KISTECものづくり 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年01月21日(火) 09:55~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、
神奈川県立産業技術総合研究所
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
神奈川県立産業技術総合研究所 企画部 部長 櫻井 正己
- 10:00~10:25
- 材料
1)光で住みやすい環境をつくるトリプルポーラス光触媒
神奈川県立産業技術総合研究所 機械・材料技術部 ナノ材料グループ 主任研究員 小野 洋介
新技術の概要
酸化チタン光触媒とその製法に関する新技術。ミクロンサイズの穴を持つ”レンコン”に似た構造からなり、それを構成するナノ粒子が数nmのメソ孔と1nm以下のマイクロ孔を作る。多様なサイズの孔を持つ光触媒であり、さらに調湿性能も高い。ウィズ・アフターコロナにおいてニーズが高まると期待できる。
従来技術・競合技術との比較
ニオイ分子や菌などの幅広い大きさに対応する3種の孔(マクロ孔、メソ孔、マイクロ孔)を持つ製品はカーボンのみが知られている。私どもの技術では有機物を吸着するだけでなく光で分解するため、孔が埋まることなく永続的に使用できる。また、その独特な孔構造に起因した高い調湿性能を併せ持つダブル機能の新材料である。
新技術の特徴
・連結するミクロン~ナノサイズの3種の孔で吸着し光で分解する
・光触媒性能も調湿性能も高い
・Ti系試薬に水を吹きかけるだけで作製できる
想定される用途
・吸着だけでなく分解するトリプルポーラス材料として環境浄化(パンデミック対策にも)
・光触媒&調湿のダブル機能を持つ新材料として快適な住環境の維持
・オリジナリティ溢れる光触媒製品の開発(レンコンライク構造で視覚的にアピール)
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- 製造技術
2)有機-無機ハイブリッド材料を用いた微細パターン成型法とその架橋法
神奈川県立産業技術総合研究所 電子技術部 電子材料グループ 上席研究員 安井 学
新技術の概要
シルセスキオキサン(SQ)を溶解した高沸点溶剤を用いることで溶剤の揮発を抑え、スピンコート後にもSQの流動性を確保し、ガス透過性を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いた金型上のパターンをSQに転写する。そして、形成したSQパターンに電子線照射を行い、SQパターンの架橋を促進して、SQパターンの耐熱性を向上させる。
従来技術・競合技術との比較
ナノサイズの無機パターン形成では、フォトリソグラフィやUVナノインプリントにより、有機レジストパターンを形成し、このパターンをマスクに用いて、無機薄膜にドライエッチングを行い、無機パターンを形成する。そのため、工程が煩雑である。
新技術の特徴
・水素を官能基に持つHSQの代わりに、安定したメチル基を官能基に持つポリシルセスキオキサン(PSQ)を高沸点溶剤に溶かし、ナノインプリント材料に用いること
・HSQを用いた先行研究では、酸素プラズマや熱処理などでHSQを架橋させていたことに対し、成形したPSQパターンに電子線を照射して架橋させる
・一般的な無機ナノパターン形成法に比べて、工程数を大幅に削減できるため、カーボンニュートラルなどに寄与できる
想定される用途
・難エッチング材料に対するエッチングマスク
・モスアイ構造のような光学デバイス
・ナノ周期構造による親水性、疎水性などの機能性表面の付与
関連情報
・デモあり
- 11:00~11:25
- エネルギー
3)半導体複合材料を用いた光触媒効果による水分解からの水素生成
神奈川県立産業技術総合研究所 化学技術部 新エネルギーグループ 上席研究員 秋山 賢輔
新技術の概要
異なる禁制帯幅をもつ半導体が接合した微粒子や粉末に適当な化学ポテンシャルを有する金属を挿入させることにより、可視領域の光励起されたキャリアが酸化・還元反応に必要なポテンシャルを持ち、応答可能な光触媒機能を有する構造。
従来技術・競合技術との比較
光触媒効果には、発生した光励起キャリアが反応に必要なポテンシャルを持つ必要があるが、酸化チタンのようにバンド・ギャップが広く(約3.0eV)、伝導帯の対標準水素電極電位が水からの水素発生電位(0eV)より負電位側に位置し、価電子帯のそれが酸素発生電位(+1.23eV)より正電位側に位置しなければ酸化・還元反応が発現しない。
新技術の特徴
・微粒子及び板状のβ-FeSi2半導体材料と、金、銀及び銅の少なくとも1種の金属材料との複合材料であって、金属材料がβ-FeSi2半導体材料の表面及び内部に接触することにより、標準電極電位が半導体材料単独の状態からシフトすることを特徴とする。
・光触媒反応において、β-FeSi2半導体材料で発生する光励起電子が還元反応に寄与しこれと接合する酸化物や窒化物からなる半導体で発生する光励起正孔が酸化反応に寄与することを特徴とする。
・β-FeSi2半導体材料が、接合する酸化物や窒化物のからなる半導体の表面に島状に分散して接合することを特徴とする。
想定される用途
・有害有機物の分解
・水分解による水素生成
- 11:30~11:55
- 分析
4)電子顕微鏡観察用「高コントラスト包埋剤」の開発
神奈川県立産業技術総合研究所 川崎技術支援部 微細構造解析グループ 主任研究員 矢矧 束穂
新技術の概要
電子顕微鏡観察において微構造の可視化が困難な軽元素を主成分とする材料向けに「高コントラスト包埋剤」を開発した。本包埋剤はグラファイトや窒化ホウ素のような材料に効果を発揮し、内部へ含浸させた後、断面加工、検鏡を行うことにより、ミクロンからナノレベルにわたる詳細な評価が可能となる。
従来技術・競合技術との比較
材料の内部構造観察において樹脂包埋は一般的だが、電子顕微鏡のコントラストは試料の原子番号に依存しており、例えば、炭素を主成分とする樹脂にグラファイトを包埋した場合、明瞭なコントラストは得られない。高コントラスト包埋剤はこの点の改善を目的としており、従来よりも鮮明な観察が実現できる。
新技術の特徴
・電子顕微鏡評価技術の改善
・軽元素材料のイメージング技術改善
・新規包埋剤
想定される用途
・カーボンや窒化ホウ素などの微構造評価
・ナノパーティクル、ナノファイバーの評価
・触媒などの特性評価
関連情報
・サンプルあり
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