ライフサイエンス~南日本ネットワーク~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2023年12月12日(火) 09:55~14:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、宮崎大学、鹿児島大学、佐賀大学、大分大学、
琉球大学、北九州市立大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
宮崎大学 研究・産学地域連携推進機構 機構長 片岡 寛章
- 10:00~10:25
- 材料
1)可視光応答アナターゼ型酸化チタン光触媒の低温量産化技術及びその応用
発表資料北九州市立大学 国際環境工学部 エネルギー循環化学科 教授 李 丞祐
新技術の概要
新しい酸化チタン微粒子の製造技術に関し、高比表面積で熱安定性や分散安定性に優れ、紫外線のみならず、可視光の照射によって光触媒作用を発揮しうる、アナターゼ型酸化チタン微粒子の低温製造プロセス及び量産化を可能にした新技術であり、環境・エネルギー分野など多岐に応用できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の研究に比べ、本技術によって得られた酸化チタン微粒子は、低温合成による多孔性アナターゼ型酸化チタンであり、高い吸着力、高比表面積の特性を有する。また、分散安定性に優れ、中空構造の利点を活かした高い光触媒活性の酸化チタン微粒子を安価で量産できる利点を有する。
新技術の特徴
・高比表面積で熱安定性、高分散性、可視光応答などの優れた光触媒活性
・100℃以下の低温水熱合成による省エネ・安価製造プロセスと量産化
・アナターゼ型酸化チタン微粒子及びその分散液のOne-pot合成
想定される用途
・屋内空気清浄及び有害物質の除去、防カビ・防ウイルスなど
・水素生成、CO2還元などの新エネルギー関連分野への応用
・色素増感型太陽電池、薄膜型全固体電池、リチウム電池電極などへの応用
関連情報
サンプルあり
デモあり
展示品あり
- 10:30~10:55
- アグリ・バイオ
2)乾海苔に含まれる特有の単糖類の抽出精製法とその機能性
発表資料佐賀大学 農学部 生物資源科学学科 生命機能科学コース 教授 濱 洋一郎
https://research.dl.saga-u.ac.jp/profile/ja.30ad0e9da6b8d863.html
新技術の概要
海苔(スサビノリ)、特に市場価値に乏しい色落ち海苔中には、多いものでは乾重量の20%以上もの特有の単糖類(イソフロリドシド)を含有している。本技術により、乾海苔に含まれる当該物質を効率的に抽出精製することができる。本物質は、すっきりとした甘味を呈するが消化吸収されない天然甘味成分であると同時に、抗う蝕、抗メタボなどの健康増進機能を併せ持つ。
従来技術・競合技術との比較
従来技術である人工甘味料はゼロカロリーであるが、腸内細菌叢の悪化や食欲増進などのデメリットが指摘されている。本物質はヒトに消化吸収されないプレバイオティクスとして働くことが報告されており、さらに人工甘味料にはない機能性を示すことを確認した。
新技術の特徴
・簡便な方法で乾海苔からイソフロリドシドの抽出・精製
・消化吸収されない天然甘味成分
・抗う蝕、抗メタボなどの健康増進機能
想定される用途
・ゼロカロリー機能性天然甘味料(甘味受容体と相互作用しインクレチン分泌を促すことを確認済み)
・抗う蝕剤(虫歯原因菌によって利用されないことを確認済み)
関連情報
サンプルあり
- 11:00~11:25
- アグリ・バイオ
佐賀大学 理工学部 理工学科 情報部門 教授 福田 修
新技術の概要
「人間」とAI搭載型の「作業支援ツール」とが渾然一体化するダブルBrain(人脳+AI脳)協調型の作業支援ツールを構築し、「人間」と「作業支援ツール」を従来とは別次元で融合させる新技術。
従来技術・競合技術との比較
「人間」と「AI搭載型作業支援ツール」の強みを融合するインタフェース設計
1.協働における「AI搭載型作業支援ツール」の強みを構築
2.「人間」と「AI搭載型作業支援ツール」とで互いの認識を共有させる
3.「人間」と「AI搭載型作業支援ツール」とで操作の主導権を譲り合う
新技術の特徴
・知的な労働をAIで支援し、正確性や効率をUPする
・未経験者や高齢者などによる作業をAI搭載型のツールでサポートする
・作業状況をモニタリングし、エラーや効率を評価・解析できる
想定される用途
・選果作業・収穫作業
・組み立て作業
・検査作業
関連情報
デモあり
展示品あり
- 13:00~13:25
- 医療・福祉
4)医師と患者を最適な薬物治療へと誘導する心不全コミュニケーションツール
発表資料大分大学 医学部 臨床薬理学講座 特任助教 林 宏祐
https://www.med.oita-u.ac.jp/clinical_pharmacology/index.html
新技術の概要
心収縮力の低下した心不全の治療では診療ガイドラインに基づく標準的治療が予後を改善するというエビデンスがあるにも関わらずその実施率が低いことが問題となっている。本ツール(スマートフォンアプリ)は上記の課題を解決するために医師と患者が外来で使用できるコミュニケーションツールである。
従来技術・競合技術との比較
従来の心不全を対象としたアプリでは患者のセルフケアや心不全増悪時の早期受診を促すことを目的としたものであった。本アプリは投薬のガイドライン順守率を向上させる事を意図し、その結果として患者の予後改善を図るものである。
新技術の特徴
・パーソナルヘルスレコード(PHR)の収集・記録機能
・心不全の薬物の管理機能(お薬手帳と類似する機能)
想定される用途
・外来での医師と患者のコミュニケーションツール
関連情報
デモあり
- 13:30~13:55
- 医療・福祉
鹿児島大学 医歯学域医学系 腫瘍学講座病理学分野 助教 横山 勢也
新技術の概要
胆汁中の細菌叢と臨床情報を用いた機械学習により膵・胆管癌の早期発見・悪性度予測が可能な判別器を構築した。当該判別法は2cm以下の早期癌を高確度に判別可能であり、さらには術後予後においてハイリスク群のスクリーニングが可能であった。
従来技術・競合技術との比較
早期胆道癌・早期膵臓癌での癌マーカーCA19-9の陽性率が低いことを鑑みると当該モデルは非常に優秀であると考えられる。くわえて、摘出術奏功性を規定可能な術後予後予測法は現存していない。
新技術の特徴
・胆汁中細菌叢解析
・機械学習
・早期発見・術後予後予測
想定される用途
・健康診断
・膵胆管癌の早期発見にむけたリキッドバイオプシ
・摘出術における奏功性バイオマーカー
関連情報
サンプルあり
- 14:00~14:25
- 医療・福祉
6)喀痰ブロック吸引チューブ「からめとーる」
発表資料琉球大学 医学研究科 顎顔面口腔機能再建学講座 教授 中村 博幸
新技術の概要
誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者の咽頭には乾燥した粘稠の高い喀痰が大量に付着ししばしば気道を塞ぎ窒息の原因となる。しかし、この喀痰は通常の吸引チューブで除去するのは極めて困難である。そこで、容易に喀痰をからめて吸引除去できる特殊な先端構造を有するチューブを考案した。
従来技術・競合技術との比較
従来の「吸引チューブ」は、吸引のみを使用目的に考案されているため喀痰の粘稠度が強くなるほど除去が困難である。本考案の喀痰吸引チューブは、複数の半球形突起構造と吸引孔を有することで粘稠度の強い喀痰も絡めて吸引除去することが可能となる。本考案の喀痰吸引チューブは、既存の製品のなかで機能が競合するものはない。
新技術の特徴
・複数の半球形突起構造(きのこ状)と吸引孔を有することで粘稠度の強い喀痰も絡めて吸引除去することが可能となる
・先端孔の辺縁は丸みを帯びた形状となっており、咽頭粘膜の刺激による損傷を予防する
・「接続部」はプラスチック材質でできており、手指による軸回転の操作が可能で、これによって、「先端部」を動かすことで喀痰を絡めることができる
想定される用途
・粘稠度の強い喀痰の除去
・喀痰ブロックによる窒息の防止
- 14:30~14:55
- 創薬
宮崎大学 医学部 医学科・神経科学講座脳神経外科学分野 准教授 横上 聖貴
新技術の概要
髄膜腫は最も多い脳腫瘍である。なかでも良性脳腫瘍では、腫瘍内に石灰化の見られる髄膜腫は増殖が遅いことが判っている。しかし、石灰化が見られず、頭蓋底や周囲血管を巻き込んだり、脳内に浸潤するような場合は全摘出が不可能で、その成長を的確にコントロールできる化学療法はなく、いずれ死にいたる。特に悪性髄膜腫は5年生存率が5割前後で、予後不良である。本研究では、良性悪性に限らず髄膜腫の増殖を制御しうるシグナル経路、代謝経路を見出し、世界で初めて悪性髄膜腫に細胞老化、石灰化をもたらすことに成功した。その経路を制御する新たな治療法の確立を目的とした。
従来技術・競合技術との比較
従来、手術と放射線治療しかなく、摘出困難例や放射線照射の効果がない症例では、次に選択できる治療法がなかった。また、遺伝子変異やメチル化の解析によって新たな髄膜腫の分類法が誕生しているものの、化学療法の標的となる代謝経路や代謝産物は同定されていない。本研究では、悪性、良性髄膜腫のシグナル伝達経路、代謝経路の違いを探索し、細胞老化、石灰化、細胞増殖にかかわる代謝経路を同定し、新規治療ルートを見出した。
新技術の特徴
・髄膜種治療に係る化学療法の新規な標的ルートを同定した。
・当該標的に作用する物質を選定した。
・当該物質による悪性髄膜腫細胞の老化・石灰化の促進、および細胞増殖停止作用(新規な化学療法)を細胞レベルで確認した。
想定される用途
・良性、悪性の髄膜腫の化学療法
関連情報
サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
宮崎大学 研究・産学地域連携推進機構 知的財産・研究リスクマネジメント部門
TEL:0985-58-7592
Mail:chizai-sof.miyazaki-u.ac.jp
URL:https://www.miyazaki-u.ac.jp/kscrs/
鹿児島大学 研究推進部 社会連携課 知的財産係
TEL:099-285-7043
Mail:tizaikuas.kagoshima-u.ac.jp
URL:https://www.krcc.kagoshima-u.ac.jp/
佐賀大学 リージョナル・イノベーションセンター
TEL:0952-28-8961
Mail:ura-teammail.admin.saga-u.ac.jp
URL:https://www.suric.saga-u.ac.jp/
大分大学 研究推進部産学連携課
TEL:097-554-8517
Mail:chizaioita-u.ac.jp
URL:https://www.oita-u.ac.jp/
琉球大学 総合企画戦略部 研究推進課 産学連携推進係
TEL:098-895-8031
Mail:sangakuacs.u-ryukyu.ac.jp
URL:https://iicc.skr.u-ryukyu.ac.jp/
北九州市立大学 企画管理課 企画・研究支援係
TEL:093-695-3367
Mail:kikakukitakyu-u.ac.jp
URL:https://www.kitakyu-u.ac.jp/
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