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理化学研究所 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2023年06月13日(火) 10:00~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、 理化学研究所、
     株式会社理研鼎業

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 計測

1)発色を自由に制御できるメタマテリアル・イムノクロマトデバイス

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 光量子工学研究センター フォトン操作機能研究チーム チームリーダー 田中 拓男

http://metamaterials.riken.jp/

新技術の概要

金属ナノ構造から構成されるメタマテリアルを用いた発色構造を利用することで、生体分子や環境物質などの極微量の標的分子の存在を肉眼でも容易に識別できる色変化として指示することのできる新しいイムノクロマトデバイス。

従来技術・競合技術との比較

従来のイムノクロマトデバイスは、金属ナノ粒子などを利用してそれらが持つ色を使って標的分子の存在を検出していた。そのためデバイスの色の変化を識別しづらい事も多かった。本技術では、金属ナノ構造から構成されるメタマテリアルを利用することで「色」を自在に制御できるので、肉眼や光検出器などの検出側の特性に合わせて最適な色変化を生成できる。

新技術の特徴

・イムノクロマト法における発色を、人工的に形成するナノ構造によって自由に制御できる
・人間の肉眼や検出デバイスの特性に合わせて最適な色変化を設計できる
・標的分子の存在をデバイスの色変化として検出できるので、環境物質(環境ホルモン、汚染物質)などを常時モニタリングするデバイスにも適用可能

想定される用途

・ウイルスなど疾病に関連する物質の高感度検出
・環境物質等の高感度検出

関連情報

・展示品あり

  • 10:30~10:55
  • 計測

2)スナップショット型フルストークス偏光カメラ

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 光量子工学研究センター アト秒科学研究チーム 研究員 沖野 友哉

https://rap.riken.jp/labs/eprg/asrt/

新技術の概要

本技術は、偏光カメラと複屈折ウェッジを用いたフルストークスイメージング技術である。市販の偏光カメラでは、スナップショットとして円偏光度を計測することができない。本技術では、シングルフレームで円偏光度を含むフルストークス画像の撮像が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、円偏光度を含むストークスパラメータを計測するためには、複数回の撮像を必要とする。一方、本技術では単一撮像でフルストークスパラメータが計測できるため、短時間に円偏光度が変化する対象をイメージングする場合に有効である。

新技術の特徴

・市販の偏光カメラに複屈折ウェッジを追加するだけで、フルストークスイメージングが可能
・直線偏光情報を計測する偏光カメラと遜色のない空間解像度を維持することが可能

想定される用途

・短時間で円偏光度が変化する対象の高解像度撮像
・円偏光散乱を用いた生体診断

  • 11:00~11:25
  • デバイス・装置

3)高出力・THz量子カスケードレーザーの開発

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 開拓研究本部 平山量子光素子研究室 主任研究員 平山 秀樹

https://rap.riken.jp/labs/twrg/tqdrt/

新技術の概要

テラヘルツ量子カスケードレーザー(THz-QCL)に高濃度ドーピング層を導入し、また、電子リーク低減のためバリア高さを調節することで飛躍的な高出力化に成功し、1.4Wの高出力THzレーザーを実現した。手のひらサイズ冷凍機に載せた高出力テラヘルツレーザー光源を実現し実用化への期待を高めた。

従来技術・競合技術との比較

これまで用いられている非線形結晶を用いたパラメトリックTHz発振器は、サイズが大きく、高価であるなどの課題があった。THz-QCLは、チップ1個から高出力THzレーザーが得られ、狭線幅、CW動作、耐久性に優れ安価であるなど実用応用に適したTHz光源である。

新技術の特徴

・THz半導体レーザーで1W以上の出力を達成
・高濃度ドーピングとバンド制御により飛躍的な高出力化を実現
・手のひらサイズ冷凍機でサブワット出力テラヘルツレーザー発振

想定される用途

・THz無線通信、THz-LiDAR
・透視・非破壊検査、生物学や医学
・超高速分光など

  • 13:00~13:25
  • アグリ・バイオ

4)単一細胞RNA配列を用いた病変組織の解析

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 光量子工学研究センター 画像情報処理研究チーム 特別嘱託研究員 太田 聡史

https://www.riken.jp/research/labs/rap/img_process/

新技術の概要

1細胞遺伝子発現解析(シングルセルRNA-Seq)から得られた配列情報(以下、1細胞RNA配列)から推定される各細胞ゲノムに生じた体細胞変異情報を指標とすることで、確かな病変組織の解析を実現します。分析対象組織内の各細胞について、いつどこでどのような変異が発生したのかを特定することで、疾患発症機序推定等が可能です。

従来技術・競合技術との比較

従来、1細胞遺伝子発現解析では、発現情報のみで細胞を分類し、病変組織を解析します。本法は、組織形成中の分化時に生じた変異情報を指標に加えることで、より厳密に病変組織中の細胞の分化経緯を推定します。このため、本法は、細胞の時系列サンプリング等の実験的操作をせずに、病変組織中の細胞の歴史を推定可能です。

新技術の特徴

・豊富な単一細胞RNA配列を用いて単一細胞DNA配列の変異を推定するため、コストのかかる追加実験が必要ない
・単一細胞RNA配列を用いた細胞系統樹と単一細胞遺伝子発現プロファイルの非線形変換の結果を統合可能
・本手法で得られる細胞系統樹(細胞系譜樹)は線形的な(人間にとって扱いやすい)性質を持っており、生物学的解釈が容易である

想定される用途

・非侵襲的単一細胞系譜の推定
・疾患の原因となるドライバー突然変異の歴史の再構築
・単一細胞遺伝子発現プロファイルとの統合による生物学的解釈の実施

関連情報

・デモあり

  • 13:30~13:55
  • アグリ・バイオ

5)iPS細胞の初期分化を従来法より早期に評価する技術

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 生命機能科学研究センター 先端バイオイメージング研究チーム チームリーダー 渡邉 朋信

http://www.qbic.riken.jp/lcb/site1/index.html

新技術の概要

本発明は、ラマン散乱スペクトルの「揺らぎ」情報を用いて、非染色・低侵襲でiPS細胞の分化状態を評価する技術である。より具体的には、細胞の不均一性を評価指標として用いる。そのための基盤技術は、実験再現性の確保が難しい細胞のラマン散乱スペクトル計測において高再現を実現する解析アルゴリズムである。

従来技術・競合技術との比較

本発明は、細胞に一切の化学標識を必要とせず、実験手技に依存せず、オンサイトでの細胞評価が可能である。また、従来法による定義よりも早い段階で細胞の状態遷移を検出できる。蛍光抗体染色法やシーケンス法と比較してランニングコストが低い。

新技術の特徴

・技術の根本は、ガラスや培養液由来の信号を含むラマン散乱スペクトル信号から、細胞由来のラマン散乱スペクトル信号を正確に抽出する解析技術である
・従来は、信号強度を指標とするが、本手法では信号強度の細胞間のバラつきを指標とする
・多数要素から構成される複雑系が状態遷移する前に現れる信号(early-warning signals)の概念に基づいている

想定される用途

・iPS細胞またはiPS細胞由来体細胞の定量品質評価
・生物学研究用ラマン散乱イメージングソフトウェア
・未病検出または疾患早期検出技術

  • 14:00~14:25
  • アグリ・バイオ

6)シングルセル解析をより身近にするサンプル多重化新技術

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 バイオリソース研究センター 客員主管研究員 阿部 訓也

新技術の概要

1細胞遺伝子発現解析において、複数のサンプルをまとめた後、1回の実験操作で解析する手法をサンプル多重化と呼び、これによりエラーの低減や実験コストが大幅に削減可能です。あらゆる表面分子を標識する手法を応用することで、既存の手法では解析不可能であった胚性細胞や軟骨細胞などのサンプル多重化に成功しました。

従来技術・競合技術との比較

既存の多重化法(細胞表面タンパク質に対する抗体を用いた手法)は、発現している表面タンパク質の種類に依存するため、細胞の種類によっては適用できません。本手法は、表面タンパク質のアミノ基にビオチンを付加し、それに対してバーコードDNAを結合させたビオチン結合蛋白質を処理するため、全ての細胞に適用可能です。

新技術の特徴

・あらゆる細胞、もしくは細胞核を等しく標識し、バーコードDNAを導入可能
・固定細胞にも適用可能
・少なくとも10種類の細胞を1実験で一挙に解析可能

想定される用途

・多検体を対象としたシングルセル遺伝子発現解析
・疾患・創薬研究
・細胞品質管理

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • 材料

7)知恵の輪で作る多孔性結晶

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 創発物性科学研究センター 統合物性科学研究プログラム 創発分子集積研究ユニット ユニットリーダー 佐藤 弘志

https://www.riken.jp/research/labs/cems/crossdiv_mater_mol_assembl_res/index.html

新技術の概要

本技術は、知恵の輪のような形をした分子:[2]カテナンを用いた多孔性材料の合成技術である。我々は[2]カテナンを結晶化させることで1次元の穴が無数に開いた結晶を合成することに成功した。また、[2]カテナンの分子サイズを微調整することで、結晶中の1次元の穴の直径をサブオングストローム以下の精度で制御できることを実証した。

従来技術・競合技術との比較

2nm以下の細孔であるミクロ孔をもつ材料はガス状分子の分離や貯蔵に用いることができるが、破格の性能実現のためには細孔サイズの微調整が必要である。一般に細孔の形状や次元を変えずにサイズのみをサブオングストロームレベルで調整することは極めて困難であるのに対し、本技術はそれを可能にした。

新技術の特徴

・知恵の輪状の分子から1次元ミクロ孔を有する結晶を合成可能
・知恵の輪状分子を微調整することで細孔径をサブオングストロームレベルで調整可能
・多孔性結晶は水中で100度に加熱しても安定

想定される用途

・ガス状分子(二酸化炭素など)や有機分子の分離
・水質浄化
・分離膜

関連情報

・サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • アグリ・バイオ

8)有用微生物の大規模スクリーニング技術

発表資料 プレゼン動画

理化学研究所 バイオリソース研究センター 植物-微生物共生研究開発チーム 開発研究員 成川 恵

https://pms.brc.riken.jp/ja/

新技術の概要

任意の細菌を直径数〜数十μmの微小液滴に封入し、かつ1分間で数千個の液滴を作成して行う、微生物の大規模スクリーニング技術です。100万を超えるオーダーでの微生物培養を省スペースで行い、既存のスクリーニング方法では実現困難な大規模スクリーニングを実現します。貴社に役立つ微生物を低コストで取得できます。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、プレート法や限界希釈法よりもスループット性に優れます。従来技術は、1つの液滴中の微生物数が0~1となるまで微生物懸濁液を希釈する必要があり、効率性等に課題がありましたが、本技術では、1つの液滴中に複数菌を封入する手法で解決します。絶対共生菌等の難培養菌のスクリーニングにも威力を発揮します。

新技術の特徴

・有用微生物のミリオンスクリーニングを実現
・任意の微生物単離源からのスクリーニングが可能
・省スペースかつ簡単な操作でスクリーニングが可能

想定される用途

・農業上有用な拮抗微生物の探索
・新規抗生物質産生菌の探索
・新規化合物合成菌の探索

関連情報

・デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社理研鼎業 戦略企画部 (理化学研究所新技術説明会事務局)
TEL:048-235-9308  
Mail:senryaku アットマークinnovation-riken.jp
URL:https://www.innovation-riken.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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