説明会の
お申込み

日本原子力研究開発機構 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年06月01日(木) 10:00~11:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、日本原子力研究開発機構

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)食品添加物からつくる環境負荷の低い新規腐食抑制剤

発表資料 プレゼン動画

日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 原子力基礎工学研究センター 防食材料技術開発グループ 研究員 大谷 恭平

https://nsec.jaea.go.jp/fme/group4/

新技術の概要

乳酸アルミニウムおよびモリブデン酸ナトリウムからなる排水基準がなく環境負荷の低い中性淡水中の炭素鋼の腐食を抑制する腐食抑制剤。

従来技術・競合技術との比較

既存の腐食抑制剤は亜鉛などの環境負荷が高く排水基準の厳しい薬品が使用されているが、本技術は食品添加物に使われるほど毒性の低い乳酸アルミニウムを使用することでそのような点をクリアした腐食抑制剤を開発した。

新技術の特徴

・排水基準に該当する成分を使わず環境負荷が低い
・約27ppmの低い濃度(低添加量)でも防錆効果を発揮
・金属イオンが防錆に関与するため放射線環境でも使用可能

想定される用途

・工場やプラントにおける循環系の防錆
・冷暖房システムにおける防錆

  • 10:30~10:55
  • デバイス・装置

2)グラフェンを活用した水素・重水素の新規精製装置

発表資料 プレゼン動画

日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター 表面界面科学研究グループ 研究主幹 保田 諭

https://asrc.jaea.go.jp/soshiki/gr/Nanoscale-gr/index.html

新技術の概要

燃料電池や水電解で使用されている固体高分子形電気化学デバイスを用いた、水素・重水素の新しい精製装置を提案する技術である。常温・常圧で重水素イオンよりも水素イオンを通しやすいグラフェンの性質を利用しているため、極低温・高圧下で行う従来法よりもより省エネルギーで精製可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来手法の深冷蒸留法などと異なり、燃料電池や水電解で利用されている小型でハンドリングが良い固体高分子形電気化学デバイスを用いる精製装置である。このため省スペース化や設備コストの低減が期待できる。また、室温・常温下で駆動可能であるため、極低温・高圧下で行う従来法よりもより省エネルギーで精製可能である。

新技術の特徴

・固体電解質膜利用のためハンドリングが容易
・室温で水素(H2)と重水素(D2)を効率よく分離
・省エネルギーで分離可能

想定される用途

・半導体等の産業用ガス
・医薬品開発

関連情報

・展示品あり

  • 11:00~11:25
  • デバイス・装置

3)電磁気学の常識を覆すコイル不要の薄膜インダクタ

発表資料 プレゼン動画

日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター スピン-エネルギー科学研究グループ マネージャー 家田 淳一

https://asrc.jaea.go.jp/soshiki/gr/spinenergy/index.html

新技術の概要

2019年に発見された新原理に基づくインダクタ素子であり、古典電磁気学による原理的な限界を超えたインダクタの小型化、薄膜化が可能となる。ごく初期の基礎研究段階だが、現状0.1µH程度のインダクタンスが10µm厚み以下の構造で室温動作することが確認されており、材料最適化等により製品化につながる可能性を秘める。

従来技術・競合技術との比較

インダクタンスが電流の流れる素子断面積に反比例する革新性を持ち、素子小型化を一気に進める可能性がある。また、電気制御による可変性も特徴。一方、薄膜素子のため許容電流がごく微量に留まっており、内部抵抗が大きくなることからQ値が低い点など改善点も多い。

新技術の特徴

・コイル構造を必要としない集積可能なインダクタ
・磁性体層と重金属層によるシンプルな素子構造
・電気的にインダクタンスの可変可能

想定される用途

・高周波利用
・スマートフォン
・自動車自動制御

関連情報

・展示品あり

  • 11:30~11:55
  • 材料

4)計算科学で水素を見出す~アルミ合金水素脆化防止法の開発~

発表資料

日本原子力研究開発機構 システム計算科学センター シミュレーション技術開発室 マネージャー・研究主幹 山口 正剛

https://ccse2.jaea.go.jp/Simu/

新技術の概要

高強度アルミ合金は、表面の腐食反応等が原因で内部に入る水素により割れやすくなってしまうが、その水素を吸う物質をアルミ合金内部に入れることで割れを抑制できる可能性がある。電子構造計算によってその物質を見つけ、実験でその物質を含むアルミ合金を作り、水素による脆化が抑制されることを確かめた。

従来技術・競合技術との比較

水素脆化の起こりにくい低強度のアルミ合金や他の材料で置き換えるしかなかった。

新技術の特徴

・計算科学研究によりアルミ合金中で水素を吸蔵する化合物を発見
・アルミ合金の水素による脆化を防止する効果を実験で検証

想定される用途

・アルミニウム合金製造
・金属材料開発

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本原子力研究開発機構 JAEAイノベーションハブ
TEL:029-284-3420
Mail:seika.riyou アットマークjaea.go.jp
URL:https://tenkai.jaea.go.jp/sangaku.html

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top