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大阪大学 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年01月30日(木) 10:00~14:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、大阪大学

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発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 計測

1)圧縮センシングを活用した超省電力センサー~バッテリーレスセンサーの実現を目指して~

大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報通信工学専攻 准教授 兼本 大輔

新技術の概要

圧縮センシングの数理を活用し、信号品質を保ちながら、信号圧縮によって回路の超省電力化を実現する技術を開発しました。例えば、この技術を脳波信号のセンシングに応用した結果、消費電力を7割以上削減することに成功しました。さらに、熱電発電素子から得られるわずかな電力のみで、脳波のディジタル化から伝送までバッテリーレスで実現可能であることも実機で確認しています。

従来技術・競合技術との比較

超省電力化により、小型バッテリーでの長時間動作が可能になるだけでなく、従来は困難だったソーラーパネルや熱電発電など微小な電力を利用したバッテリーレスセンシングの可能性も広がりました。これにより、従来難しいとされてきた小型・軽量で半永久的に動作するウェアラブルデバイスやインフラモニタリングシステムの開発が期待できます。

新技術の特徴

・圧縮センシング
・省電力
・バッテリーレス

想定される用途

・活動計(脳波計,心電図計など)
・故障検知や構造ヘルスモニタリング(工場設備や自動車、橋梁などの点検)
・自立分散型センサネットワーク(地滑り検知や畜産・農場管理など)

  • 10:30~10:55
  • 情報

2)振動駆動リザバー計算による軽量・高精度な時系列の予測と汎化

大阪大学 先導的学際研究機構 共生知能システム研究センター 准教授 河合 祐司

新技術の概要

リザバー計算は、出力(リードアウト)層の重みのみを学習パラメータとする軽量なリカレントニューラルネットワークです。このネットワークに振動信号を入力することで、より高精度な時系列予測とその汎化を可能にする技術を開発しました。この技術を用いて、カオス時系列の予測やドラム演奏の生成に成功しています。

従来技術・競合技術との比較

従来のリザバー計算で複雑な時系列を学習すると、その出力は元の時系列からずれていってしまいます。本技術を用いることで、そのずれが抑えられ、高精度な時系列予測が可能になります。また、未学習の時系列を予測する際の汎化性能が向上することも明らかにしています。

新技術の特徴

・時系列の高精度な再現
・時系列に対する優れた汎化性能
・学習コストが低いため、エッジコンピューティングが可能

想定される用途

・プラント等のソフトセンサ
・異常検知
・音楽生成

関連情報

デモあり

  • 11:00~11:25
  • 製造技術

3)電流経路制御による低入熱・高精度なワイヤ・アーク造形プロセス

大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻生産科学コース 准教授 荻野 陽輔

新技術の概要

金属ワイヤと基材を相対して配置し、金属ワイヤを囲うようにタングステン棒を複数本配置する。金属ワイヤとタングステン棒の間でアークプラズマを発生させてワイヤを溶融し、電磁気力によって基材上へと射出し堆積させることで3次元的な構造物を作製できる積層造形プロセスである。

従来技術・競合技術との比較

金属ワイヤと基材の間でアークプラズマを発生させる溶接プロセスをベースとする積層造形プロセスに対して、タングステン棒を配置しそれに電流経路を矯正することにより、金属ワイヤの溶融量を確保しながら溶融ワイヤの挙動を安定化し基材への入熱量を低減させることができる。

新技術の特徴

・電流経路の制御による溶融金属挙動の安定化
・大型構造物を効率よく高精度、低入熱で作製できる積層造形プロセス
・溶接プロセスを応用する低コストな積層造形プロセス

想定される用途

・輸送機器、燃料タンクなど大型かつ薄肉の構造物作製
・建築構造物など意匠性のある大型構造物作製

  • 11:30~11:55
  • 医療・福祉

4)原子核スピンの高偏極化方法及び高偏極化装置

大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 准教授 根来 誠

新技術の概要

原子核スピンを高偏極化することでNMR/MRIの感度を飛躍的に高められる。とくにがん治療の効果判定への応用が期待されている。本発明は低温を用いる従来法と異なり室温での実現が可能で装置の低コスト・省スペース化が可能である。最新の研究の進展により、本発明を適用できる分子種が増え、実用化可能性が高まってきている。

従来技術・競合技術との比較

低温を用いる従来高偏極化技術は装置が大掛かりで、大型の病院や研究所にしか適用しにくい一方、開発から20年たち技術が成熟し様々な分子種へ適用され、がん治療効果判定への応用が進んでいる。本発明は低コスト・省スペース化により、小病院・研究所へと一気に高偏極技術の普及が可能である。

新技術の特徴

・生体深部の代謝反応を精細に見ることができる方法として、PETでは難しい非侵襲性を実現し、より豊富な情報(どの分子に代謝されているかや、どのスピードで代謝されているかなどの情報)を得ることができる。
・発明当初(2019年)は、適用可能分子範囲が狭く、応用が難しかったが、その後の研究で抗がん剤治療効果判定へ用いられる分子や、その他の診断へ用いられる分子、メタボロミクス解析に用いられる分子等へ適用が可能となってきた。
・実用化のためには、さらに高偏極度を実現すること、大型試料への適用が求められるが、前者の研究は国プロであと5年補助される。後者には低コストで安価なレーザーが必要であり選定を進めている。

想定される用途

・MRIの高感度化により、抗がん剤治療効果判定が従来技術で実用化されている
・MRIの高感度化により、脳腫瘍、心臓病、また様々な臓器の研究に用いられており、将来的に様々な病気の診断が可能になると期待されている
・NMRの高感度化により、新材料開発やメタボロミクス解析、創薬スクリーニングへの応用が期待されている

  • 13:30~13:55
  • 製造技術

5)樹脂基材への貴金属ナノ粒子固定化技術とその応用

大阪大学 大学院工学研究科 ビジネスエンジニアリング専攻 准教授 清野 智史

新技術の概要

基材である樹脂材料の表面に、貴金属ナノ粒子を直接固定化する技術を開発しました。Pdナノ粒子触媒を固定化すれば、エッチングフリー無電解めっき処理法への応用が可能です。Agナノ粒子を固定化すれば、優れた抗菌・抗ウイルス性能を付与できます。用途に応じて、様々な組み合わせで技術を提供いたします。

従来技術・競合技術との比較

貴金属ナノ粒子の合成と基材への固定化を1ポットで行う室温・水溶液系プロセスです。放射線を利用した化学反応により、バインダーフリーで強固な固定化が可能。セラミックスやカーボン基材にも適用できます。

新技術の特徴

・貴金属ナノ粒子を基材表面に直接強固に固定化できる
・さまざまな基材(材料種&形状)への適用が可能
・大量合成の実績あり(一部用途では実用化済)

想定される用途

・エッチングフリー無電解めっき
・抗菌/抗ウイルス性能の付与
・貴金属ナノ粒子触媒

関連情報

サンプルあり
展示品あり

  • 14:00~14:25
  • 材料

6)極微細なナノダイヤモンドの分級と製造方法

大阪大学 産業科学研究所 マテリアル先端リサーチインフラ設備供用拠点 
特任研究員 大喜多 弘隆

新技術の概要

今回我々は、様々な直径のナノダイヤモンド(ND)混合パウダーから、様々な粒径がそろったNDを簡便かつ安価に分級する方法を発明した。特にこれまで分級が困難であった50nmの直径の粒子は、ポリマーの性能向上、CVDダイヤモンド膜の高密度核生成、特殊研磨剤及び潤滑剤としての使用として有用と考察している。

従来技術・競合技術との比較

50nm以下のNDについて、従来の技術では、高速液体クロマトグラフによって分離精製や超遠心分離機を用いての分級が行われていた。いずれもラボスケールの量が得られる程度で、スケールを拡大することが課題であった。当該技術では、工業スケールでの精製や分離に応用できることが示唆され、産業での活用が期待される。

新技術の特徴

・簡便で安価に実施できる
・量的に工業スケールで実施可能
・特に50nm以下の粒子で有用

想定される用途

・半導体等の精密研磨剤
・ドラッグデリバリーシステム用ナノキャリア素材
・光触媒等の触媒材料

関連情報

サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • アグリ・バイオ

7)入れ替わり標識が可能なタンパク質の蛍光標識技術

大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 准教授 蓑島 維文

新技術の概要

本手法では見たいタンパク質にタグを介して、可逆的に結合する蛍光性化合物(蛍光プローブ)によって標識する技術について説明する。蛍光プローブが高速で入れ替わり結合する特性を利用し、タンパク質動態やタンパク質間相互作用の長時間にわたるリアルタイム観察への応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の手法では蛍光タンパク質や蛍光色素が見たいタンパク質と強く結合しているため、一度蛍光物質が褪色によって消えると、そのタンパク質をこれ以上見ることができない。一方で本手法は蛍光プローブの入れ替わりが可能であるため、蛍光物質の褪色に関わらず標識状態を維持することができる。

新技術の特徴

・見たい任意のタンパク質を標識できる
・高速で蛍光標識の入れ替わりが可能である
・標識時に光るため、コントラストよく観察できる

想定される用途

・タンパク質検出・可視化のためのツール
・タンパク質相互作用の検出ツール
・匂い物質のセンサー

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪大学 共創機構 イノベーション戦略部門 知的財産室
TEL:06-6879-4861 
Mail:tenjikaiアットマークuic.osaka-u.ac.jp
URL:https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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