福岡大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年05月28日(火) 09:55~13:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、福岡大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
福岡大学 研究推進部 産学官連携センター センター長 太郎丸 眞
- 10:00~10:25
- 分析
1)細胞形質膜の脂質過酸化を可視化する
発表資料福岡大学 理学部 化学科 助教 岩下 秀文
新技術の概要
細胞を構成する生体膜の中で細胞形質膜(細胞膜)に限定して脂質の過酸化を可視化する低分子蛍光色素を開発した。脂質の過酸化に連動して、蛍光色素も酸化を受け赤色蛍光から緑色蛍光へと変化する。
従来技術・競合技術との比較
市販されている蛍光色素は、容易に細胞膜を透過し細胞内の全ての膜に関与する脂質過酸化を検知するため、どの生体膜由来の脂質過酸化かを区別することができなかった。本技術は、細胞形質膜に限定して膜中の脂質過酸化を可視化することを可能にする。
新技術の特徴
・細胞形質膜のみの脂質過酸化を検出
・正常な細胞膜と酸化損傷した細胞膜を見分ける
想定される用途
・蛍光試薬
・創薬スクリーニング
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- 医療・福祉
福岡大学 工学部 電子情報工学科 助教 橋本 浩二
新技術の概要
認知症者の危険行動(徘徊死亡等)のリスクは認知機能障害の重症度合いに深く関連していて、複数の尺度・指標により評価できます。本技術の目的は、監視対象者ごとに危険度を動的に判定のうえ徘徊等の問題行動を正確に検出し、監視対象者の現状を的確に特定し、それらの危険度に応じた正確な行動監視を実現することです。
従来技術・競合技術との比較
監視対象者の携帯型発信機の情報による徘徊状況監視技術、複数の中継機で形成される無線リンクのエリア内での発信機位置特定技術はすでに存在します。しかし徘徊などの危険度は刻一刻と変化する複雑な精神症状や心理状態などと関連しており、静的な情報だけからは正確・効果的に行動監視しにくいという問題があります。
新技術の特徴
・医療介護施設向けのアラートシステム、患者・入居者モニタリングシステム提案
・自治体、介護事業者、介護者への新サービス提案
・監視対象者に携帯させる送信機、屋内外の無線リンクシステムのハードウェア・ソフトウェアの技術提案
想定される用途
・医療・介護施設における認知症者の施設内危険行動・無断離院監視
・在宅高齢者の屋外徘徊行動監視
- 11:00~11:25
- 創薬
福岡大学 薬学部 薬物送達学 准教授 櫨川 舞
新技術の概要
本技術は、生分解する素材で作製した細胞支持体の上で細胞を培養する技術である。細胞支持体の上で培養が可能となることで、細胞シートを培養皿から剥離する工程が不要となり、細胞支持体と共に生体への細胞シートの移植も可能である。細胞支持体は自由な形状への成型が可能なため、多層シートだけでなく、様々な形状の組織片の作製も可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来技術の細胞シート作製培養皿は、温度を下げることで細胞シートを培養皿底面から剥離するが、すべての細胞には対応しない。一方で本技術は、培養フィルムの上で細胞を培養するため剥離の必要がなく、すべての細胞に対応できる。さらに、培養フィルムの厚みにより細胞シートの強度が増すことでピンセットを使用した操作性も向上する。
新技術の特徴
・細胞支持体を含めて体内に移植可能(培養皿からの細胞剥離が不要)
・支持体の表面で細胞培養が可能
・支持体の成形加工が可能(平面に制限されない)
想定される用途
・移植用細胞シート作製デバイス
・多層シート作製デバイス
・細胞増殖因子徐放デバイス
関連情報
・サンプルあり
- 13:00~13:25
- 分析
福岡大学 薬学部 薬品分析学 教授 吉田 秀幸
新技術の概要
常時正荷電を有するトリフェニルピリジニウム構造とカルボキシ基反応性のピペリジン構造とを併せ持つLC-MS用誘導体化試薬の開発に成功した。既存の誘導体化試薬よりも高感度なカルボン酸分析を達成し、食品試料中の微量有機酸計測も可能である。
従来技術・競合技術との比較
これまでに報告されている有機酸や脂肪酸を含むカルボン酸を対象としたLC-MS分析用誘導体化試薬の感度を凌ぐ新規試薬の創出に成功した。LC-MSによるカルボン酸分析の高感度化が可能であり、各種実試料中の微量有機酸及び脂肪酸計測への適用が期待される。
新技術の特徴
・カルボン酸を対象とした常時荷電誘導体化試薬を開発
・LC-MSによるカルボン酸の高感度分析が可能
・カルボン酸(脂肪酸や有機酸を含む)の微量計測へ適用可能
想定される用途
・実試料中有機酸の微量計測が可能
・実試料中脂肪酸の微量計測が可能
・カルボン酸構造を有する医薬品の高感度分析が可能
関連情報
・サンプルあり
- 13:30~13:55
- 材料
福岡大学 工学部 化学システム工学科 教授 三島 健司
新技術の概要
高圧流体として超臨界二酸化炭素ではなく、窒素や酸素、空気等を用い、容器内において、芯材粒子、熱可塑性樹脂、および高圧流体を高速に撹拌混合し、容器外に放出することにより、芯材粒子を高分子樹脂で被覆したマイクロメートルサイズの粒子を生成する。
従来技術・競合技術との比較
有機溶媒を用いて高分子マイクロカプセルを製造する方法は、広く用いられてきたが、有害な有機溶媒を使用しない方法が必要とされ、有機溶媒を用いない超臨界二酸化炭素法が注目されたが、さらに温室効果ガスを用いない方法が求められている。本方法はこれらの要求に合致した新規な方法である。
新技術の特徴
・芯材粒子を機能性高分子で被覆したマイクロメートルサイズの粒子を生成
・機能性高分子で被覆された薬剤などをpH応答などの外部刺激で放出
・有害な有機溶媒を使用しない
想定される用途
・薬剤経口投与
・工業用複合材料
・機能性健康食品
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
福岡大学 研究推進部 産学官連携センター
TEL:092-871-6631
Mail:sanchi adm.fukuoka-u.ac.jp
URL:https://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/
新技術説明会について
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