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筑波大学 新技術説明会【対面開催】

日時:2023年11月14日(火) 13:25~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、筑波大学

発表内容詳細

  • 13:25~13:30

開会挨拶

筑波大学 国際産学連携本部 本部審議役・教授 西野 由高

  • 13:30~13:55
  • 環境

1)分子クラウディング効果を活用した次世代の溶媒抽出技術

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 数理物質系 助教 宮川 晃尚

https://www.chem.tsukuba.ac.jp/nakatani/miyagawa.html

新技術の概要

溶媒抽出(水と油への溶質の分配を利用した金属イオン等の抽出)の抽出率を1.5倍程度向上させる技術である。水相にデキストランなど分子クラウディング剤を添加することを特徴とする。反応に関与しないサイズの大きいクラウディング剤を水相に投入することで疑似的に反応場の濃度を上げ、目的の平衡定数(金属イオンの錯体化)が上がる効果を利用している。

従来技術・競合技術との比較

従来の溶媒抽出法では、その高収率化のためpHの調整や溶媒の選択により行われている。近年の大学による先端研究でもこれら手法に基づいた抽出剤の開発が行われているに過ぎない。当該反応場を操作する本発明のアプローチでの研究例はなく、当業者が容易に発明できるものではない。上記のような抽出すべき材料又は、溶媒の条件に依存する方法とは異なり、金属種を限定されない万能な手法であり極めて有用性が高い。

新技術の特徴

・溶媒抽出の抽出率を1.5倍上げることが可能
・既設設備で実施可能
・特殊な薬液は不要、プロセス条件は常温・常圧でマイルド

想定される用途

・レアメタル等の有価物回収
・化学分析の前処理

  • 14:00~14:25
  • 創薬

2)γチューブリン特異的阻害剤とがん治療への応用

発表資料 プレゼン動画

新技術の概要

γチューブリンは細胞の細胞骨格である微小管の核形成を制御しているタンパク質である。細胞周期進行に必要なシグナル伝達タンパク質の適切な制御に関わっていること、様々な腫瘍で高発現していることが知られていることから、γチューブリン特異的阻害剤はこれらの腫瘍に対する治療薬として期待できる。

従来技術・競合技術との比較

抗腫瘍剤のカテゴリーの一つにα/βチューブリンの重合や脱重合を阻害する微小管阻害剤があるが、γチューブリン特異的阻害剤はこれらを阻害せず、より副作用が少ないことが期待される。γチューブリンを特異的に阻害する化合物は、他に我々が以前に開発した化合物以外になく、競合技術は存在しない。

新技術の特徴

・我々が以前に開発したγチューブリン特異的阻害剤の発展形で、より低濃度で特異性が高くγチューブリンを阻害する
・脳腫瘍、肝細胞がん、肺がんなどで高発現し、悪性度に関与するγチューブリンを阻害する

想定される用途

・抗腫瘍剤

関連情報

・サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • 計測

3)気泡流量を計測する  ~胸腔ドレナージユニットにおけるエアリーク流量計測システムの構築~

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 システム情報系 准教授 金子 暁子

http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~abe/

新技術の概要

当研究室は、熱流体工学・混相流・伝熱流動の能動制御と詳細可視化計測・マイクロバブルなどの小気泡の挙動に関する研究をメインテーマとしている。今回、気泡流量の計測技術に関する研究成果について紹介する。
胸腔ドレナージのエアリーク量は、従来、ドレナージユニットから排出される気体の様子を医療従事者が目視することで疾病の状態を判断していた。
ここでは、ドレナージユニット内の圧力変動を計測することでエアリーク量を定量的に計測する手法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

熱線風速計を利用した流量計測システムを内蔵したドレナージユニットが販売されているものの、高価であった。これに対して本技術は既存のドレナージユニットへの組み込みを安価に実現可能とするものである。

新技術の特徴

・市販されているドレナージユニットに組み込み可能な技術であり、コンパクトなシステムを実現可能なこと
・ドレナージユニット内の圧力変動を利用した手法であること

想定される用途

・市販されている安価なドレナージユニットへの装着が安価に可能となること
・退院の目安を定量的に評価できること
・呼吸器疾患に対するエアリーク流量の計測が容易となり、医療分野における地検が深まること

  • 15:00~15:25
  • デバイス・装置

4)フレキシブルエレクトロニクスの医療分野への適用と挑戦

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 医学医療系 講師 森川 翔平

https://tsukuba-eye.jp

新技術の概要

眼科手術において眼内照明は必須である。眼球は外からの光を排除する機構を持つため、眼外から眼球に直接穴をあけて眼内を照明する。これは侵襲的であり致命的な感染症を引き起こす可能性がある。本新技術はフレキシブルエレクトロニクスを応用することで眼外から非侵襲的に眼内照明することができ、革新的に安全な手術が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は眼球に穴を開けて直接照明するため光量の点では有利であるが感染の可能性がある。近年はコンピューターアシストによる拡張現実認識が眼科手術でも応用され始めており少ない光量で手術が可能となっている。他には照明付きの手術顕微鏡はあるが照明範囲が狭く全ての手術に利用することはできない。

新技術の特徴

・微小で閉鎖された空間へのライティング
・微小でフレキシブルな曲面からのライティング

想定される用途

・眼科手術用デバイス
・スマートコンタクトレンズの光源

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 15:30~15:55
  • 情報

5)疲労と絆の可視化・強化技術:頭脳パフォーマンスと健康を両立するeスポーツ科学の社会実装

発表資料 プレゼン動画

筑波大学 体育系 助教 松井 崇

https://www.tsukuba-matsui-lab.org/

新技術の概要

eスポーツに代表されるような現代人のサイバー空間における頭脳活動時には、疲労と孤独がつきまとう。本技術では、頭脳活動時に自覚しにくい認知疲労やチームワークについて、心拍数、瞳孔径、表情などに代表される非侵襲測定が可能な生体情報をもとに可視化し、即時フィードバックすることで、調整・強化することを可能にする。

従来技術・競合技術との比較

大がかりな装置を必要とせず、自然な頭脳活動時の疲労と絆・チームワークの即時評価が可能である。加えて、それらの状態をマルチモーダルにアバターやデバイスを通じてフィードバックし、疲労の自覚やその共有による絆の調整を実現するのは他に類をみない。

新技術の特徴

・認知疲労のシンプルで実装しやすい検出方法
・多人数による協働時の絆とチームワークのシンプルで実装しやすい検出方法
・疲労と絆のフィードバックによるチームワークの調整方法

想定される用途

・•頭脳活動による過労、依存、プレゼンティーズムを防止する一過性疲労検知システム(例:ディスプレーやPCへの実装、専用機器の開発)
・eスポーツ練習の質を担保するフィードバックシステム(例:ディスプレーやPCへの実装、専用機器の開発)
・車内、オフィス、教室、高齢者施設、病院、オンライン会議、メタバースなどあらゆる人間行動場面の絆とチームワークの検知・フィードバック・調整(孤独を解消に向けたコミュニケーション促進システム。身体性豊かなオンライン環境・サイバー空間・メタバースの構築システム。)

関連情報

・デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

筑波大学 産学連携部 産学連携企画課
TEL:029-859-1659
Mail:event-sanren アットマークun.tsukuba.ac.jp
URL:https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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