神戸大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年10月17日(木) 13:30~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、神戸大学
後援:株式会社神戸大学イノベーション
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 医療・福祉
1)アンケートデータからの交流ネットワーク解析
神戸大学 大学院理学研究科 数学専攻 教授 谷口 隆晴
新技術の概要
ウェルビーイングが注目される中、社会的つながりを評価する技術が求められている。しかし、実際に、誰と誰の間に交流があるのかを、個人名を挙げて調査することは難しい。本解析手法は、詳細なデータの収集や特殊なデバイスを不要とし、交流人数などの簡単なアンケートデータから、個人のパーソナリティとネットワーク中の状況・役割の関係を評価する。
従来技術・競合技術との比較
従来の方法では、交流時間を測定するための特殊な装置を必要としたり、実際に個人名を挙げてネットワークを構築する必要があるといった課題があった。一方、本技術は、匿名化されたデータのみで解析が可能である。例えば、仲の良い人の人数といった、簡単なアンケート程度で解析ができるため、解析のコストが非常に低く抑えられる。
新技術の特徴
・仲のよい人の人数といった程度の簡単なアンケートで交流の解析が可能
・回答者のパーソナリティなどの個人的な特徴とネットワーク中の状況などの関係が解析可能
想定される用途
・社会的つながりの中で中心となる人物の特徴の調査
・日頃の習慣などと社会的つながりの関係の調査
- 14:00~14:25
- 計測
2)無反射多層基板を用いた光学的精密計測
神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 服部 吉晃
新技術の概要
本技術は試料の表面を、一般的な光学顕微鏡とカメラを用いて、精密計測する手法です。試料を乗せる基板に特徴があり、光学設計された無反射多層基板を利用します。この基板の表面は光学的に非常に敏感なので50pm程度の凹凸を可視化できる他、表面の物理的・化学的変化を容易にイメージすることができます。
従来技術・競合技術との比較
極薄膜の膜厚計測や表面評価を行う従来技術として、X線や電子線を用いた分析や、原子間力顕微鏡、エリプソメーターなどがありますが、いずれの手法も簡便で安価な方法とは言えません。本手法はカメラのシャッターボタンを押すだけで、簡便に基板表面の状態を評価できます。
新技術の特徴
・ 特殊な装置や防振暗室環境が不要なので、大きな初期費用が不要
・ 顕微観察やリアルタイムの計測が可能
・ 無反射多層基板の最表面の材料は任意で、光学設計に自由度を有する
想定される用途
・ 基板表面の極薄膜の観察やボトムアップによるナノ構造体のリアルタイム観測
・ 微粒子などの選択的な表面吸着物を可視化
・ 基板表面の酸化・還元反応などの化学変化を可視化
関連情報
サンプルあり
- 14:30~14:55
- エネルギー
3)中間バンドを用いた昼夜に発電可能な熱放射発電素子
神戸大学 工学研究科 電気電子工学専攻 助教 原田 幸弘
新技術の概要
昼間に太陽光発電を、夜間に熱放射発電を同一の発電素子で実現できれば、太陽光発電の設備利用率の向上が期待できる。本技術では、中間バンドを介した2段階の遷移を用いることによって太陽光発電と熱放射発電の発電量の両立が可能であることを詳細平衡モデルを適用した数値計算によって明らかにした。
従来技術・競合技術との比較
既存のナローバンドギャップ半導体を利用した熱放射発電素子と比較して、中間バンドを利用することで太陽光発電と熱放射発電の発電量の両立が期待できる。太陽光発電と熱放射発電の発電量は素子面積に比例するため、SiやIII-V族半導体をベースとする熱放射発電素子は大面積化の観点からも優位性がある。
新技術の特徴
・中間バンドを介した2段階の遷移を用いることによって太陽光発電と熱放射発電の発電量の両立が可能
・中間バンドを用いることでホスト半導体のバンドギャップエネルギーを高く維持できるため、高温での熱放射発電が可能
想定される用途
・宇宙空間での発電素子
・工場排熱を再利用した発電素子
- 15:00~15:25
- 製造技術
4)コスト削減と安全性向上を実現する新しいサリチル酸の製造方法
神戸大学 大学院農学研究科 生命機能科学専攻 助教 姜 法雄
新技術の概要
本研究ではサリチル酸の製造において、高圧反応を必要とする従来法の代替として、常圧下で実施可能な新しい手法を提案する。とある試薬によって、反応コストを約8割削減し、従来の高価な試薬や複雑な設備を不要とするプロセスを開発した。本手法はスケールアップも容易で、高付加価値化合物であるカンナビジオール酸の製造に応用できる。
従来技術・競合技術との比較
本手法は従来反応に比べ、以下の点で優れている。まず、常圧下で実施可能なため高価な圧力容器が不要である。次に、とある試薬の使用により、原料コストを約8割削減し、従来の試薬よりも取り扱いが容易で、反応のスケールアップも可能である。また、複雑な精製プロセスを省き、全体のコストとリスクを大幅に低減した。
新技術の特徴
・サリチル酸の製造を、加圧反応装置なしで安全に実施可能である
・高価な試薬を用いず、実施コストを8割削減可能である
・大規模生産が可能で、精製にかかるコストと手間を低減
想定される用途
・医薬品・農薬・化粧品・機能性食品・サプリメント成分、あるいはそれらの候補物質の小~大規模製造
・多種多様なサリチル酸を用いた産・学における基礎・応用研究
・世界的な市場価値が高い酸性カンナビノイドの大量生産
関連情報
サンプルあり
- 15:30~15:55
- アグリ・バイオ
5)卵殻膜由来ペプチドによる腸内細菌叢の改善
神戸大学 大学院農学研究科 農学研究科生命機能科学専攻 助教 福田 伊津子
新技術の概要
卵殻膜には様々なタンパク質が含まれる。卵殻膜の酵素分解物にヒト腸内細菌叢構成を改善する効果を見出し、有効成分の分離を行ったところ、コラーゲンタイプX由来ペプチドに有用菌であるビフィズス菌と乳酸菌の増殖効果を確認した。また、卵殻膜分解物は、有害菌である大腸菌とフソバクテリウム菌の増殖抑制効果を示した。
従来技術・競合技術との比較
従来のプレバイオティクスとしては、例えば、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース等の糖類が多く、タンパク質由来成分にプレバイオティクス効果を見出した例は少ない。
新技術の特徴
・経口摂取による腸内細菌叢の改善
想定される用途
・サプリメントやドリンク等の飲食品
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
神戸大学 産官学連携本部
TEL:078-803-5945
Mail:oacis-sodanoffice.kobe-u.ac.jp
URL:http://www.innov.kobe-u.ac.jp/
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