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ライフサイエンス ~医療系大学~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年11月19日(火) 10:00~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
     日本医科大学、滋賀医科大学、
     福岡大学、金沢医科大学、産業医科大学、
     東京科学大学(東京医科歯科大学)、
     関西医科大学、福島県立医科大学、久留米大学

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発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 創薬

1)二重特異性抗体を用いた標的組織へのピンポイント遺伝子導入法

日本医科大学 研究部 共同研究施設 分子解析研究室 助教 塩澤 裕介

新技術の概要

本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いる際に、標的抗原に対する抗体と抗AAVカプシド抗体をつなげた分子(二重特異性抗体)をターゲティング分子とすることで特異的遺伝子導入を実現する技術である。
これにより非標的組織での有害事象を回避できるとともに、本来はAAVの指向性が低い細胞種への遺伝子導入も可能になる。

従来技術・競合技術との比較

従来はAAVカプシドへの変異導入や、カプシドへの標的指向性分子の挿入が試みられてきた。前者は非標的細胞への取り込みを直接的には防いでいない。後者は利用できる標的指向性分子が限られており汎用性に劣る。本技術は非特異的な取り込みを抑制した上で、抗体という汎用性の高い標的指向性分子を利用できるようにする。

新技術の特徴

・抗体という膨大なレパートリーを有する標的指向性分子をAAVベクターで利用できるようにしたことで、幅広い細胞・組織に対する遺伝子導入が可能になる
・標的特異的な遺伝子導入が可能になることで、非標的組織での有害事象を避けることができる
・本来はAAVの指向性が低い細胞種への遺伝子導入にもすでに成功しており、AAVベクターの指向性を抜本的に改変することができる

想定される用途

・遺伝子治療
・生殖細胞への変異導入リスクを抑えた安全なin vivoゲノム編集
・免疫細胞へのin vivo遺伝子導入による免疫制御

関連情報

・サンプルあり

  • 10:30~10:55
  • 創薬

2)新生児低酸素性虚血性脳症に有効な新規ペプチド

滋賀医科大学 医学部 医学科 非常勤講師 全 梨花

新技術の概要

新生児低酸素性虚血性脳症は、分娩時の低酸素環境により発症し、脳性麻痺などに代表される神経学的後遺症の原因となる。我々は、炎症性サイトカインを産生し神経障害を誘発するM1ミクログリアを選択的にアポトーシスへ誘導する、新生児低酸素性虚血性脳症に対する効果的な新規治療用ペプチドを作出した。

従来技術・競合技術との比較

新生児低酸素性虚血性脳症に対しては、脳低体温療法が従来行われているが、呼吸循環状態の異常、脳浮腫やけいれんなどへの対症的な管理しか行うことができず、その効果は限定的である。脳性麻痺の発症頻度は1000出生に1〜3と、過去60年間変化しておらず、重篤な脳障害の発生を防止することができない。

新技術の特徴

・神経細胞障害性に働くM1ミクログリアに選択的に結合するペプチドと細胞にアポトーシスを誘導するペプチドを結合させた新規ペプチドである
・M1ミクログリア標的化アポトーシス誘導ペプチドは、M1ミクログリアを選択的に除去し、炎症性サイトカインの産生を抑制することにより、脳障害を改善する

想定される用途

・新生児低酸素性虚血性脳症の新規分子治療法である医療用医薬品
・M1ミクログリアを選択的にアポトーシスへ誘導する研究用試薬

関連情報

・サンプルあり

  • 11:00~11:25
  • 創薬

3)難治性がん治療のための短鎖ペプチドが導くがん指向性生分解ミセルの開発

福岡大学 薬学部 薬物送達学 助教 渡瀬 大輔

新技術の概要

本技術は核酸キャリアを想定したがん指向性生分解ミセルの開発である。がん指向性リガンド分子として、難治性がんに高発現するKDELRに強く結合するペプチドをデザインし、生分解ミセルの表面に配置するナノ粒子を設計した結果、高効率でのがん標的治療を可能にする粒子設計に成功した。

従来技術・競合技術との比較

本キャリアは、1)がん選択的細胞内取り込み、2)in vivoにおけるがん細胞集積性、3)ペプチド分子によるゴルジ小胞体への誘導によりリソソーム分解を回避できるため、高い治療効果が発揮される。LNPなどのPEG化が必要な既存キャリアと比較して、非PEGキャリアとしても低抗原性に優れている。

新技術の特徴

・安全素材を用いた核酸キャリア
・がん細胞選択的細胞内取り込み粒子
・リソソーム分解回避粒子(高いペイロードプロテクション)

想定される用途

・核酸医薬(難治性がん)
・標的細胞への遺伝子導入試薬
・抗がん剤内包粒子

  • 11:30~11:55
  • アグリ・バイオ

4)高速・高性能な生物標本透明化技術の多分野活用

金沢医科大学 医学部 解剖学Ⅰ 教授 八田 稔久

新技術の概要

従来法に比して短時間・低コストで組織破壊が少なく、かつ顕著に高い透明度を有する透明標本を作製する技術を開発した。しかも作業工程は極めてシンプルで、解剖等の熟練技術は不要である。本技術の時間短縮、低コスト化および簡便性は、医薬品開発現場における催奇形性試験を実に120年ぶりに刷新するものである。

従来技術・競合技術との比較

従来法での数日~数か月の所用時間を本法では数時間~数日以内と、大幅な時間短縮を実現した。また、近年開発された組織透明化試薬と比べてはるかに低コストで透明化が達成される。

新技術の特徴

・骨染色標本作製にかかる人的および時間的コストの飛躍的な削減
・脳を含むあらゆる臓器の透明化と免疫染色の組み合わせが可能
・透明化が容易ではない非脊椎動物の透明化・深部観察が可能

想定される用途

・薬剤の催奇形性試験
・臓器のハイスループット3次元解析
・外殻を持つ生物(甲殻類や昆虫)の内部構造を解剖せずに観察

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

  • 13:00~13:25
  • 医療・福祉

5)毛細管をつかった、極微量液体(5μL以下)粘度の簡便迅速な測定法

産業医科大学 産業医科大学 医学部 名誉教授 大野 宏毅

新技術の概要

毛細管をつかって極微量液体の粘度を測定する技術である。【粘度の測定】:液体試料(<5μL)を水平に設置した毛細管内に充填し、正負の圧力(±100Pa~±500Pa)を交互に加えて往復させる。毛細管に沿って配置した光センサーで運動を検出し、移動速度を求める。移動速度から粘度を算出する。【動粘度の測定】:毛細管を傾斜させれば試料は毛細管内を「落下」する。落下速度から試料の動粘度が算出される。最低部まで落下した試料は圧力を加えて押し戻し、測定を繰り返すことができる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術;超微量粘度計 RSM-MV1、およびEMS粘度計 EMS-1000 がある。前者は極微量高粘度液体の粘度測定では比肩するものがない。しかし測定の際、試料を容器に封じることができないため、感染の懸念のある生体試料の迅速測定には適さない。後者は試料を密閉容器に封じて遠隔測定する優れた方法であるが、サンプル量90μL以下の粘度測定には対応しない。

新技術の特徴

・極微量(5μL以下)液体の粘度を簡便迅速に測定することができる
・極微量(5μL以下)液体の動粘度を簡便迅速に測定することができる
・液体粘度の時間変化を、1分以内の時間分解で追跡することができる

想定される用途

・貴重・高価な薬剤等の粘度測定
・微量な生体試料(血液、唾液、その他)の粘度測定
・極微量(<5μL)血液をつかった血液凝固時間の測定

  • 13:30~13:55
  • 創薬

6)特定の脳細胞タイプにおいて任意遺伝子を発現させるためのベクター

東京科学大学(東京医科歯科大学) 大学院医歯学総合研究科 認知神経生物学 教授 上阪 直史

新技術の概要

本発明のアデノ随伴ウィルスベクターは、CDプロモータ、エンハンサー、microRNAを組み合わせることにより、複数の細胞種に対する特異性を備えている。
これにより、脳内の特定の細胞種にのみ遺伝子を導入することが可能となり、副作用を最小限に抑えつつ、効果的な治療を実現することが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

多くの脳疾患の原因脳領域として注目されている小脳で機能する新規細胞タイプ特異的な遺伝子ベクターである。

新技術の特徴

・多様な細胞種特異性:多様なCDプロモータをアデノ随伴ウィルスに搭載することで、特定の細胞種で選択的に遺伝子を発現させることが可能
・高い選択性:microRNAあるいはエンハンサーをCDプロモーターと組み合わせ、標的細胞種への高い選択性
・動物モデルで脳疾患の治療を確認

想定される用途

・脳疾患の治療
・免疫疾患の治療
・神経科学の基礎研究

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 創薬

7)ヒトiPS細胞由来代謝異常性肝疾患治療製剤の創出を目指した研究

関西医科大学 医学部 iPS・幹細胞再生医学講座 准教授 白水 泰昌

新技術の概要

ヒトiPS細胞由来肝幹細胞様細胞の樹立に成功した。本細胞は、xeno-freeかつ3つの因子のみで肝幹細胞マーカーを発現して長期継代可能であり、安全安価な細胞である。3つの因子の調整のみで容易に成熟肝細胞様細胞への分化も可能で、免疫不全マウスへの移植により肝臓内でのrepopulationも可能であることから、肝疾患に対する細胞治療製剤として期待できる。

従来技術・競合技術との比較

これまでに報告されているヒトiPS細胞由来肝細胞様細胞は初代肝細胞と同様、in vitroでの維持増殖が困難で時間の経過とともに細胞機能は低下し死滅してしまう。最近報告されるようになったヒトiPS細胞由来増殖性肝細胞様細胞は、培養に多くの添加因子が必要で、その維持増殖機構は不明である。本技術では作用機序が解明された3つの因子のみで生体肝と同じ幹細胞マーカーを発現し長期継代可能な安全安価な細胞供給が可能である。

新技術の特徴

・長期継代かつ凍結保存可能なヒトiPS細胞由来肝幹細胞様細胞
・xeno-freeかつ3因子のみで培養可能な安全安価な細胞
・成熟肝細胞様細胞へと容易に分化可能

想定される用途

・細胞移植
・薬剤スクリーニング
・疾患モデル作成

  • 14:30~14:55
  • 医療・福祉

8)嚥下内視鏡検査におけるAI診断補助システムの開発

福島県立医科大学 医学部 耳鼻咽喉科学講座 准教授 今泉 光雅

新技術の概要

深層学習の畳み込みニューラルネットワークを用いて、嚥下内視鏡検査のAI診断補助システムを開発した。嚥下内視鏡AI診断補助システムを導入することにより、不足する嚥下診療従事者に対して正確な嚥下内視鏡評価を促進し、フレイルや誤嚥性肺炎の予防・介入を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

嚥下造影検査に比較し、安価で購入可能。検査自体の安全性が高く、さらにベッドサイドや在宅に持ち運ぶことが可能で、検査実施場所を問わない。検査に伴う被曝の危険性もないため、繰り返しの検査が可能。しかしながら、内視鏡操作に伴う不快感や、検査者の技術や経験による検査結果の差異が生じやすい。

新技術の特徴

・誤嚥のみならず嚥下障害の診断が可能
・歯科医師等、非専門医へのAI自動診断による評価補助
・AIのプログラムであるためオンラインでの使用も可能

想定される用途

・非専門医の嚥下内視鏡評価の補助
・AIによる、誤嚥および嚥下障害の自動診断
・地域での嚥下内視鏡検査へのオンライン補助

関連情報

・デモあり

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

9)鎖骨骨折治療用の髄内固定金具の開発

久留米大学 医学部 整形外科学講座 講師 中村 英智

新技術の概要

本発明は鎖骨骨折の手術治療において、手術創が目立つことなく、簡単で、患者の負担が小さく、骨折部位を確実に固定して完全に治癒しうる鎖骨骨折治療用髄内固定金具を提供することである。本発明の髄内固定金具は可撓性材料から構成される屈曲自在の棒状部材からなり、一方の端部に固定部を備えた形状となっている。

従来技術・競合技術との比較

鎖骨骨折では現在、①保存的治療②プレート固定③キルシュナー鋼線による髄内固定が一般的に用いられている。しかしながら、①では偽関節、変形治癒の可能性があり、②ではプレート破損の可能性と、手術創が目立つことがあげられ、③では鋼線の逸脱、短縮転位の可能性がある。本発明の構造では、これらの問題点を克服できる。

新技術の特徴

・鎖骨骨折において、手術創が目立たず、違和感のない固定が可能となる
・スクリューで固定できるので、バックアウトすることがない
・鎖骨のみならず、上腕骨、尺骨、橈骨など細長い骨の固定に汎用性がある

想定される用途

・鎖骨骨折治療

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本医科大学 知的財産推進センター
TEL:03-5814-6637
Mail:nms-tlo アットマークnms.ac.jp
URL:https://tlo.nms.ac.jp/

滋賀医科大学 研究推進課産学連携係
TEL:077-548-2082
Mail:hqsangaku アットマークbelle.shiga-med.ac.jp
URL:https://www.shiga-med.ac.jp/

福岡大学 研究推進部 産学知財課
TEL:092-871-6631
Mail:sanchi アットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:https://www.sanchi.fukuoka-u.ac.jp/sangakukan/

金沢医科大学 研究推進課
TEL:076-286-2211
Mail:hrc-jimu アットマークkanazawa-med.ac.jp
URL:https://www.kanazawa-med.ac.jp/

産業医科大学 研究支援課 産学連携係
TEL:093-280-0532
Mail:chizai アットマークmbox.pub.uoeh-u.ac.jp
URL:https://www.uoeh-u.ac.jp/industryCo.html

東京科学大学(東京医科歯科大学)
統合イノベーション機構 オープンイノベーションセンター
TEL:03-5803-4736
Mail:tlo アットマークtmd.ac.jp
URL:https://tmdu-oi.jp/

関西医科大学 産学知財統括室
TEL:072-804-2328
Mail:sangaku アットマークhirakata.kmu.ac.jp
URL:https://www.kmu.ac.jp/

福島県立医科大学 医療研究推進課
TEL:024-547-1791
Mail:liaison アットマークfmu.ac.jp
URL:https://www.fmu.ac.jp/

久留米大学 研究推進戦略センター
TEL:0942-31-7916  
Mail:senryaku アットマークkurume-u.ac.jp
URL:https://www.kurume-u.ac.jp/joint/about/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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