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大阪大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年01月30日(火) 10:00~14:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構 、大阪大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)磁性メモリデバイスに応用可能な界面マルチフェロイク構造

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院基礎工学研究科 附属スピントロニクス学術連携研究教育センター 助教 宇佐見 喬政

https://www.semi.ee.es.osaka-u.ac.jp/hamayalab/index.html

新技術の概要

界面マルチフェロイク構造は、電界印加によって磁化方向制御が可能である。新技術では、同構造に、磁性メモリデバイス高性能化に重要なスピントロニクス材料を強磁性層として組み込み、磁化方向の高効率制御を実証した。さらにゼロ電界状態において、二つの磁化方向状態を取ることができる「二値性」の発現に成功し、不揮発メモリ動作を実現している。

従来技術・競合技術との比較

界面マルチフェロイク構造は、他の電界印加型磁化制御技術と比較して、材料の選択性や幅広い動作温度を有している。また当該特許技術により、二値性の発現のための構造設計指針が得られており、メモリデバイス応用上、有望な技術である。

新技術の特徴

・低消費電力で磁化の方向を制御できる
・高性能なスピントロニクス材料にも利用できる
・電界・磁界が共にゼロの状態で、2つの状態を保持できる

想定される用途

・磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)

  • 10:30~10:55
  • 計測

2)低コスト・小型テラヘルツレーダイメージングシステム

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院基礎工学研究科 システム創成学専攻 助教 易 利

http://ipg-osaka.com/

新技術の概要

高精度(サブミリ)検査応用ためのテラヘルツ(THz)イメージング検査装置が市販されているが、THz波発生器と検出器は大型かつ高価で本格的な社会実装には困難であった。本発明では、共鳴トンネルダイオードでテラヘルツ波の発生と検出を同時に実現し、低コストかつ小型のTHzイメージングシステムのための技術を確立した。

従来技術・競合技術との比較

現在市販のTHzイメージングシステムは複雑かつ高価なTHz波発生器、検出器、高周波(光学)部品を必要としている。本新技術では、それら全てを1台の共鳴トンネルダイオードで実現することが可能であり、コストおよびサイズを大幅に低減することができる。

新技術の特徴

・金属以外の素材を透過する非侵襲かつ非破壊検査が可能
・カメラ画像に近いサブミリメートルの分解能を有する
・ターゲットまでの距離、厚みなどの三次元情報が得られる

想定される用途

・自動車、ドローン、ロボット等、次世代モビリティ関連のレーダ技術
・食品、半導体などの生産ライン検査
・医療ヘルスケア応用(皮膚、歯、生検組織サンプルなど)

関連情報

・デモあり

  • 11:00~11:25
  • デバイス・装置

3)モルフォ蝶に学ぶ「明るく・広角・虹色なし」の光拡散シート

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院工学研究科 物理工学専攻 准教授 齋藤 彰

http://www-ss.prec.eng.osaka-u.ac.jp/

新技術の概要

光拡散材(ディフューザ)は採光窓から照明まで、幅広い応用価値がある。一方、光ディフューザの理想条件「明るく・広角・虹色なし」を全て並立するのは困難である。本発明ではナノ構造による回折に基づき、全てを並立できる。加えて、拡散光の異方性制御と、撥水防汚の機能ももつ。

従来技術・競合技術との比較

現行の光ディフューザでは、主なタイプは光散乱に基づいており、明るさと広角に負の相関がある上、拡散光の形状制御ができない。また別タイプで屈折を用いる型は、比較的高価な上、虹色の色分散や角度の不足があり、その上、防汚については弱点の1つである。

新技術の特徴

・光を拡散させるフィルムで、「明るく・広角・虹色なし」を全て並立する
・拡散光の異方性制御ができる
・撥水防汚の機能ももつ

想定される用途

・採光窓
・光ディフューザ(各種の照明、プロジェクタ、光源、などに使用)
・ビニルハウス

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • 材料

4)耐衝撃性ポリ乳酸/バイオマス由来エラストマーブレンドの作製

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 准教授 徐 于懿

http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~uyamaken/member.html

新技術の概要

本発明ではポリ乳酸用可塑剤を添加し、トチュウエラストマー等の植物由来エラストマーを動的架橋によりブレンドすることで、ポリ乳酸の耐衝撃性を大幅に向上させた。ポリ乳酸用可塑剤であるクエン酸エステルを適量添加すると、ポリ乳酸より高価格のトチュウエラストマーの添加率が10%以下であっても、ポリ乳酸の耐衝撃性が約70倍となった。

従来技術・競合技術との比較

バイオプラスチックの1つであるポリ乳酸は耐衝撃性や柔軟性が低いとの理由からその用途に制限がある。ポリ乳酸の耐衝撃性および柔軟性の改善には、従来、石油由来製品であるゴムなどの添加剤の利用がなされている。これに対し、本発明ではバイオマス由来の材料を用いてポリ乳酸の耐衝撃性および柔軟性を改善した。

新技術の特徴

・ポリ乳酸の耐衝撃性向上にポリ乳酸用の植物由来添加剤と植物由来エラストマーを適量添加する
・ポリ乳酸の性質をある程度維持しつつ、耐衝撃性を実用レベル以上に高める
・高い植物度を維持しつつ、ABSを大幅に凌駕する耐衝撃性を達成できる

想定される用途

・自動車用途(インパネ、ランプカバー等)
・電気用途(エアコンハウジング等)
・建材、雑貨

関連情報

・展示品あり

  • 13:30~13:55
  • 機械

5)同期学習を用いた時系列解析による予測モデリング

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院基礎工学研究科 機能創成専攻 助教 清水 雅樹

https://sites.google.com/view/wwwkawaharalab/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

新技術の概要

再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を用いて、システムから部分的に観測される時系列データを入力し、システムの状態分析や将来予測を行う。システムとRNNの同調の仕方を最適に学習(同期学習)することで、従来よりも予測性能が向上し、欠損値等に対して頑健なモデリングが可能になっている。

従来技術・競合技術との比較

同調学習を取り入れることで、従来のRNNに比較して学習過程が容易になり、予測性能や頑健性の面で優れたモデリングが可能になる。また、本RNNは非線形システムにも対応する。これらのため、従来のRNNでは十分に解明・予測出来なかった時系列データに対しても適応できる可能性がある。

新技術の特徴

・時系列データのモデルが容易に学習・作成できる
・調整パラメータが少なく、作成したモデルの解釈が容易
・空間依存する場合にも拡張出来る(空間1次元~3次元)

想定される用途

・水位予測
・雨量予測
・金融価格予測

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 製造技術

6)水素等で作る活性な金属表面を利用した接合技術

発表資料 プレゼン動画

大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻 精密工学コース 准教授 大参 宏昌

http://www-ms.prec.eng.osaka-u.ac.jp/jpn/

新技術の概要

本技術では、独自の非平衡・高密度プラズマ生成技術により、水素等の無毒なガスから生じる高密度活性種を利用します。これらの活性種と金属間で生じる非平衡反応を積極利用してやると、特異な表面ナノ構造を簡便に形成することが可能となります。今回は、この表面活性化技術を、樹脂―金属接合等に応用した例となります。

従来技術・競合技術との比較

樹脂―金属等の異種材接合では、マクロな凹凸にナノサイズの凹凸構造を付与することでナノアンカー効果が発現し、接合強度が向上することが知られています。これらナノ構造の形成には、環境負荷の大きな化成品等の使用が必要です。本技術は、どこでも入手可能で無毒な水素ガスで、金属の表面活性化処理を可能にします。

新技術の特徴

・金属表面の活性化
・無毒な水素ガス等を活用
・金属表面ナノ構造の形成

想定される用途

・チップ間配線の低温接合
・金属ー樹脂接合

  • 14:30~14:55
  • 医療・福祉

7)メタバースにおける新しいリハビリテーション

発表資料

大阪大学 大学院基礎工学研究科 機能創成専攻 助教 松居 和寛

http://hmc.me.es.osaka-u.ac.jp/

新技術の概要

メタバースにおけるアバターを中心として、訓練用に設定されたアバターを自身の身体の代替として操作できるように「体験」する、あるいはアバターの動きに応じて電気刺激技術を用いてリアル身体を「制御」する、あるいはその制御と、アバター操作に用いる身体特性モデルを電気刺激技術を用いて「検査」するリハビリテーション技術です。

従来技術・競合技術との比較

従来のVRを用いたリハビリテーションでアバターを用いているものは少なく、またインタフェースとしてコントローラやモーションキャプチャを用いるものが主です。本技術は筋電図と身体特性モデルを用いている点、電気刺激においてこれまで難しかった深部、手部の刺激を可能とする点が有意な点です。

新技術の特徴

・筋電図を用いたコントローラ
・リハビリテーションに利用できるVR上の一人称アバター体験
・電気刺激を用いた検査、制御

想定される用途

・リハビリテーション用医療機器
・アバターを操作する新しいインタフェース
・身体状態の検査装置

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪大学 共創機構 イノベーション戦略部門 知的財産室
TEL:06-6879-4861  
Mail:tenjikai アットマークuic.osaka-u.ac.jp
URL:https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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