ウェルビーイングを支える技術~さんさんコンソ~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年01月18日(木) 13:25~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、中国地域産学官連携コンソーシアム(さんさんコンソ)、川崎医科大学、岡山大学、山口大学、鳥取大学、岡山理科大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:25~13:30
開会挨拶
岡山大学 副学長(ローカル・エンゲージメント担当)兼 副理事(地域共創・ベンチャー担当) 三村 聡
- 13:30~13:55
- 創薬
川崎医科大学 医学部 生化学 教授 山内 明
新技術の概要
発表者らは画像解析による細胞走化性の評価方法を確立し、この評価方法により膵癌細胞の動態を制御する低分子化合物を見出した。その中の一つ化合物14-100は担癌マウスの腫瘍増大と転移浸潤を抑制した。本化合物は副作用の低い癌治療薬として期待される。
従来技術・競合技術との比較
担癌マウス実験では、既存薬ゲムシタビンよりも腫瘍増大の抑制効果が優れていた。また、併用することも可能であり相加効果が見られた。細胞動態のみを抑えることから細胞毒性が低く、副作用が少ないことが期待される。
新技術の特徴
・殺細胞による効果ではなく細胞動態を制御する癌治療薬である
・細胞毒性が少ない
・経口投与が可能
想定される用途
・膵癌に対する治療薬
・各種癌に対する治療薬
関連情報
サンプルあり
- 14:00~14:25
- エネルギー
岡山大学 異分野基礎科学研究所 超伝導・機能材料研究コア 研究准教授 森 裕樹
新技術の概要
次世代の再生可能エネルギーとして知られる有機薄膜太陽電池の実用化に向けて、新骨格を基に、低コストで合成が可能であり、高い変換効率を実現するp型半導体高分子の開発をおこなった。本技術は、従来の材料よりも現段階において13.5%の変換効率を達成している。
従来技術・競合技術との比較
従来の代表的なp型半導体高分子材料は、変換効率は15.7%と高い値を示すが、15工程以上の多段階合成が必要であり、合成コストが高い。しかしながら、本技術では合成工程を約10工程まで短縮でき、変換効率も従来材料に迫る値を達成している。
新技術の特徴
・光電変換の機構を活かし、光触媒や光受光素子としての応用も可能
・半導体材料だけでなく、機能性色素としての母骨格やその中間体となりえる
・新骨格を含む材料として有機ELや有機トランジスタに向けた新たな高分子半導体となりえる
想定される用途
・建材一体型太陽電池およびシースルー太陽電池(窓の調光材など)
・光触媒としての水分解
・光センサー
- 14:30~14:55
- 医療・福祉
3)日常生活において呼吸音と血管音を聴取可能なセンサシステム
発表資料山口大学 大学院創成科学研究科(工学系学域) 電気電子工学分野 講師 中島 翔太
新技術の概要
本技術は、呼吸音と血管音の聴取を目的としたセンサシステムである。非医療従事者でも容易に利用でき、外部から侵入するノイズを効果的に低減できることから、日常的な生体音のモニタリングへの応用が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
一般的に、呼吸音や心音の聴取には聴診器が用いられるが、これは医療従事者による静音環境での短時間の聴診に限られていた。本技術を使用すれば、呼吸音や血管音の測定に医学的な知識を必要とせず、日常的な環境において継続的に聴取が可能となる。
新技術の特徴
・外部ノイズを低減して高精度に呼吸音と血管音が聴取できる
・継続的に生体音をモニタリングできる
・測定中の不快感が少ない
想定される用途
・循環器疾患と呼吸器疾患の診断やスクリーニング検査
・スポーツなどのトレーニング
・ストレス計測
関連情報
サンプルあり
デモあり
展示品あり
- 15:00~15:25
- 環境
4)国内での資源循環への貢献を目的とした排水からのリン析出・回収技術の開発
発表資料鳥取大学 工学部 社会システム土木系学科 准教授 高部 祐剛
新技術の概要
本技術は、電解晶析法を利用して排水からのリン析出・回収を行うものです。電解晶析法で未利用であった陽極から発生する水素イオンにより貝殻を溶出させることで、リン析出に必要なカルシウムイオンを排水に供給し、リン析出速度の飛躍的向上を可能としました。その結果、排水処理で発生する汚泥の濃縮とリン析出を同時に達成しました。
従来技術・競合技術との比較
従来のリン回収技術は、排水からのリン析出・回収のみ対象としていました。本技術では、排水からのリン析出が、生物学的排水処理において必須な汚泥処理(汚泥濃縮)と同時に達成可能となります。
新技術の特徴
・汚泥を濃縮しながらリンの析出が可能
・通常廃棄される貝殻をリン析出促進剤として利用
想定される用途
・排水処理場でのリンの除去・回収
関連情報
サンプルあり
- 15:30~15:55
- アグリ・バイオ
5)血管内皮保護作用を有する乳酸菌
発表資料岡山理科大学 獣医学部 獣医学科獣医薬理学教室 講師 向田 昌司
新技術の概要
本発明は、高血圧ラットの腸内で顕著に減少する乳酸菌(Ligilactobacillus murinus)を同定し、本菌並びにその成分が高血圧症に対して血管内皮機能の改善をはじめ、降圧作用、腸管粘膜バリア機能の改善作用、腸管形態の改善作用、抗炎症作用を有することを前臨床試験(動物実験)で示したものである。
従来技術・競合技術との比較
肥満や糖尿病に対して特定の腸内細菌を摂取することで、有効性を示すことが報告されている。一方、これらの報告に比べると高血圧症をはじめとする循環器疾患に対して腸内細菌の有効性を示す報告は少ない。本発明は、高血圧モデル動物の腸内で減少する菌が血管および腸管保護作用を有することを明らかにした。
新技術の特徴
・ 高血圧症で減少する乳酸菌は血管内皮細胞の保護作用を有する
・ 高血圧症で減少する乳酸菌は腸管粘膜バリア機能の改善作用を有する
・ 高血圧症で減少する乳酸菌は抗炎症作用を有する
想定される用途
・ 高血圧の予防(犬、猫、ヒト)
・ 高血圧症に伴う腸管粘膜バリア機能の改善・予防(犬、猫、ヒト)
関連情報
サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
中国地域産学官連携コンソーシアム(さんさんコンソ) 岡山大学 研究推進機構内 中国地域産学官連携コンソーシアム事務局
TEL:086-251-7151
Mail:sangaku-consokayama-u.ac.jp
URL:https://sangaku-cons.com/
川崎医科大学 産学連携知的財産管理室
TEL:086-462-1111
Mail:s-renkeimed.kawasaki-m.ac.jp
URL:https://m.kawasaki-m.ac.jp/sanchi/
岡山大学 研究推進機構 知的財産本部
TEL:086-251-8417
Mail:chizaiokayama-u.ac.jp
URL:https://www.orsd.okayama-u.ac.jp
山口大学 産学公連携・研究推進センター
TEL:0836-85-9961
Mail:yuicyamaguchi-u.ac.jp
URL:https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/
鳥取大学 研究推進機構 研究戦略本部
TEL:0857-31-5546
Mail:sangakucdml.cjrd.tottori-u.ac.jp
URL:https://s.orip.tottori-u.ac.jp/
岡山理科大学 研究・社会連携部
TEL:086-256-9730
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URL:https://renkei.office.ous.ac.jp/
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