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自然科学研究機構 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年01月21日(火) 13:30~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、自然科学研究機構

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発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • 計測

1)物質表面への熱負荷の計測手法

自然科学研究機構 核融合科学研究所・研究部 構造形成・持続性ユニット 教授 長壁 正樹

新技術の概要

物質表面への熱負荷の計測手法を、表面近傍の物質内の温度変化から評価手法を開発した。本手法は物質内の1箇所の温度を計測することで熱負荷の評価が可能であることが特徴である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、熱負荷評価に2箇所以上の温度計測、或いは物質表面そのものの温度計測を必要とするが、本手法は物質内部1箇所の温度計測で表面熱負荷の評価が可能。また、2箇所以上の温度計測点を用いる従来法にくらべて、評価された温度の時間遅れや振動が少ない。

新技術の特徴

・物質内部の温度変化を計測するので、熱負荷が照射された表面の温度計測が出来ない場合においても物質表面の熱負荷評価が可能である

想定される用途

・表面温度を直接計測することが困難な航空機などの表面における熱負荷の評価
・内燃機関のシリンダーや、るつぼ等の内表面における熱負荷の評価

関連情報

・サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • アグリ・バイオ

2)昆虫の感覚受容体を刺激する忌避剤の同定と作用解析

自然科学研究機構 生命創成探究センター 温度生物学研究グループ 准教授 曽我部 隆彰

新技術の概要

昆虫が侵害的な刺激を感知するのに必要なセンサーを忌避剤の新たな標的分子として設定してセンサーを活性化する新規化合物を探索し、嗅覚・味覚・侵害刺激受容のセンサーに作用してショウジョウバエ個体に強い忌避をもたらす複数の化合物を同定した。

従来技術・競合技術との比較

従来忌避剤として用いられてきたDEETやイカリジンは嗅覚受容体に作用するのに対し、本技術で明らかにした化合物は侵害的な刺激のセンサーであるTRPチャネルに作用する。げっ歯類のTRPチャネルを標的として既に製品化されているが、昆虫類では前例がない。

新技術の特徴

・本技術の化合物は昆虫の味覚や侵害刺激受容神経のTRPチャネルに作用する
・TRPチャネルは幅広い昆虫に保存されていることから、汎用的な忌避剤の開発に利用できる

想定される用途

・昆虫を対象とした設置型の忌避剤(家庭用、農作物、蚊よけなど)

  • 14:30~14:55
  • デバイス・装置

3)ナノ領域の物性の評価・計測ができる電子分析装置

自然科学研究機構 分子科学研究所 極端紫外光研究施設 特任研究員 松田 博之

新技術の概要

一連の新技術は、主に、電子分光装置の対物レンズまたはエネルギーアナライザーに用いられ、大きな取り込み角と高い収束性能をもたらし、先端デバイス・材料開発で重要になるナノ領域の物性の評価を効率的に行うことを可能にするものである。また、装置の小型化・低コスト化にも貢献できる技術となっている。

従来技術・競合技術との比較

新技術の静電レンズは、従来は±10°程度の取り込み角を±50°程度まで広げることができ、さらに、カソードレンズを用いると、原子構造解析が行われるエネルギー領域で±90°の取り込み角が可能になる。新技術のディスプレイ型アナライザーは本体部分が手のひらサイズとコンパクトなことが、新技術の同軸円筒型アナライザーはグリッドを用いないことが大きな特徴となっている。

新技術の特徴

・ ±50°程度の取り込み角が可能
・ カソードレンズを用いると±90°の取り込み角が可能
・ スピン検出器と組み合わせて3次元スピンの測定が可能

想定される用途

・ 光電子分光装置、オージェ電子分光装置
・ 光電子回折装置、オージェ電子回折装置、電子線回折装置
・ 3次元スピン解析装置

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

4)運動皮質活動に基づく脳深部刺激療法によるパーキンソン病の新規治療法

自然科学研究機構 生理学研究所 行動・代謝分子解析センター 助教 知見 聡美

新技術の概要

進行期のパーキンソン病の患者さんに対する治療法として、手術により脳深部に電極を埋め込み電気刺激をするという「脳深部刺激療法 (DBS)」が有効である。今回開発した技術は、運動指令を出す働きを持つ大脳皮質一次運動野の神経活動をモニターし、それに基づいて刺激強度や頻度をコントロールする「適応型DBS」である。

従来技術・競合技術との比較

従来の方法では24時間同じ強度と頻度で連続的に刺激を行うが、今回開発した技術では、必要タイミングで効果的な刺激を加えるメリハリをつけた刺激方法を採用している。消費電力は従来型の約2/3と小さいためバッテリー寿命が長く、パーキンソン病の症状改善効果も優れている。

新技術の特徴

・消費電力が小さいため、バッテリー寿命が長い
・脳活動をモニターする領域と刺激する領域が異なるため、ノイズの影響が少ない
・症状改善効果が高い

想定される用途

・パーキンソン病の治療
・そのほか運動異常症の治療

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

自然科学研究機構 事務局研究協力課
TEL:03-5425-1325
Mail:nins-sangaku アットマークnins.jp
URL:https://innovation.nins.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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