化合物、エネルギー対策及び情報処理技術 ~岐阜大、三重大~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年08月27日(火) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、岐阜大学、三重大学
協力:株式会社三重ティーエルオー
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 創薬
1)グルコサミン誘導体からなるインジェクタブルゲル
発表資料岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 教授 池田 将
新技術の概要
水を媒体とするヒドロゲル(以下、ゲル)を形成する新規な化合物であるグルコサミン誘導体を見出し、得られたゲルが応力に応答して溶解・液体化し、応力を解除すると再度ゲル化する性質を示すことを発見した。さらに、この性質を利用することで開発したゲルが、インジェクタブルなゲルとして利用可能な特性を示すこと、および小分子医薬品を内包できることを明らかにした。
従来技術・競合技術との比較
過去に学術論文等で報告されているインジェクタブルゲルは、先駆的な例を含めて、複雑な分子構造のペプチドを用いたものが多かった。また、研究例の多い高分子化合物からなるゲルは安定性が高いものの体内からの除去が難しいという課題があった。本研究では、それらの化合物と比較してシンプルなグルコサミン誘導体がインジェクタブルなゲルに応用できることを見出した。本発明のゲルを与える化合物は短工程で化学合成できるため製造コストも抑制できると期待される。
新技術の特徴
・短い工程で化学合成可能なグルコサミン誘導体からなるゲル
・注射などでインジェクション可能なゲル
・局所での水溶性物質の保持を可能にするゲル
想定される用途
・医薬品の包埋と投与
・化粧品の基剤
・診断用材料の基剤
- 医療・福祉
2)胸部レントゲン写真からの血行動態定量評価法
発表資料三重大学 医学部附属病院 心臓血管外科 助教 鳥羽 修平
新技術の概要
胸部レントゲン写真と心臓カテーテル検査を組み合わせて教師データとすることで、胸部レントゲン写真からの定量的な血行動態評価手法を開発しました。先天性心疾患患者の肺体血流比予測において、専門医による半定量的な胸部レントゲン写真の読影と比較し、有意に高い診断能を示しました。従来よりも低侵襲、安価、かつ正確な血行動態評価手法として有用と考えられます。
従来技術・競合技術との比較
従来、胸部レントゲン写真などの画像を医師が定量的に評価することは困難でした。また胸部レントゲン写真の読影補助に用いられるAIは医師の定性的な診断を模倣するものが多く、他の検査手法を組み合わせた評価を行うものはありませんでした。
新技術の特徴
・レントゲン写真の定量的な評価が可能
・高速かつ均一な評価
・低侵襲かつ安価な検査手法
想定される用途
・健康診断による心疾患のスクリーニング
・小児循環器診療における高侵襲手技の回避
・日常的な血行動態の評価、フォローアップ
関連情報
・展示品あり
- 14:30~14:55
- エネルギー
3)効率的なメタン加熱によるCO2フリー ターコイズ水素の製造技術
発表資料岐阜大学 工学部 機械工学科 准教授 朝原 誠
新技術の概要
メタンなどの炭化水素を加熱することでCO2を排出せずに水素(ターコイズ水素)を製造することができる。本発表では、製鉄排熱との熱交換により炭化水素を加熱し、水素と高純度カーボンブラックを製造する方法と、生成した一部の水素によるデトネーションで炭化水素を効率良く加熱する方法の2つの新技術を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
製鉄排熱を使った炭化水素の水蒸気改質では水素生成時にCO2が排出されるが、本手法ではCO2を排出せずに水素と高純度カーボンブラックを生成することができる。また、生成した一部の水素でデトネーションを発生させる方法では、外部加熱源を必要とせずに高効率で炭化水素を加熱することができる。
新技術の特徴
・排ガスダクト内に炭化水素分解管を挿入し、熱交換により炭化水素を分解する
・デトネーションによる高効率加熱により炭化水素を熱分解する
・反応を制御することで、炭化水素の予熱領域と熱分解領域を分離する
想定される用途
・転炉の排ガスダクト内に本装置を挿入し、熱交換により天然ガスからCO2フリー水素を製造する
・熱処理炉の水素化による水素需要を満足するための水素製造装置
・20ftコンテナサイズの小型水素製造装置
関連情報
・サンプルあり
- 15:00~15:25
- 情報
4)母国語を用いないロボット教師による外国語会話学習
発表資料三重大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 助教 松井 博和
新技術の概要
乳幼児が保護者たちの発話とジェスチャとの組み合わせから母国語会話を一から学習する様子をモデル化し、保護者たちをコミュニケーションロボットに代えて、言語は学習言語のみを用いて母国語の代わりに外国語会話を学習させるものである。
従来技術・競合技術との比較
従来技術として語学学習教材は数多く提案されているが、言語は学習言語のみを用いて基礎からの外国語会話学習を使用とするものはない。また、人がコミュニケーションロボットにあわせることで成り立つ環境をつくり、低い技術レベルでも実現できるようにする着眼点も新しい。
新技術の特徴
・母国語を介さず外国語会話ができるようになる
・母国語が異なる場合も同時に学習することができる
・外国語会話学習の初級レベルに着眼している
想定される用途
・語学学校の初級会話学習への導入
・小中学校での英会話の授業への導入
・社会人への第二外国語会話(中国語会話学習など)
関連情報
・デモあり
・展示品あり
- 15:30~15:55
- 創薬
岐阜大学 工学部 化学・生命工学科 教授 岡 夏央
新技術の概要
様々な糖から誘導できるスルホンに対して塩基、求核剤を反応させることでドミノ反応が起こり、一段階で糖骨格からシクロペンテン、シクロヘキセン骨格へと組み変わる。生成するシクロアルケン環には求核剤が立体選択的に付加し、多置換シクロアルケンが高立体選択的に生成する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術に比べて短工程で光学活性シクロペンテン、シクロヘキセンが得られる。求核剤を変えることで、一つの糖から複数の光学活性シクロペンテン、シクロヘキセンを合成できる。加えて、従来法でしばしば用いられる高価な遷移金属触媒などを必要としない。
新技術の特徴
・短工程で光学活性シクロペンテン、シクロヘキセンが得られる
・共通の化合物から複数の光学活性シクロペンテン、シクロヘキセンが得られる
・高価な遷移金属触媒などを必要としない
想定される用途
・創薬シーズ探索
・有用物質合成の短工程化
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
岐阜大学 学術研究・産学官連携推進本部 産学官連携推進部門
TEL:058-293-2025
Mail:sangaku t.gifu-u.ac.jp
URL:https://ari.gifu-u.ac.jp/
三重大学 研究・社会連携統括本部 知財ガバナンス部門
TEL:059-231-5495
Mail:chizai-mip crc.mie-u.ac.jp
URL:https://www.crc.mie-u.ac.jp/chizai/
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