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神戸大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年10月19日(木) 13:30~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、神戸大学、
    (共催)株式会社神戸大学イノベーション

発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • アグリ・バイオ

1)メンブレンベシクルの人工発生装置

発表資料 プレゼン動画

神戸大学 大学院科学技術イノベーション研究科 科学技術イノベーション専攻 特命助教 高 相昊

http://www2.kobe-u.ac.jp/~akondo/koh.html

新技術の概要

本技術は、大腸菌からメンブレンベシクルを効率よく高生産するための新規メカニズムに基づいて発明した。発生するメンブレンベシクルの中に、任意の生体高分子 (タンパク質・核酸・ポリエステルなど) をカプセル化することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来は、メンブレンベシクルの生産をあくまで自然現象として捉えたものであり、効率的なベシクル生産およびその制御法や、人為的に目的物質をベシクルに包摂させることについては十分に検討されてこなかった。本技術は、"細胞質内" で生産させた任意のタンパク質・核酸などをベシクル内にカプセル化できる。さらに、メンブレンベシクルの生産量と、ターゲット内包物を細胞局在に応じて作り分け可能である点が特色である。

新技術の特徴

・メンブレンベシクルの発生量を任意に制御可能
・核酸・タンパク質・ポリエステルなどの生体高分子のカプセル化
・メンブレンベシクルの内容物を細胞局在に応じて作り分け可能
一重膜MV:"ペリプラズム局在物質" をカプセル化
多重膜MV:"細胞質内物質"をカプセル化

想定される用途

・抗体生産
・ワクチン生産
・ドラッグデリバリーシステム

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • エネルギー

2)次世代太陽電池や水素エネルギー製造に利用可能な高効率太陽電池の開発

発表資料 プレゼン動画

神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 朝日 重雄

https://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-photonics/

新技術の概要

紫外~赤外までの幅広い波長の太陽光を無駄なく電気エネルギーに変換するフォトンアップコンバージョンは太陽電池を高効率化出来る技術として期待されている。本発明は、太陽電池の変換効率向上を目的として、「2個のトンネル接合を連結したダブルトンネル構造」を利用することで、変換効率50%超えを可能とすることを特徴とする。

従来技術・競合技術との比較

2段階フォトンアップコンバージョンは中間型太陽電池で用いられてきたが、電流生成が非常に小さく、太陽電池の電流生成効率に寄与していなかった。本発明は、ダブルトンネル構造により、アップコンバージョンされた電子を漏れなく電極に伝えることで、従来の変換効率30%を大きく上回る、前人未到の変換効率50%を超える可能性がある。

新技術の特徴

・電流電圧の上昇、変換効率の向上
・高効率太陽電子の実用化に貢献
・製造法や材料には制限されない製造技術

想定される用途

・太陽電池(2段階フォトンアップコンバージョン太陽電池、新型/次世代太陽電池、多接合型太陽電池等)
・水素エネルギー製造
・赤外線検出器

  • 14:30~14:55
  • 創薬

3)自己炎症性疾患の周期性に着目した検査・治療法の開発

発表資料 プレゼン動画

神戸大学 大学院保健学研究科 保健学研究科病態解析学領域 准教授 駒井 浩一郎

https://www.research.kobe-u.ac.jp/fhs-komai/

新技術の概要

本発明では、炎症シグナル伝達に働くインフラマソーム複合体の構成因子ASCが自己制御的スプライシングによりIL-1βの産生と減衰を繰り返す機構の発見を基礎とする。関連する遺伝子発現調節因子等をモニターすることによる病態周期の検査診断や当該分子を阻害することで痛風などの自己炎症性疾患の病態周期を断つ治療を可能にする。

従来技術・競合技術との比較

自己炎症性疾患は狭義には周期熱など、広義には生活習慣病、認知症、感染症の増悪等を包含する。これらのうち周期性を伴う病態が生じるメカニズムは仮説の提示例もなく不明であった。本発明は自己炎症性疾患の共通原因機構であるインフラマソームの周期的活性化を提唱する初めての発見に立脚しており、世界的にも新規性・独創性が高い。

新技術の特徴

・ASCは様々なインフラマソームの共通構成因子のため、本発明は幅広い自己炎症性疾患に適用できることが期待される。
・自己炎症性疾患に対する従前の「増悪後の対症療法」でなく、「増悪前の予防」が可能である。

想定される用途

・自己炎症性疾患の検査診断方法の開発
・自己炎症性疾患の治療薬の開発

  • 15:00~15:25
  • アグリ・バイオ

4)酵素パワーで青臭さを減らす〜ヘキセナールイソメラーゼ〜

発表資料

神戸大学 大学院農学研究科 生命機能科学専攻 准教授 山内 靖雄

http://www.ans.kobe-u.ac.jp/kenkyuuka08/seimei/syokubutukinou.html

新技術の概要

植物由来のこの酵素は多くの植物性食品が該当する中性から弱酸性の環境下で青臭い匂いを軽減する高い活性を示す。そのため、食品添加剤として、例えば、青汁や野菜ジュースなど、青臭い匂い(3-ヘキセナール臭)がネックとなっている加工食品の匂い低減に効果があると考えられる。

従来技術・競合技術との比較

従来はより強い香りの食品材料を加えて青臭さを抑える(マスキング)が行われてきたが,本技術は酵素により直接香り物質を別の構造に変化させるという利点がある。

新技術の特徴

・植物性加工食品の風味を酵素の反応により変化させることができる
・天然素材なので,消費者の安全安心指向にマッチしている
・室温で放置するだけなので,特別な施設や食品製造過程の変更の必要がない

想定される用途

・青臭さが商品価値を下げる加工食品への利用

  • 15:30~15:55
  • 材料

5)マイクロプラスチック問題解決に貢献する分解性のポリカーボネート微粒子の開発

発表資料 プレゼン動画

神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 助教 鈴木 登代子

https://www.research.kobe-u.ac.jp/eng-cx6/

新技術の概要

本研究では、これまで作製例のない、石油由来および生物由来からなるポリカーボネートを微粒子化する製造技術を開発に成功した。さらに製造条件を検討することで、密実球状や中空構造、多孔質構造等の構造制御技術も実現した。

従来技術・競合技術との比較

高分子微粒子は、マイクロプラスチックとして環境負荷が懸念されており、バイオベース材料への転換を求められている。その様な中、千葉大学の青木らによりポリカーボネート (PC) の一種である生物由来のポリイソソルビドカーボネート (PIC) がアンモニアを反応させるとモノマーと尿素に分解し、モノマーと尿素を肥料として用いる新たな高分子材料循環システムが提案された(Green Chem., 2021,23, 9030-9037 )。しかし、これまで、ポリカーボネートを微粒子化する技術はほとんどなかった。本発明では、PCおよびPICの微粒子化を開発することにより、マイクロプラスチック問題の解決に資することができる。

新技術の特徴

・ポリカーボネートを用いて微粒子を開発したこと
・密実球状や中空構造、多孔質構造等の構造制御技術を開発したこと
・分解性を有するポリカーボネート粒子の簡便な製造技術を開発したこと

想定される用途

・分解性を有するファンデーションやクリーム、スクラブ製品等化粧品
・分解性を有する被覆肥料
・各種マイクロカプセル

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

神戸大学 研究推進部 連携推進課 知財グループ
TEL:078-803-5428
Mail:ksui-keiyaku アットマークoffice.kobe-u.ac.jp
URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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