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日本大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年12月24日(火) 10:00~14:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、日本大学

発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 情報

1)事前パラメータ―調整・繰り返し計算不要なパターン認識器構築法

日本大学 理工学部 応用情報工学科 教授 保谷 哲也

新技術の概要

本技術は従来の深層学習手法とは異なり、人工ニューラルネットワークにおける事前パラメーターの調整およびネットワークパラメーターの繰り返し計算が一切不要な、訓練データのみ与えれば自動的にパターン認識器として機能するネットワーク生成が可能となるアルゴリズムである。

従来技術・競合技術との比較

従来の深層学習ではネットワークパラメーターの繰り返し計算や試行錯誤的な事前ハイパーパラメーター調整が伴い、何かしらの目的を達成するためには多大な時間と労力が必要であった。本技術ではそれらが一切不要となり、かつ、追加学習やアンラーニングといった従来の深層学習法では困難であったタスクも容易に行える。

新技術の特徴

・低コスト(繰り返し計算・事前パラメーターの調整が不要)
・追加学習およびアンラーニングタスクが容易に行える
・通常のパターン認識のみならず広く知的情報処理の基盤となり得る手法

想定される用途

・人工知能(AI)が用いられるような用途全般

関連情報

・デモあり

  • 10:30~10:55
  • 創薬

2)仮想のパーソナルデータや臨床データを生成するAIとその応用

日本大学 理工学部 応用情報工学科 助教 関 弘翔

新技術の概要

本物のデータを学習することで、本物と同様の特性を持った、実在しない仮想のデータを生成するAI技術である。少数のデータから、その性質を表す特徴を抽出することで仮想データの制御を実現している。さらに経時的な薬物血中濃度を予測するAI技術を開発しており、血中濃度予測AIへの仮想データの応用を実現している。

従来技術・競合技術との比較

従来は観測されているデータからブートストラップリサンプリングにより仮想被験者を生成する取り組みがなされるが、観測されていない被験者、存在しないデータを生成することはできない。競合技術では、生成する仮想データの性質や特徴を制御する際にAIの再学習が必要となるが、本技術は再学習を不要とした。

新技術の特徴

・本物と同様の性質を保持した、実在しない仮想のデータを生成できる
・参照となる少量データと似た性質を持つ、実在しない仮想のデータを生成できる
・経時的な薬物血中濃度の推移を予測することができる

想定される用途

・パーソナルデータにおける匿名化処理の代替やデータ共有の実現
・機械学習、深層学習における学習データ増強
・医薬品開発

  • 11:00~11:25
  • エネルギー

3)風による複数平板の振動を利用したエネルギー回収システム

日本大学 理工学部 土木工学科 准教授 長谷部 寛

新技術の概要

風の中に複数の平板振動子を直列に近接配置し、それらに生じるフラッター振動から風によるエネルギーを回収するシステムを構築しました。振動する平板を圧電素子に接触させて発電する仕組みで、コンパクトで都市内への設置を想定して開発しています。

従来技術・競合技術との比較

従来のプロペラ型の風車は、その後方に乱れた気流が形成され、その中では発電効率が大幅に低下するので、風車の近接配置が難しいという課題を有していました。新技術は、物体の背後に形成される気流を逆に利用し、乱れた風の中でも振動する現象を利用しており、発電デバイスの近接配置が可能です。

新技術の特徴

・風による物体の振動を利用した発電
・複数の振動子およびデバイスを風の中に近接配置できる発電
・圧電素子を活用した接触発電

想定される用途

・建物内の通風ダクト内
・地下鉄駅舎内
・建物ピロティ

関連情報

・デモあり

  • 11:30~11:55
  • 機械

4)翼端流れの改善と静圧回収によるヒートポンプ用薄型・高性能ファン

日本大学 理工学部 機械工学科 教授 鈴木 康方

新技術の概要

従来とは全く異なるコンセプトで広範な設計パラメータの探索に基づくファン設計(軸流多翼ファン・翼端渦の制御・静圧回復による性能向上)を実施し、軸動力削減、風量増加を達成する、省エネ・省スペースに適した高性能ファンを提供する。

従来技術・競合技術との比較

ヒートポンプ室外機用ファンには羽根枚数2〜4枚のプロペラファンが用いられているが、羽根車の多翼化とリングファンとすることで、翼端流れを改善するとともに薄型化を実現する。薄型化することで、筐体内での設置自由度が増加し、筐体の小型化が可能であるとともに、従来にはないディフューザの設置による静圧回収に伴う高性能化も実現できる。

新技術の特徴

・従来の設計パラメータの範囲を超えた設計により、同一回転数におけるファン風量の増加、あるいは風量を維持した場合はファン動力と騒音の低下が可能。
・羽根車の多翼化、リングファンで翼端流れを改善しつつ、薄型化を実現。薄型化で空いた空間にディフューザを設置し、静圧を回収。
・薄型化したファンを筐体内に斜めに設置すれば、筐体寸法に対して相対的にファン径を大きくできる。ファン径が大きくなると、同一風量で風速が下がるため、ファン動力と騒音を低減できる。

想定される用途

・ヒートポンプ給湯器や空気調和機の室外機の高効率化、低騒音化。将来的には室内機にも適用可能
・特に、寒冷地や単身世帯、既設建築等の狭小スペースへのヒートポンプやエアコン暖房の拡大が期待できる
・電子機器(プロジェクター、サーバー等)の冷却用ファン

  • 13:00~13:25
  • 製造技術

5)高耐食性・高靭性単結晶皮膜

日本大学 工学部 生命応用化学科 教授 上野 俊吉

新技術の概要

クラックのない共晶凝固皮膜の新たな成膜手法を開発した。
クラックのない超高融点共晶皮膜を基材に付与することができる。
基材と皮膜材料との化学反応を制御することにより、基材と一体化した保護皮膜を制御できる。
基材としては、酸化物セラミックス、非酸化物セラミックス、金属のいずれにも応用できる技術である。
高速での成膜手法が確立しつつある。

従来技術・競合技術との比較

下記の項目が、従来技術・競合技術にない新たな技術である。
・クラックのない皮膜である
・粒界ガラス相のない皮膜である
・超高融点、高断熱性の皮膜である
・応力を分散させた共晶組織を有する皮膜である
・レーザを用いることにより超高速成膜が可能になった技術である

新技術の特徴

・半導体分野 材料を溶融して界面相を有さないヘテロ結合界面が実現できる
・製鉄分野 現在使用されているCaZrO3ノズル材等のさらなる耐久性向上
・鋼管分野 海底仕様の鋼管材の表面処理

想定される用途

・超高温域での高耐食性・高断熱性皮膜
・現在使用されている耐食性材料の表面処理
・腐食環境下に長時間晒される材料の表面処理

関連情報

・サンプルあり

  • 13:30~13:55
  • デバイス・装置

6)2D層状物質のスパッタ法による堆積とCMOS化技術の開発

日本大学 生産工学部 電気電子工学科 教授 清水 耕作

新技術の概要

層状物質として知られる硫化モリブデン(MoS2)をスパッタ法にて作製した。スパッタで作製した場合は、通常はn型になるが、水素をイオン注入を行うことにより容易にn型に変換することができる。これによって、CMOS化が容易に行える。しかもこの材料は、移動度が高く、ディスプレイの周辺駆動回路にまで応用できると考えている。

従来技術・競合技術との比較

大面積ディスプレイは、歴史的にアモルファスシリコンが用いられてきたが、In-Ga-Zn-Oに代表される酸化物が製造の簡便さと高い移動度をもつ材料であることから世界中で開発された。しかし、p型の材料は困難であった。一方、層状物質は、p型、n型を作製することが容易であることに加え移動度も酸化物半導体より高い60cm2/Vs を容易に製造することができる。

新技術の特徴

・大面積デバイス
・オペアンプ、小規模マイコン

想定される用途

・LCD、OLED大面積ディスプレイ
・太陽電池
・携帯電話用高精細ディスプレイ

  • 14:00~14:25
  • 創薬

7)抗体医薬に代わる治療ワクチンーがん免疫療法やアレルギーの治療への応用

日本大学 歯学部 客員教授 鍔田 武志

新技術の概要

治療標的となる分子への抗体を産生することで、抗体医薬と同等の治療効果を発揮するワクチンを開発した。このワクチンでは、トキソイドと多糖の1つデキストランを担体として用い、標的分子由来の短いペプチドをコンジュゲートしたもので、標的分子の特定の部位への多量の抗体産生を誘導することができる。PD-L1やIgEなどを標的とすることで、がん免疫療法やアレルギー疾患の治療薬となる。

従来技術・競合技術との比較

抗体医薬は種々の疾患の優れた治療薬となってきたが、高価であり、生命予後の良い疾患では必ずしも幅広い患者に用いることができない。また、標的分子への抗体産生を誘導する治療ワクチンの開発も行われているが、動物実験でも抗体医薬に匹敵する抗体産生を誘導できるワクチンの作製はまだ報告されていない。

新技術の特徴

・標的分子の特定の部位への多量の抗体産生を誘導できる
・製造方法は簡単で、安価で製造できる
・免疫チェックポイント分子PD-L1を標的とすることで、がん免疫を誘導できる

想定される用途

・がん免疫療法
・アレルギー疾患の治療薬
・感染症ワクチン

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本大学 産官学連携知財センター
TEL:03-5275-8139  
Mail:nubic アットマークnihon-u.ac.jp
URL:https://www.nubic.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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