早稲田大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2023年07月25日(火) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構 、早稲田大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 材料
1)熱可塑性CFRPと金属の高強度・高靭性な異種接合及び成形技術
発表資料早稲田大学 理工学術院 機械科学・航空宇宙学科/専攻 教授 細井 厚志
新技術の概要
熱可塑性CFRPと金属をホットプレスで強固に熱溶着する新技術を紹介します。主な特徴は以下の通りです。
①接合性に乏しいCF/PEEKと金属の異種接合が可能
②トレードオフ関係にある接合強度と靭性を両立可能
③1ショットで同時に接合と深絞り成形が可能
従来技術・競合技術との比較
接着剤を用いずに接合性の乏しいCF/PEEKと金属の高強度、高靭性な異種接合が可能で、高温または低温環境で使用できる可能性があります。またホットプレスを用いており、1ショットで深絞り成形、接合が可能です。
新技術の特徴
・ボルトレス接合のため軽量化が可能
・広い使用環境温度域(母材樹脂の特性に依存)
・異種接合材の深絞り成形が可能
想定される用途
・航空宇宙・自動車分野の構造部材/建築部材等のマルチマテリアル化
(高温/低温部分含む)
・エネルギー貯蔵構造物の軽量化
・熱可塑性CFRP/金属を積層させた新材料開発
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 情報
早稲田大学 次世代ロボット研究機構 次席研究員 三宅 太文
新技術の概要
ロボットと協働作業を行う際の協働者の行動を推定し、通常の行動の他に、相手方への依頼や支援を含めた行動を計画し、それらの中から状況に応じて適切な行動を選択するロボット、ロボットの行動決定システム及びそのプログラムを提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来の技術では、複数の人間(作業者)が共働して一連の作業を行う現場において、各作業者が自身に与えられたタスクを実行する。本手法では、「やってもらう」、「やってあげる」という協働譲り合い行動を取ることで、ロボットと協働者の効率をより効果的に向上させることができる。
新技術の特徴
・人とロボット両方の作業コストの推定と比較
・人の状態に合わせたロボットの働きかけ行動方針の切替
・全体作業効率を考慮したタスク選定
想定される用途
・ゴミ捨て作業の分担
・室内で散在している物の共同片付け
・厨房での料理タスクの分担
- 14:30~14:55
- 医療・福祉
早稲田大学 理工学術院 大学院情報生産システム研究科 生産システム分野 教授 田中 英一郎
新技術の概要
おそらく世界最小最軽量の歩行補助機。モータ等のアクチュエータを使用せず、振動スピーカを足裏(母指球下)と足の甲(中足骨上)に備え、 非対称波形の振動を適切なタイミングでそれぞれ出力する。すると力の補助はしないが靴が足の底背屈動作を促し、使用者自身の力で地面を蹴り、つま先を上げるので歩行運動を促進する。
従来技術・競合技術との比較
まず、足関節のみの歩行補助は当研究グループのオリジナル手法。また従来はモータ等アクチュエータが必要で1㎏以上重量があり、それらを補助関節に備えると足の重心バランスが崩れ立脚姿勢が不安定化し、出っ張った部分を何かに引っ掛け転倒の恐れがあった。本技術は通常の靴とほぼ変わらない形状で500g、超小型軽量で安全。
新技術の特徴
・超軽量、靴部は500g。普通の靴とほとんど変わらない形状で、力のアシストはされていないのに、ハプティクス技術によりあたかも動かされているように感じて、歩行運動が促進される
・安価で製作可能。モータだけで数万円するアクチュエータタイプではなく、数千円の振動スピーカ使用により、両足で材料費2、 3万円程度。量産でさらに低価格化可能
・15分歩行した実験結果では、被験者(健常男性20代)3名いずれもモータタイプより底背屈動作が大きく誘導され、歩行運動を促進できたことから、有効性が示唆された
想定される用途
・脳卒中を予防するため、高齢者(健常者も可)に足関節の底背屈動作を誘導し、歩行運動を促進する
・脳卒中片麻痺患者、パーキンソン病患者の状態に応じたリズム・歩容をマイコンにプログラムし、スマホでコントロールして現状に合わせた調整を行い、歩行訓練に使用する
・VR,MRと融合し、動作の疑似体験
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
- 15:00~15:25
- 創薬
早稲田大学 人間科学学術院 人間科学部 健康福祉科学科 教授 千葉 卓哉
新技術の概要
老化は様々な疾患の発症リスクの一つであることから、老化制御を標的とした創薬が、現在欧米を中心に盛んに行われている。我々は、効率的な老化制御物質の探索系と、それらによって発見された、複数の抗老化創薬シーズに関する研究開発を行っている。本発表ではそれらについて紹介する。
従来技術・競合技術との比較
探索系に関しては、カロリー制限の抗老化作用と、成長ホルモンの抑制による抗老化作用に共通して見られる遺伝子発現変化を模倣しうる抗老化物質のスクリーニングとシグナル系の同定が、in vitro、in vivoにおいて可能である。NASH、肝がんの治療剤に関しては、これまで知られていない、新たな創薬標的に対する核酸医薬候補に関する技術を有している。
新技術の特徴
・万病のもと「老化」を細胞から覆す
・細胞レベルで探索した抗老化因子を各分野で若さと健康を保つ応用に
・First-in-classのNASH、肝がん治療剤。免疫チェックポイント阻害剤との併用で効果大
想定される用途
・創薬研究
・機能性食品開発
・化粧品開発
- 15:30~15:55
- 機械
早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構 ナノテクノロジー研究所 次席研究員(研究院講師) 田中 大器
新技術の概要
櫛歯型マイクロ流体デバイス中の流体をコントロールすることで細菌(細胞)を一つ一つ各"部屋"に格納する技術を開発した。細胞を流体にのせることでダメージを与えずに培養実験や解析が行える。また、培地や薬液の交換も迅速に行えるようになり細胞実験の作業効率が格段に上がった。
従来技術・競合技術との比較
従来の櫛歯型マイクロ流体デバイスは櫛歯の先が行き止まりになっており流体が流入しづらく細菌(細胞)を各"部屋"に入れることが難しかった。それ故に遠心分離機や振盪により無理やり細胞を格納するためダメージが大きかった。本開発デバイスでは遠心分離機などを使用せずに高効率に細胞を格納できる。
新技術の特徴
・マイクロメートルオーダーの小さなサンプルを自在にトラップする
・トラップしたサンプルにさまざまな溶液を加えることが可能
想定される用途
・一細菌ずつの耐薬性の分析
・細胞分裂の詳細な分析
・ペプチド合成など高分子化学への応用
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
早稲田大学 リサーチイノベーションセンター
TEL:03-5286-9867
Mail:contact-tlo list.waseda.jp
URL:https://www.waseda.jp/inst/research/tlo
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