7)臥位で尿流率が測定できるオムツ型尿流率測定システムの開発

発表資料 プレゼン動画

兵庫医科大学 医学部 泌尿器科学 臨床教授 兼松 明弘

https://www.hyo-med.ac.jp/faculty/undergraduate/medicine/course/urology/

新技術の概要

排尿障害を来す疾患で汎用される尿流率測定装置はトイレにて立位または座位で排尿することが前提であり、乳幼児や寝たきりの高齢者の患者には対応できなかった。我々はオムツに尿がしみこむ速度を、オムツに編み込んだ電極間のインピーダンス変化として検出することで尿流率を高精度に測定できるシステムを作製した。

従来技術・競合技術との比較

乳幼児の排尿測定については、男児の陰茎の根部に超音波プローブを固定して尿流測定する方法が報告されているが(Olsen et al. 2010)、女児ではこの方法は不可能である。成人領域ではオムツにセンサーを重層して排尿を検知する方法が特許開示されているが、追試した結果、高精度の計測は不可能であった。

新技術の特徴

・排尿をアドミッタンス変化率(1/Ωs)で追跡する技術である
・臥位での排尿評価は、本システムによりはじめて可能となる
・既存のポータブル秤式尿流率測定装置に匹敵する精度であった

想定される用途

・乳幼児の患者(尿道下裂、二分脊椎)の排尿評価
・寝たきり高齢者の排尿評価
・介護老人施設などにおける寝たきり高齢者に対する排尿センサー

関連情報

・サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

8)脳血管内治療の術前シミュレーションに適した管腔脳血管3Dモデルの作製方法

発表資料

産業医科大学 医学部 脳卒中血管内科学  助教 黒川 暢

https://www.uoeh-u.ac.jp/hospital/gaiyo/bumon/strokemedicine.html

新技術の概要

本発明は、血管造影検査で得られた血管情報をもとに血管内腔を再現する3Dモデルを作成する技術である。血管内腔の外壁化は、管腔血管モデルの血管壁を任意に変更する多段階血管壁変更法により、耐久性と、血管モデルの正確性を確保しつつ、脳血管内治療のシミュレーションを可能とした。

従来技術・競合技術との比較

BIOMODEX®社の3D脳動脈瘤モデルは非常に高品質であるが、3Dプリンタ及び材料が高額であり、本発明のように低コスト化することは困難である。JMC社の脳血管内治療モデルとは異なり、本発明は患者毎のtailer madeの血管構造を再構築できる。

新技術の特徴

・患者毎に脳血管モデルを作成し術前シミュレーションが可能
・脳血管内治療、胸部大動脈瘤などの大血管にも応用可能
・通常の3Dプリンタでモデル作成が可能で短時間で安価に作成可能

想定される用途

・血管内治療の術前シミュレーションのための3D脳血管管腔モデル
・ステント、コイル等の治療デバイスの評価モデル
・胸部大動脈瘤などの大血管の3D管腔モデル

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

  • 15:30~15:55
  • 医療・福祉

9)眼科白内障手術用トロッカーシステム開発

発表資料 プレゼン動画

福岡大学 筑紫病院 眼科 准教授 久冨 智朗

新技術の概要

現在の白内障手術の課題を克服し、難症例の手術や初心者の術者でも安全な手術を可能にするため、前眼部手術用トロッカーシステムを開発する。本システムは、主にメインポート用ナイフ一体型トロッカー、前房灌流用のインフュージョントロッカー、サイドポート用デバイス、前眼部手術用コンタクトレンズで構成される。

従来技術・競合技術との比較

白内障手術は術者の技量に依存した手技が必要で、手術操作の習熟が不可欠である。現在はナイフを用いて創口を作成するが、創口不良により手術が不安定になり様々な合併症を招きうる。本トロッカーシステムを開発することで、常に同じ安定した優れた創口を作成でき、安全性の向上や手術時間の短縮、手術予後の改善を達成する。

新技術の特徴

・シリコンスリーブとナイフの形状を最適化したナイフ一体型トロッカー
・金属部分を持たない膜様弁を用いた自己閉鎖型トロッカー
・インフュージョントロッカー、サイドポート用デバイス、前眼部手術用コンタクトレンズを用いた総合的システム

想定される用途

・白内障手術、超音波乳化吸引術
・緑内障手術、角膜手術などの前眼部手術
・硝子体手術移行可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京医科歯科大学 オープンイノベーションセンター
TEL:03-5803-4042
Mail:tlo アットマークtmd.ac.jp
URL:https://tmdu-oi.jp/

関西医科大学 産学知財統括室
TEL:072-804-2328
Mail:sangakuac.jp アットマークhirakata.kmu.ac.jp
URL:https://www.kmu.ac.jp/

福島県立医科大学 医療研究推進課
TEL:024-547-1791
Mail:liaison アットマークfmu.ac.jp
URL:https://www.fmu.ac.jp/

京都府立医科大学 情報・研究支援課
TEL:075-251-5268 
Mail:kikaku01 アットマークkoto.kpu-m.ac.jp
URL:https://www.kpu-m.ac.jp/

兵庫医科大学 大学事務部研究推進課
TEL:0798-45-6488  
Mail:chizai アットマークhyo-med.ac.jp
URL:https://www.hyo-med.ac.jp/

産業医科大学 研究支援課 産学連携係
TEL:093-280-0532  
Mail:chizai アットマークmbox.pub.uoeh-u.ac.jp
URL:https://www.uoeh-u.ac.jp/industryCo.html

福岡大学 産学官連携センター
TEL:092-871-6631
Mail:sanchi アットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:http://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/

札幌医科大学 附属産学・地域連携センター
TEL:011-611-2111
Mail:chizai アットマークsapmed.ac.jp
URL:https://web.sapmed.ac.jp/ccci/index.html

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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