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沖縄科学技術大学院大学(OIST) 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2024年06月27日(木) 10:00~13:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、沖縄科学技術大学院大学

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発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 材料

1)発光性色素とポリマーの混合フィルムによるトライボルミネッセンス

沖縄科学技術大学院大学 錯体化学・触媒ユニット スタッフサイエンティスト 狩俣 歩

新技術の概要

一般的な蛍光・燐光性色素を、ポリアクリレートやポリスチレンなどの樹脂に混合し、その表面を摩擦すると発光することを見いだした。この発光性色素を含有したポリマーフィルムにカバーを被せ、その上から擦った場合にも発光することが分かった。

従来技術・競合技術との比較

本手法は、Eu ドープアルミン酸ストロンチウムや金属ドープ硫化亜鉛などの既知のトライボルミネッセンス材料を使用せず、一般的な有機色素とポリマーの混合により、摩擦発光材料の作製を可能にする。そして、色素の結晶相形成を要せず、色素固有のトライボルミネッセンス特性に依存しない汎用的な方法である。

新技術の特徴

・一般的な蛍光色素とポリマーを混合する、あるいは色素をポリマー表面に塗布するだけで、摩擦により発光する材料が作製可能
・カバーフィルムを色素含有ポリマーフィルムに被せ、その上から擦った場合にも発光する(= 一般的な発光性色素に、直接物理的損傷を与えることなく、光を放出する)

想定される用途

・機械の部品等の摩擦や損傷過程を発光で捉える技術の開発
・エンターテインメント用途の摩擦発光塗料
・摩擦帯電および静電気の検出

  • 10:30~10:55
  • 医療・福祉

2)人工冬眠技術を利用した脳疾患の治療

沖縄科学技術大学院大学 記憶研究ユニット 准教授 田中 和正

新技術の概要

てんかんやアルツハイマー型認知症に代表されるような脳疾患の多くは、分子・細胞・脳細胞ネットワークに跨る多階層的な異常を伴い、その影響は複数の脳領域に及ぶ包括的なものである。そのような治療対象限定の難しさを内包する疾患に対して、本発明では人工冬眠技術を利用することで脳機能をリセットし、脳疾患を治療ないしはその症状の改善をする。

従来技術・競合技術との比較

人工冬眠は近年開発された技術であり、冬眠という現象には多くの謎が残されている。冬眠中の脳では神経活動が停止しその構造が再編成されることから、てんかんモデルマウスを人工冬眠させたところ、覚醒後にその悪化が大きく遅れるという予備知見を得た。薬剤投与時のみ症状を抑える従来の一般的な治療法とは異なり、脳の状態を未病に近い状態に戻すという点において画期的な試みである。

新技術の特徴

・非冬眠動物における冬眠誘導
・冬眠から覚醒後の脳疾患治癒ないしは症状の緩和

想定される用途

・てんかん治療ないしは症状の緩和
・認知症治療ないしは症状の緩和
・加齢に伴う脳機能低下の緩和

  • 11:00~11:25
  • 材料

3)ナノグラフェンにおける蛍光回復

沖縄科学技術大学院大学 有機・炭素ナノ材料ユニット 准教授 成田 明光

新技術の概要

顕微鏡で用いられる蛍光体は、繰り返し励起されると退色する傾向にあります。これは特に、超解像STED(誘導放出抑制)顕微鏡において、イメージングの質に制約を与える問題です。本発明においては、蛍光体としてナノグラフェンを用いることで、蛍光退色後も特定の刺激により完全に回復させることを可能とします。

従来技術・競合技術との比較

従来の蛍光体は退色しやすく、STED顕微鏡を使用した高解像度や長期間にわたる3Dイメージングにおいて課題をもたらしていました。この問題は退色防止剤の使用によってある程度解消することができましたが、これはイメージング環境の選択を限定する原因ともなっていました。本発明は、こうした退色防止剤を必要とせず、長期間にわたる安定した使用が可能です。

新技術の特徴

・何度でも蛍光回復可能
・退色防止剤不要で、PBS等の通常のバッファ中で使用可能
・長期保存安定性

想定される用途

・誘導放出抑制(STED)顕微鏡
・In vivoイメージング、トラッキング
・イメージングやフローサイトメトリーのキャリブレーション

  • 11:30~11:55
  • 創薬

4)アルツハイマー病治療薬としての小型ペプチド

沖縄科学技術大学院大学 シナプス生物学ユニット スタッフサイエンティスト 
タウフィック ザカリ

新技術の概要

アルツハイマー病は、記憶、認知、行動に影響を及ぼす進行性の神経変性疾患ですが、現在のところ有効な治療法はありません。私たちは、異常タウ蛋白に関連したアルツハイマー病治療薬の候補として、非侵襲的投与が可能な小型ペプチド(PHDP5)を開発しました。PHDP5は、微小管(MT)とダイナミンとの相互作用を阻害し、タウオパチーモデルマウスにおける学習・記憶障害を回復させます。

従来技術・競合技術との比較

現在タウを標的とする創薬には抗体を用いるものが少なくありませんが、抗体は分子量が大きく血液脳関門(BBB)を容易に通過することができません。このため、高用量となり、副作用のリスクが高まります。PHDP5は分子量が小さく(3.5kDa)、6ヶ月齢マウスに経鼻投与したところ海馬に到達し、認知機能障害が改善しました。

新技術の特徴

・特定の標的:PHDP5はMT-ダイナミン相互作用を標的とし、シナプス機能を回復させます
・分子量が小さく、経鼻投与によってBBBを通過し、全身への曝露と副作用が軽減されるなど、高効率の薬物送達が可能

想定される用途

・アルツハイマー病に伴う認知機能低下の治療薬候補
・他のタウオパチーやパーキンソン病における認知機能障害の治療薬候補

  • 13:00~13:25
  • デバイス・装置

5)国内でも製造可能な先端半導体向けEUV露光装置の提案

沖縄科学技術大学院大学 量子波光学顕微鏡ユニット 教授 新竹 積

新技術の概要

単純な光学系により、低価格、低消費電力ながら先端半導体に求められるナノメートル線幅のパターンを実現するEUV露光装置の新規技術。特にEUV光源に求められる光の強度を10分の1まで下げる事が可能となった。これにより消費電力の少ないSDGsに適したEUV露光装置が実現する。

従来技術・競合技術との比較

現在までのEUV露光装置は、オランダASML社のみが製造可能であり消費電力が1MW、価格が1台500億円以上という高額な装置であった。OISTが提案する新規技術は、消費電力が10分の1の100 kW程度、価格は推定で現行のArF露光装置の2倍程度200億円前後となるだろう。なお被写界深度が長いため、ウエハの高さアライメントや平坦度に対する要求レベルが下げられ運用が容易となり生産性が向上する。

新技術の特徴

・光学系がシンプル(製造が容易、コストダウン、メンテナンスが容易)
・EUV光源の技術が容易(出力パワーが従来の10分の1となる)
・高いコントラストが保証される(軸対称光学系のため、シミュレーションが高精度)

想定される用途

・EUV露光装置
・教育訓練用EUV露光装置
・周辺機器(EUV光源、マスク製造、スキャン制御)の試験用のEUV露光装置

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

沖縄科学技術大学院大学 OIST Innovation 技術移転セクション
TEL:098-966-8937 
Mail:tlsアットマークoist.jp
URL:https://groups.oist.jp/ja/innovation/licensing-opportunities

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