JST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)②~アグリ・バイオ~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年02月20日(火) 09:55~11:25
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
科学技術振興機構 スタートアップ・技術移転推進部 参事役 坂本 祥純
- 10:00~10:25
- アグリ・バイオ
1)動物実験代替を目指した胚培養技術の開発
発表資料九州大学 大学院医学研究院 発生再生医学分野 助教 二井 偉暢
新技術の概要
申請者は着床前後の胚発生を再現した胚培養技術をマウスと霊長類サル胚において確立しており、着床過程の胚発生に影響を与える医薬品等の評価系の確立を行っている。また、受精から器官発生期胚までの培養技術の開発を行っており、生殖発生毒性試験への応用を目指す。
従来技術・競合技術との比較
着床過程の胚発生は後期胚盤胞の原始内胚葉の位置での胚切断を必要としていた。申請者は着床過程の子宮内構造を模倣した三次元培養によって胚切断を必要としない培養系の確立を行った。また、着床後胚から器官形成期胚までの発生は回転培養法で確立されており、観察が困難であるが、申請者は顕微鏡下で観察可能な培養系の確立を行っている。
新技術の特徴
・着床過程の胚発生モデル
・胚と子宮内膜の共培養着床モデル
・受精から器官形成期胚までの胚培養法
想定される用途
・医薬品等の有効性と安全性評価の動物実験代替法(胎児への影響)
・不妊治療薬の開発(着床の改善)
・畜産動物(ウマ・ウシ)の体外受精-移植の改善
- 10:30~10:55
- アグリ・バイオ
2)超強力な次世代型遺伝子発現法による抗体・蛋白質の生産
発表資料香川大学 医学部 医学科 准教授 鈴木 辰吾
新技術の概要
発表者らは、超強力な転写活性を有する人工転写因子とそれを用いた新規発現系を開発した。この次世代型発現系を用いることによって、CHO細胞系などにおけるIgGなどのバイオ医薬品の生産量が飛躍的に向上できる。この次世代型転写誘導技術を用いることにより、動物細胞における物質生産法を大幅に改善できるだけではなく、高度な発現制御系も開発可能である。
従来技術・競合技術との比較
ExpiCHO細胞における一過性の遺伝子発現系において、CMVプロモーターなどを用いた旧世代型の遺伝子発現方法に対して、IgG抗体の生産量を5倍以上(最大で10倍)増産させることに成功している。
新技術の特徴
・強力な遺伝子発現誘導
・正確な遺伝子発現制御
想定される用途
・抗体医薬品の製造プロセスにおける使用
・ワクチンなどに使用する蛋白質の製造プロセスにおける使用
・検査薬に用いる蛋白質の製造プロセスにおける使用
- 11:00~11:25
- アグリ・バイオ
東京大学 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 准教授 村田 幸久
新技術の概要
炎症を強く抑制する生理活性脂質を発見した。この脂質は口から飲むことで血中にのり、痒みを含むアレルギー反応にも抑制効果を持つことが分かっている。廃棄する魚の腸管に多く含まれることも分かっており、これを抽出・濃縮してアレルギーを含む様々な疾患の予防や管理に応用する。
従来技術・競合技術との比較
小さな子供に多いアレルギー性疾患や大人に多い腸炎を食べることで予防・管理できる新しい脂質である。既存の食品に含まれていることから栄養食品としての応用も期待できる。
新技術の特徴
・小さな子供が多く罹患するアトピーや食物アレルギー、花粉症の症状を食べて予防し、直すことができる
・廃棄される魚の内臓に多く、ここから抽出して利用できれば、フードロス対策にもなる
・本脂質はヒトの体にも存在するもの(有機物)であり、排泄されたあとも自然に分解され、環境への負荷がない
想定される用途
・アレルギーや腸炎を抑える機能性食品
・アレルギーや腸炎を抑える医薬品
・アレルギーや腸炎を抑える食品素材
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
科学技術振興機構 スタートアップ・技術移転推進部 研究支援グループ
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