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東京都立産業技術研究センター 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年02月04日(火) 13:25~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
     東京都立産業技術研究センター

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発表内容詳細

  • 13:25~13:30

開会挨拶

東京都立産業技術研究センター 理事 角口 勝彦

  • 13:30~13:55
  • アグリ・バイオ

1)細胞老化を抑制できる化粧品評価用培養系の構築

東京都立産業技術研究センター 機能化学材料技術部 バイオ技術グループ 
副主任研究員 干場 隆志

新技術の概要

表皮角化細胞の培養と脱細胞化技術を組み合わせることで、生体内環境を模倣した培養基板を作製しました。本培養基板により培養に伴う表皮角化細胞の細胞老化を抑制できました。また表皮角化細胞の機能も従来よりも高く発現しました。表皮角化細胞の化粧品成分への応答を長期にわたり評価できる培養系を構築できる可能性があります。

従来技術・競合技術との比較

これまではプラスチック培養基板を用いて培養されていましたが、本培養基板は生体内に含まれるタンパク質等から構成されています。従来よりも生体内環境に近い環境で培養できるようになるため、細胞老化を抑制でき、その結果、表皮角化細胞の角化機能を長期間、強く誘導できるようになりました。

新技術の特徴

・表皮角化細胞の長期培養
・表皮角化細胞の化粧品等に対する高い応答能
・生体内環境を模倣した培養基板

想定される用途

・組織修復まで評価できる安全性評価系
・生体内に近い応答の誘導による正確な有効性評価
・別の細胞種の培養への応用

  • 14:00~14:25
  • エネルギー

2)渦励振発電装置の低流速域における発電性能向上のためのワイヤを用いた機構の開発

東京都立産業技術研究センター 情報システム技術部 IoT技術グループ 
研究員 金 大貴

新技術の概要

本発明は、旗のはためきに関連した現象(渦励振)を利用した流体発電である渦励振発電に関連したものです。ワイヤによる圧縮軸力を構造に生じさせる簡易な機構で、発電可能領域の低流速側への拡大に成功しました。また、構造が単純なため低コストで、さらに筐体サイズを問わず渦励振発電装置の性能の拡大ができます。

従来技術・競合技術との比較

一般的な流体発電と比較し渦励振発電は発電性能では劣るが、回転機構がないためメンテナンスコストが低く、静粛といったメリットがあります。しかし、渦励振発電は低流速域での発電に課題がありました。本技術は、ワイヤを用いた機構で発電装置の固有振動数を低下させて、発電可能流速範囲の下限を約18%拡大しました。

新技術の特徴

・中空筐体の内部にワイヤを張り、軸力を生じさせる簡易な機構
・簡易な機構で梁状の構造物の固有振動数を低下させることが可能
・渦励振発電装置の低流速域での発電効率を向上

想定される用途

・再生可能エネルギーの電源(低騒音・省スペース・低コストな発電装置として太陽光パネルの影を落とさないよう建築物の屋上や屋根に設置)
・農地や牧場などで活用する環境発電装置(上記と同様の特性を生かして)
・山岳地帯や遠洋など電源が確保しにくい環境のIoTデバイスの電源(省スペース・低コストな電源)

  • 14:30~14:55
  • エネルギー

3)ZT>1を示す中温域用環境適合型リン系熱電材料

東京都立産業技術研究センター 技術支援部 計測分析技術グループ 
主任研究員 並木 宏允

新技術の概要

世界最高性能(2024年11月現在)の熱電特性 (無次元性能指数ZT > 1@450℃)を持つ、有害元素を含まないP型リン系熱電材料を開発しました。信頼性の高いデバイス作製に必要な特性が優れていることも見出しました。

従来技術・競合技術との比較

従来の中温域熱電材料に比べて、次のような優れた点があります。①PbやSb、Te、Seなどの有害元素を含みません、➁ヤング率や圧縮強度などの機械特性が優れています、➂線形な熱膨張特性により、温度サイクル下における熱電材料自身のクラック発生や金属電極の剥離がしづらくなっています。

新技術の特徴

・500℃以下で高い熱電性能を有し、有害元素を含まないリン系熱電材料
・熱応力や熱サイクル下に耐えうる優れた機械特性と熱膨張特性を有する
・熱電デバイス作製に向けて、ペアとなるN型熱電材料と金属電極の候補を提案

想定される用途

・工場や工業炉の排熱を用いた排熱発電
・自動車や船舶の排熱を用いた排熱発電
・IoTセンサ用自立電源

  • 15:00~15:25
  • 材料

4)1nm前後のシリカナノ空間を利用した機能性材料

東京都立産業技術研究センター 地域技術支援部 城南支所 
主任研究員 林 孝星

新技術の概要

1nm前後のシリカ細孔に有機分子を内包させ、通常の状態とは異なる性能を発現させる技術です。クエン酸を内包させ加熱すると蛍光体が得られることや、弱発光性分子の発光増強、内包分子の安定固定化といった新たな機能が発現することを確認しています。

従来技術・競合技術との比較

メソポーラスシリカはメソ孔を選択的に合成できますが、細孔径は2~50nmの範囲に限られていました。本技術の関連特許によるシリカ製法により有機化合物1分子と同等の大きさを持つ1nm前後の細孔径を選択的に合成できるようになったため、新たな機能を発現させることができるようになりました。

新技術の特徴

・容易に調製可能
・透明な多孔質材料内での光機能発現
・内包物質の新奇機能発現

想定される用途

・センシング機能を持つ吸着材、フィルター
・ナノサイズの鋳型・反応場
・レアアース不要(代替)の蛍光材料

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 15:30~15:55
  • アグリ・バイオ

5)室温で固化しない!嚥下をサポートする新たなゼラチン増粘剤

東京都立産業技術研究センター 地域技術支援部 食品技術センター 
副主任研究員 宇田川 孝子      

新技術の概要

食品添加物である酵素をゼラチンに作用させることで、広い温度範囲で半流動的な物性を示す溶液の作製に成功しました。この溶液は、嚥下機能が低下した方にも飲み込みやすい粘度を示します。このため、食品や医薬品を摂取・服用する手助けができる可能性があります。

従来技術・競合技術との比較

酵素架橋によってゼラチン溶液の性質を変化させる技術は従来から知られていましたが、温度低下により急激に固化する性質を打ち消すことはできませんでした。本発明では、新しい反応プロセスを採用することで、25~50℃の範囲では粘度変化が少なく、半流動性を示すゼラチン溶液の作製を可能にしました。

新技術の特徴

・25~50℃の範囲で半流動性が保たれるゼラチン溶液
・嚥下困難者にも飲み込みやすい物性を示すことができる
・食経験のある素材のみを用いて作製可能

想定される用途

・介護食用とろみ剤
・消化管造影剤

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京都立産業技術研究センター 企画部開発企画室
TEL:03-5530-2528
Mail:kaihatsu アットマークiri-tokyo.jp
URL:https://www.iri-tokyo.jp/

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