高専 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2024年10月08日(火) 13:25~15:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、国立高等専門学校機構
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:25~13:30
開会挨拶
国立高等専門学校機構 執行調整役・理事⾧特別補佐 加藤 弘樹
- 13:30~13:55
- エネルギー
1)固体高分子型燃料電池カソード触媒高活性化に向けたイオン液体機能層の開発
国立高等専門学校機構 奈良工業高等専門学校 物質化学工学科 准教授 山田 裕久
新技術の概要
疎水性と酸素溶解度を制御し、燃料電池カソード触媒の活性を向上させる機能を持つホスホニウムイオン液体の開発。燃料電池触媒に含浸あるいは塗布することで触媒活性を向上させる機能層として使用することができる。
従来技術・競合技術との比較
触媒活性向上技術は長く、Ptナノ粒子の計上や組成、構造に議論が集中し取り組まれてきたが、本技術は外部環境を制御し、活性向上を実現する新しい技術となる。また、ホスホニウム型イオン液体またはホスホニウム型イオン性化合物がコーティングされたもの。一般的なアンモニウムよりも熱分解耐性が高く、電位窓が広いホスホニウムに注目している。
新技術の特徴
・イオン液体コーティング
・界面反応制御
・ナノリアクター
想定される用途
・PEFC
・電池材料
・電解
関連情報
・サンプルあり
- 14:00~14:25
- 計測
2)回転型永久磁石を磁界源に用いた鋼床版橋梁溶接リブき裂の渦電流探傷の技術開発
国立高等専門学校機構 鈴鹿工業高等専門学校 電子情報工学科 准教授 板谷 年也
新技術の概要
新たに回転する永久磁石を磁界源として渦電流を発生させる渦電流探傷試験システムを開発した。従来の交流励磁したコイルを磁界源とした渦電流探傷試験と比較した場合、同じ磁界の強さを達成するのに必要な電力消費を抑えることに成功した。この技術シーズを改良し、鋼床版橋梁の縦リブ溶接部の高所非破壊検査作業現場に持ち運び容易な電磁非破壊検査技術の実現を目指す。
従来技術・競合技術との比較
本技術を搭載した携帯型渦電流探傷機器は、軽量・コードレスで携帯可能にできる、時間・コストを要していた検査前処理が不要となる、2つの非破壊検査を1つの検査機器で行うこができることにより、鋼床版橋梁溶接リブき裂の非破壊検査を画期的に効率化・低コスト化できる。
新技術の特徴
・塗装膜を剥がすなどの検査前処理不要
・装置化した場合、装置の重量が軽量で、消費電力が小さい
・装置化した場合、コードレスで携帯可能である
想定される用途
・鋼床版橋梁溶接リブき裂の非破壊検査
・人が立ち入りにくい鋼構造物の点検診断
・水中の鋼構造物の点検診断
- 14:30~14:55
- 情報
3)公開気象情報等と機械学習による交通運行予測
国立高等専門学校機構 仙台高等専門学校 総合工学科 教授 園田 潤
新技術の概要
一般に公開されており誰でも利用可能なアメダスなどの気象データやその他オープンデータと、機械学習による電車や船舶など交通運行予測を提供する。ここでは例として、気象庁のアメダスやひまわりのデータを用いた離島定期船の運行予測について、1週間後の運行予測が週間天気予報と同程度の精度で可能であることを示す。
従来技術・競合技術との比較
AIなどを用いた公共交通の需要予測提供や、AI技術を活用した列車遅延予測などがあるが、運行情報の提供などはされておらず、本技術の提供により利用者には旅行計画の立案変更などの支援、また事業者には安全運行支援や利用者の利便性向上が提供できる。
新技術の特徴
・公開気象データ等の活用
・データ自動収集による機械学習と予測
・Webやアプリによる予測情報の提供
想定される用途
・鉄道バス船舶などの公共交通の運行予測
・タクシー配車乗務員割当支援
・飲食小売需要予測
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
・展示品あり
- 15:00~15:25
- アグリ・バイオ
4)リュウキュウ松抽出物による小児アレルギー抑制効果品の研究・開発
国立高等専門学校機構 沖縄工業高等専門学校 生物資源工学科 教授 池松 真也
新技術の概要
粘膜型マスト細胞を試験管内で再現することができたことでアレルギーの元となる物質で刺激した際にマスト細胞が活性化し、情報伝達物質であるヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が遊離する評価系が再現できた。また、その一つ前の工程である通常のマスト細胞を粘膜型マスト細胞に誘導した際に産生される「MCPT-1」というタンパク質を標的として設定することができた。この試験管内の評価系において、沖縄の生物資源を加えた際にMCPT-1の発現を抑えることができる生物資源が発見できた。
従来技術・競合技術との比較
アレルギーはアレルギーマーチと言われる過程を踏み、小児に発症すると年齢とともに重症化していく。現在までに、小児アレルギーの抑制に特化した素材の報告はない。
新技術の特徴
・液状だけでなく、粉末状にして「ふりかけ」のように扱うことも可能
・クロマツやアカマツの葉のように細胞障害性が強くない
・当該素材の作用機序について発現解析がなされている
想定される用途
・食品等への混入にて使用
・液性素材として飲料に混入
・噴霧して吸入
- 15:30~15:55
- 材料
5)トイレ用水や噴水などの雑用水を浄化するポルフィリン抗菌・抗藻剤
国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校 物質工学科 教授 廣原 志保
新技術の概要
我々のがん医療(PET,PDTなど)薬の知見をもとに、太陽光などの可視光で高い光殺傷効果を示すポルフィリンに水溶性と光安定性を付与した、ポルフィリン抗菌・抗藻剤を開発した。この材料は、市販の水槽用薬剤に比べて2倍以上のコケ抑制能を示した。
従来技術・競合技術との比較
従来法として、薬剤添加法、紫外線照射、オゾン処理、生物的方法が知られているが、生物への影響が高いため薬効を下げる、処理できる藻類が限定される、高額などの問題がある。競合技術としてアンチモンポルフィリンが知られるが、本開発薬剤の色素骨格の方が非常に高い光殺傷効果があることがPDTの研究ですでに報告されている。
新技術の特徴
・太陽光、室内光だけで高い抗菌・抗藻能を示す
・生体適合性・安全性が非常に高い(医療薬にも利用可能)
・一定期間後は分解する
想定される用途
・噴水などの雑用水や使用期間外でのプールの抗菌・抗藻
・水槽の抗菌・抗藻
・災害時の排水(トイレ)の除菌
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
国立高等専門学校機構 本部事務局研究推進課研究支援係
TEL:03-4212-6821
Mail:kenkyu-sien kosen-k.go.jp
URL:https://www.kosen-k.go.jp/
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