金沢大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年07月30日(火) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、金沢大学
協力:金沢大学ティ・エル・オー
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- アグリ・バイオ
金沢大学 新学術創成研究機構 教授 仁宮 一章
新技術の概要
コラーゲンといった培養足場となる動物由来の細胞外基質タンパク質を使用せず、ウシ筋芽細胞の凝集塊(スフェロイド)が持つ融合する能力を活用することで、配向性を有するウシ培養肉(三次元ウシ筋組織)の作製方法を開発した。配向性を有する筋線維の形成・肥大化が、大豆肉では生み出せない食感や歯ごたえを実現させるための鍵となる。
従来技術・競合技術との比較
従来技術:牛肉等、動物由来の足場タンパク質(コラーゲン、フィブリンなど)を使用して、配向性を有するウシ培養肉を作成していた。
本技術:一切の足場材料を使用せず、配向性を有するウシ培養肉を、細胞のみから作成する。
新技術の特徴
・大豆肉にない優れた歯ごたえの鍵となる、一方向に張力のかかった配向性を有する筋線維
・コラーゲン、フィブリンなどの足場タンパク質が不要
・細胞のみからなる培養肉
想定される用途
・食用培養肉
・薬剤評価用マイクロ組織
・移植用組織
- 14:00~14:25
- 機械
金沢大学 理工研究域 フロンティア工学系 教授 得竹 浩
新技術の概要
構造物の近傍を飛行するドローン等の小型の無人飛行体を、強風、突風などの環境下で安定に制御するための、風速・距離の測定装置に関する技術。音速が媒体速度に依存することを利用し、小型、簡易な構成で、正確な風速、距離の測定が可能となる。ロータ吹き降ろし速度、ロータブレード損傷の検出も可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来は受信した超音波の位相差や立ち上がりから超音波到達時間を計測して風速、距離を計算していた。乱れた風の中では波形が乱れ正確な検出は困難であった。本手法では、特徴的な波形を基準波形とマッチングする逐次的な手法を構築し、ロバストな超音波到達時間の計測が可能となった。
新技術の特徴
・小型、簡易な構成で、正確な風速、障害物からの距離の測定が可能
・ロータ吹き降ろし速度、ロータブレード損傷の検出も可能
想定される用途
・ドローンに搭載し、風速、障害物からの距離を測定
・ドローンロータの吹き降ろし速度計測
・ドローンロータブレードの損傷検出
- 14:30~14:55
- 製造技術
金沢大学 理工研究域 電子情報通信学系 教授 田中 康規
新技術の概要
本技術は、高温誘導熱プラズマ発生装置のコイルに印加する高周波電流に振幅変調を加えることにより、熱プラズマ内の温度場・流速場・反応場を制御して、高速で炭素膜(ダイヤモンドを含む)等を生成する、プラズマによる表面処理に関するものである。
従来技術・競合技術との比較
従来、誘導熱プラズマはガス温度が高く、反応性が高い一方で非処理物に照射する化学活性種の制御が難しいという問題があった。本発明によれば、試料表面の温度を所定の範囲内に維持でき、照射化学種を制御でき、効率よく表面処理を行える。
新技術の特徴
・誘導熱プラズマを変調することで熱プラズマ温度を制御し、化学活性種を制御
・電流の振幅変調に合わせガスも間歇導入することで、様々な場を提供できる
・多結晶ダイヤモンド生成、単結晶ダイヤモンド成長ができる
想定される用途
・多結晶ダイヤモンド生成
・単結晶ダイヤモンド成長
・DLC膜生成
- 15:00~15:25
- 環境
金沢大学 理工研究域 地球社会基盤学系 教授 本多 了
新技術の概要
自然界では分解されず海や土壌に堆積し、人体にも影響することが問題となっているPFAS(有機フッ素化合物)を効率よく除去・分解する技術。PFAS分解細菌を有機膜カプセルに封入して汚染水に投入する。有機膜によってカプセルの耐久性を向上させ、PFASの膜表面への吸着による除去とカプセル内部での生分解の二段階処理を一つのカプセルで行う。
従来技術・競合技術との比較
従来技術である水中のPFASに対して細菌を懸濁態として添加する方法では、外部からの微生物汚染に脆弱であった。PFAS分解細菌を生分解性ポリマーからなるカプセルに内包し、カプセルを有機膜でコーティングすることにより、PFAS分解細菌を長期間安定的に保持することを可能にした。
新技術の特徴
・有用細菌をカプセルに封入することで系内に安定的に保持
・6週間の撹拌試験に耐える十分な強度
想定される用途
・汚染水からのPFAS除去
- 15:30~15:55
- デバイス・装置
金沢大学 理工研究域 フロンティア工学系 教授 渡辺 哲陽
新技術の概要
本技術は、ウェアラブルデバイスやロボットハンドに使用することができる吸着・ブローイング(送風)装置兼荷重センサに関するもので、デバイスに流す空気の流量を制御することで、高流量時には吸着、低流量時にはブローイングとなり、その吸着・ブローイング能力は流量を変えることで連続的に変化させることができる。加えて、入力空気圧力値からデバイスに加わる荷重も推定できる。
従来技術・競合技術との比較
本デバイスは、吸着、ブローイング、荷重測定の三機能を兼ねる、これまでになかったデバイスである。柔らかく薄い素材で構成されているため、ウェアラブルデバイスとして機能出来る他、ロボットハンドの先端など様々なところで活用可能。
新技術の特徴
・デバイスに流す空気の流量を制御することで吸着・ブローイングの切り替えが可能
・荷重を同時に計測できる
・柔らかく薄い素材で構成されている
想定される用途
・ウェアラブルデバイス(衣服に組み込み型)
・ロボット表面のセンサ兼アクチュエータ
・エンドエフェクタ
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
金沢大学 研究・社会共創推進部 産学連携支援課
TEL:076-264-6176
Mail:titeki adm.kanazawa-u.ac.jp
URL:https://research-promotion.adm.kanazawa-u.ac.jp/co_research/kyoudou/kyoudou.html
金沢大学ティ・エル・オー
TEL:076-264-6115
Mail:info kutlo.co.jp
URL:https://kutlo.co.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
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