芝浦工業大学 新技術説明会【対面開催】
日時:2024年09月19日(木) 13:30~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、芝浦工業大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 創薬
1)細胞の状態の変化を生きたまま高精度に評価できる!
発表資料芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科 准教授 中村 奈緒子
新技術の概要
本技術はAIを用いた「細胞の状態の変化を生きたまま高精度に評価できるシステム」である。細胞トラッキングにより取得した経時的な細胞形態の三次元データおよび位置データを利用することで、個々の細胞の状態の変化の一連の流れを評価することが可能となった。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、遺伝子発現解析やサイトカイン定量のような培養皿内の細胞の総合的・平均的な評価ではなく、細胞を個々に評価できる。また、免疫染色のように細胞を殺す処理や、事前の遺伝子改変をせずに、生細胞をリアルタイムかつ経時的に評価できる。
新技術の特徴
・評価試薬不要でノーダメージで評価可能
・三次元形態データを取得可能な様々な顕微鏡で利用可能
・種々の細胞状態の評価に応用可能
想定される用途
・新薬開発等におけるスクリーニング検査時の細胞経時的評価
・医療機器開発等における細胞応答性の経時的評価
・生命科学・医学分野の基礎研究における細胞の経時的評価
- 14:00~14:25
- デバイス・装置
2)選果の省力化に貢献する寸法・規格を提示するウェアラブルデバイス
発表資料芝浦工業大学 工学部 電気工学科 准教授 重宗 宏毅
新技術の概要
収穫・出荷作業は青果物生産労働時間の中で大きな割合を占める。手に取り付けることで、収穫作業を阻害せず選果可能なウェアラブルデバイスを開発した。品種に応じた果径との相関式を活用することで、対象物を把持するだけで規格を提示し迅速な作業に貢献する。
従来技術・競合技術との比較
従来の選果機器は大型・高価なため一括集約型の生産体系となる。小型でウェアラブルなデバイスによって、熟練者から初心者までの圃場での作業を支援する。スケールやニーズに応じた支援を生産者に対して展開できる。
新技術の特徴
・ウェアラブルデバイスによる収穫・出荷作業の一括化による省力化
・作業時間従来比33.5%削減
・手指接触回数削減により、損傷発生最大53.6%削減
想定される用途
・青果物選果作業支援
・寸法と収穫時期のデータベース化による生産管理支援
・障碍者支援による農福連携
- 14:30~14:55
- 情報
3)学習モデルの段階化による分散機械学習の効率的実現手法
発表資料芝浦工業大学 システム理工学部 電子情報システム学科 教授 三好 匠
新技術の概要
近年、複数の機器で協調して機械学習を行う分散機械学習が注目されている。一般に、同一の学習モデルを使用して学習が行われるが、大きいモデルを用いるとモデル精度の上昇に時間を要する。本発明では、モデルサイズを段階的に変化させることで効率的な学習を実現した。
従来技術・競合技術との比較
発表者が確認を行った限り、学習モデルサイズを変更しながら分散機械学習を行う技術についてはなく、新しい技術であると考える。
新技術の特徴
・分散機械学習において、一般的な連合学習を用いるよりも高速にモデルの精度を向上させることが可能である
・学習モデルのサイズを柔軟に変更することが可能であり、任意の分散機械学習に適用することが可能である
想定される用途
・分散機械学習において、より高速にモデルの精度を向上させたい場合に本技術の利用が期待される
・画像認識やセキュリティ分野など、学習モデルを継続的に更新し続けるような場面での利用が期待される
- 15:00~15:25
- 環境
4)マイクロプラスチック(MPs)の 2 段階濾過濃縮システム
発表資料芝浦工業大学 工学部 機械工学課程基幹機械コース 教授 二井 信行
新技術の概要
本発明は、①MPsを含む水中の計測したい粒径のMPs量が十分に反映されたMPs濃縮液が得られるマイクロプラスチック含有水濃縮装置およびマイクロプラスチック含有水濃縮方法、②海水などのMPsを含む水中に含まれるMPs濃度を高精度で計測できるマイクロプラスチック濃度測定装置およびマイクロプラスチック濃度測定方法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来の光度計を用いて計測し、その結果を用いて算出する方法では、MPsを含む水を濃縮して得られるMPs濃縮液が、MPsを含む水中に含まれる計測したい粒径のMPs量が、十分に反映されたものではない場合があり、海水などのMPs濃度を精度よく定量できない場合があった。本発明は、上記の課題を解決するものである。
新技術の特徴
・マイクロプラスチック含有水濃縮装置は、①マイクロプラスチック含有水からマイクロプラスチックを捕捉する第1フィルターと、②マイクロプラスチック含有水をフィルターに供給する採水装置と、③回収液を得る逆洗装置から構成
・更に、①第2フィルターと、②回収液を濃縮し、第2容量の濃縮液を得る濃縮装置から構成
想定される用途
・自治体向け環境測定用途
・教育機関向け環境教育用途
- 15:30~15:55
- 情報
5)「あがり」改善を目指したニューロフィードバックシステムの開発
発表資料芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科 教授 佐藤 大樹
新技術の概要
スポーツ競技などで見られる「あがり」は、前頭前野活動の左右差と関連していることが示唆されています。この知見を応用し、機能的近赤外分光法(fNIRS)で計測した脳活動信号の左右差を指標化、音でフィードバックするシステムを開発しました。本システムの新規性・優位性は、前頭葉活動の左右差を指標化するアルゴリズムと、簡易型fNIRSデバイスとスマートフォンで実装できる低コスト性にあり、効果検証に向けて現在も研究を進めています。
従来技術・競合技術との比較
日常環境下で利用できるニューロフィードバック手法としては、他に脳波があります。両方とも有効な方法ですが、脳波は電磁ノイズ、fNIRSは外部光を出来るだけ低減する必要があります。この点では、外部光を遮断するfNIRSの対策の方が比較的容易であり、実用に向いていると言えます。また、本手法は、前頭葉活動の左右差を相対的に評価するため、脳波より空間分解能に優れたfNIRSを利用する事で、より正確な情報が取得できると考えます。
新技術の特徴
・ヒトが適応しやすいフィードバックを可能とする安定した指標算出アルゴリズム
・簡易型fNIRSデバイスとスマートフォンで実装できる低コスト性
想定される用途
・アスリート向けのメンタルトレーニングシステム(アプリ): ゴルフなどのメンタルスポーツでのパフォーマンス向上が期待できます
・一般の方向けメンタルトレーニングアプリ: 緊張して日頃の成果を発揮できないと考えている人は多くおり、オリンピック選手やプロスポーツ選手だけでなく、一般にスポーツを楽しむ層にも市場は展開できると考えられます
関連情報
デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
芝浦工業大学 研究推進部 研究企画課
TEL:03-5859-7180
Mail:sangakuow.shibaura-it.ac.jp
URL:https://www.shibaura-it.ac.jp/research/
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