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生体の制御とセンシング ~首都圏北部4大学連合~ 新技術説明会【対面開催】

日時:2024年10月22日(火) 10:00~14:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
     茨城大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学

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発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 医療・福祉

1)AIで構音障害の有無と重症度を評価する支援ツールの開発

茨城大学 教育学野 学校教育教員養成課程 特別支援教育コース 講師 石田 修

新技術の概要

構音障害(発音の誤り)の有無は検査者の聴覚印象から主観的に評価しているが、音の評価には習熟が必要で個人差も大きいという課題があった。特にひずみ音は他の症状より判定が困難で、その重症度を表す基準もない。本技術では、AIで音響的特徴から構音障害の有無と重症度を客観的・定量的に評価する支援ツールを開発する。

従来技術・競合技術との比較

本技術は既存の構音検査と異なり、音響的特徴からAIで症状の有無だけでなく重症度まで定量的に評価可能で、その変化を本人にフィードバックできる。発音の正誤についてフィードバックを得られることで、本人の気づきが促進され早期改善につながり、自宅等で支援者がいなくとも効果的な練習ができるようになる。

新技術の特徴

・専門家不在でもAIが発音の正誤を判定できる
・従来は存在しなかった構音障害の重症度評価ができる
・指導前後の変化を定量的に可視化できる

想定される用途

・就学時健康診断の言語障害スクリーニング
・構音障害の治療
・家庭学習

  • 10:30~10:55
  • 医療・福祉

2)複合束ワイヤによる柔軟で安全な手指動作支援技術

宇都宮大学 工学部 基盤工学科 機械システム工学コース 助教 中林 正隆

新技術の概要

弾性ワイヤの複合束の押引駆動を用いたリンク機構を動作支援機構に用いることで、装着者に対して日常生活動作レベルの手指アシストを可能にした。また、本機構は駆動用弾性ケーブルの複合束の組み合わせにより、最大の動作支援力の調整を可能にしたことによって装着者への安全性も確保した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、モータ駆動やワイヤ駆動が主流で、安全性や構造の複雑さが課題であり、装置が重くなる問題があった。空気圧式駆動もコンプレッサーが必要で重量が増加する欠点があった。一方、新技術は弾性ワイヤの複合束を押引駆動に用い、軽量かつシンプルな構造で柔軟な動作支援力を提供する。これにより、従来技術に比べ、安全性と実用性が向上している。

新技術の特徴

・弾性ワイヤの複合束を用いた押引動作でリンクに動力を伝達し、日常生活動作レベルの手指動作支援を実現
・複合束が屈曲することで過剰な動作支援力を分散させ、機械的な安全性を確保
・弾性ケーブルの組合せを変更することで、動作支援力の最大値を調整可能であり、小型化も容易

想定される用途

・リハビリテーションおよび介護支援デバイス:弾性ワイヤの柔軟な押引駆動により、手指に適切な支援力を提供し、安全かつ効果的なリハビリや介護を実現する
・義手や義指の動作支援機構:弾性ワイヤによる自然な動作と適切な保持力で、日常生活での細かい動作や物体の取り扱いを安全にサポートする
・柔軟性と保持力を生かしたクランプ機構:弾性ワイヤの複合束を用いた押引駆動により、物体を柔軟に保持しつつ、適度な力で締め付けが可能なクランプ装置として、産業用ロボットや機械装置に応用される

関連情報

・展示品あり

  • 11:00~11:25
  • 医療・福祉

3)VRを用いた上肢の運動障害重症度評価システムの開発

群馬大学 医学部附属病院 脳神経内科 助教 佐藤 正行

新技術の概要

運動失調やパーキンソン症状を呈する患者の重症度を正確かつ定量的に評価する臨床的バイオマーカーを提案する。具体的には、従来の運動失調評価法であるSARA などで用いられている「鼻-指試験」をヘッドマウントディスプレイのVR空間上で評価を行い、上肢の運動の円滑さを可視化・数値化することで治療効果や進行度の評価、運動障害の鑑別にも役立つ。

従来技術・競合技術との比較

従来の運動障害評価法は目視による観察を主とした半定量的な評価であり、評価者の主観が入る点が問題であった。客観的に評価する試みは様々な方法で模索されているが、大掛かりな装置や特定の環境設備などが必要であり、簡便に評価できるシステムは確立していない。本発明は簡便かつ場所を選ばずに正確な評価が可能である。

新技術の特徴

・ヘッドマウントディスプレイとハンドトラッキング機能の組み合わせによるVR鼻-指試験評価システムを初めて開発
・目視による観察では困難である上肢の運動障害重症度を高精度かつ定量的に測定することを可能にする
・ケーブルレスかつマーカーレスで、特定の場所を選ばすに評価可能である

想定される用途

・日常診療において運動障害を有する患者の治療前後での正確な評価を行う
・臨床試験において治験薬の効果を正確に評価する
・リハビリテーションにおいてその効果を正確に評価する

関連情報

・デモあり

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)磁気粘性流体を用いた変速機および変速機付人工心臓の開発

茨城大学 応用理工学野 機械システム工学領域 講師 北山 文矢

新技術の概要

全置換型人工心臓は左右心の心臓機能を代替する血液ポンプであり、小型・血液適合性・左心右心の血液流量バランス調節機能を必要とする。本発明では、磁気粘性流体を用いた簡素かつ小型の変速機を開発した。磁気軸受を用いた人工心臓に本変速機を組み込み、小型・血液適合性を維持した上で左心右心の流量を独立的に制御する。

従来技術・競合技術との比較

従来の全置換型人工心臓では、左心と右心の一体型インペラを同一回転数で回転させ、遠心ポンプの効率や、出口ポート断面積の変化により、左心・右心の流量を変化させていた。本発明では、左心と右心のインペラの回転数差を変速機で制御するため、左心・右心の任意の流量調節が可能になる。

新技術の特徴

・変速機はシャフト状であり、既存の軸へ組み込み可能
・変速機は磁場により受動的または能動的に変速比を制御可能
・変速機付人工心臓は簡素な機構で左心・右心流量を制御可能

想定される用途

・心不全患者のための人工心臓
・産業用ポンプ
・モータの二軸独立制御

  • 13:00~13:25
  • アグリ・バイオ

5)ゼブラフィッシュを用いた生体膜電位イメージング

埼玉大学 大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御額領域 准教授 津田 佐知子

新技術の概要

タンパク質型の膜電位センサーを発現する個体を小型魚類において作出し、適切な記録条件下において高速蛍光顕微鏡で観察することにより、組織全体の膜電位変動を細胞レベルで光記録し、時系列変化を検出する。これを、複数の臓器・組織について発生・発達過程の計測、また生理活性物質・毒性物質などの影響評価に利用する。

従来技術・競合技術との比較

膜電位イメージングは膜電位を多細胞から光測定し、細胞・器官の健康状態を高精度にモニタリング可能である。現在主流の電気生理学記録や膜電位感受性色素イメージングでは、組織への電極挿入および色素注入による生体への侵襲性や、測定する細胞腫の選択性などに課題があったが、本技術では非侵襲、生きたままで、特定の細胞種をターゲットとした測定が行える。

新技術の特徴

・非侵襲、生きたまま生体膜電位を測定可能、哺乳類動物実験の回避
・個体レベル、長時間、リアルタイム計測
・様々な細胞・器官に特化可能

想定される用途

・創薬スクリーニング(うつ、記憶障害、自閉症、神経変性等)
・病気の症状把握・治療
・漁業、農業、環境分野への展開(美味しい魚の育種開発、環境毒性評価)

  • 13:30~13:55
  • 創薬

6)ゲノム、エピゲノム編集による生体制御

群馬大学 生体調節研究所 ゲノム科学リソース分野 教授 畑田 出穂

新技術の概要

新技術1:dCas9とタグを組み合わせて標的遺伝子に多くの脱メチル化酵素と転写因子をリクルートすることにより特定遺伝子の転写活性化する技術
新技術2:Cas9、sgRNA複合体をエレクトロポレーションでマウス子宮内膜に導入することにより3か月で子宮体癌を発症させる技術

従来技術・競合技術との比較

新技術1:脱メチル化酵素と転写因子の相乗効果により脱メチル化酵素、転写因子単独と比較して大幅な転写活性化が可能。
新技術2:既存のKO技術では作製に数年を要したのに対して本技術では3か月で癌マウスを作製できる。

新技術の特徴

・特定遺伝子の大幅な転写活性化が可能(新技術1)
・癌マウス作製時間の飛躍的短縮(新技術2)

想定される用途

・エピゲノム編集治療、遺伝子スクリーニング(新技術1)
・抗がん剤in vivoスクリーニング(新技術2)
・創薬標的遺伝子in vivoスクリーニング(新技術2)

  • 14:00~14:25
  • 環境

7)微生物を活用した排水中ホルムアルデヒドの短時間分解

宇都宮大学 工学部 基盤工学科 応用化学コース 助教 奈須野 恵理

新技術の概要

本技術は、1 g/Lホルムアルデヒドを3時間以内に消失させる高分解活性新規微生物の菌体懸濁液あるいは菌体の乾燥粉末、菌体固定化担体等を用いて排水中に含まれるホルムアルデヒドを短時間かつ継続的に分解する手段を提供する。乾燥により微生物が死滅後も酵素のホルムアルデヒド分解活性は生菌体と同等に維持されている。

従来技術・競合技術との比較

化学・繊維工業、紙加工品製造業、病院等の排水中の高濃度ホルムアルデヒドは、殺菌力の高さから従来の生物学的除去法では長時間を要する。本技術は、既存の排水処理フローに当該微生物の乾燥粉末を定期的に外部添加する等の簡便かつ低コストな処理でホルムアルデヒドの短時間分解を実現する。

新技術の特徴

・ホルムアルデヒド分解活性を維持する新規微生物を用いて最小限の設備投資で排水基準をクリア
・菌体の乾燥粉末化による菌体の管理・輸送・取扱いが容易かつ長期保存可能
・高濃度ホルムアルデヒドの短時間分解処理により従来の希釈水の削減

想定される用途

・排水処理フローにおける乾燥菌体粉末の定期添加

関連情報

・展示品あり

  • 14:30~14:55
  • 医療・福祉

8)マクロファージ分極化識別センサー分子の開発と応用

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 准教授 鈴木 美穂

新技術の概要

マクロファージは自然免疫において機能する際、可逆的に分極化する。感染、ガン化した細胞への亢炎症状態惹起とその後の抗炎症状態への移行に必要となっている。この分極化が正常に機能せず、それが原因となる多数の疾病や老化との関連性が明らかになる一方、分極化判定の高感度で安価な方法が無いため開発を行なった。

従来技術・競合技術との比較

従来の分極化マーカー検出は蛍光標識抗体で行われている。抗体は変性への配慮が必要、感度が低く複数のマーカーの同時計測が必要、蛍光標識は高価である等の短所がある。本技術は蛍光タンパク質に検出部位を多価結合した為、感度向上による単一計測、また安価で安定なタンパク質であり、検出部位の変更も可能な長所を持つ。

新技術の特徴

・蛍光タンパク質の化学修飾加工技術に基づいている
・安価で比較的安定に(冷蔵)保存可能である
・生体成分に馴染みやすい

想定される用途

・体内の炎症状態の診断
・抗炎症/亢炎症薬開発
・マクロファージ関連疾病診断(ガン転移予測)

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

茨城大学 研究・産学官連携機構(日立オフィス)
TEL:0294-38-5005
Mail:iric アットマークml.ibaraki.ac.jp
URL:http://www.iric.ibaraki.ac.jp/

宇都宮大学 社会共創促進センター
TEL:028-649-5502
Mail:uu.cpsc アットマークcc.utsunomiya-u.ac.jp
URL:https://www.sic.utsunomiya-u.ac.jp/

群馬大学 産学連携・知的財産活用センター
TEL:0277-30-1173
Mail:innovation_4u アットマークml.gunma-u.ac.jp
URL:https://www.ccr.gunma-u.ac.jp/

埼玉大学 オープンイノベーションセンター
TEL:048-858-3849
Mail:oic-info アットマークgr.saitama-u.ac.jp
URL:https://www.saitama-u.ac.jp/research/coalition/coic/coic_about/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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