ものづくり技術 ~材料・ライフサイエンス関連~ 新技術説明会【対面開催】
日時:2024年08月08日(木) 13:30~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、上智大学、中京大学、中央大学、東洋大学、東京薬科大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 13:30~13:55
- 創薬
上智大学 理工学部 物質生命理工学科 教授 近藤 次郎
新技術の概要
本発明の一塩基多型(SNP)検出プローブは、多型塩基Xを含むRNAにハイブリダイズすると、SNP検出プローブに導入した検出塩基Yがこの多型塩基Xと塩基対を形成し、その結果としてSNP検出プローブに導入した蛍光塩基Fが分子の外側へ突出し、蛍光強度の増加が観測できる仕組みになっている。このプローブは、RNA上の多型塩基のみならず、Xの位置に導入されたメチル基修飾のようなわずかな変異も検出することができる。
従来技術・競合技術との比較
従来のSNP検出方法は、安価だが精度が低い、または精度が高いが高価な技術のいずれかである。これらの技術はいずれも作業工程が多く、検出の仕組みが複雑であるが、本発明は簡便・安価でありながら高い精度でSNPを検出可能である。
新技術の特徴
・RNA中の一塩基多型を高い精度で検出
・塩基のメチル化修飾のようなわずかな違いを高い精度で検出
・生体内ではたらくリボソームRNA分子スイッチの立体構造と作動機構を模倣して開発
想定される用途
・病気の診断を想定した一塩基多型の検出
・病気の診断を想定した塩基のメチル化修飾の検出
関連情報
展示品あり
- 14:00~14:25
- 製造技術
中京大学 工学部 機械システム工学科 教授 橋本 学
新技術の概要
画像から、画素や特徴量など、タスクに有効な情報だけを抽出して利用する画像処理手法を開発しました。特殊な能力を持つ画素群を利用して2D/3Dによらず対象物を認識する技術、現場で入手できるわずかな実サンプルから異常情報だけを抽出し、リアリティの高い大量の模擬画像を生成する技術を開発しました。本技術は、生産現場で起こっている現実の課題を解決します。
従来技術・競合技術との比較
一般に、立体物の検出には3Dカメラが必要ですが、本手法では少数の有用画素のみを使うので、通常の2次元カメラのみで対応できます。また、従来より格段にリアリティの高い画像を生成できるので、異常サンプル不足という現場のニーズに対応できます。(関連の応用事例紹介も行います)
新技術の特徴
・一般的な2次元カメラだけで3D対象物の検出や姿勢推定が可能
・特殊な画素を選ぶだけで画像照合にさまざまな能力を付与できる
・本物のようなリアリティと自然さを合わせ持つ疑似欠陥画像の生成が可能
想定される用途
・ロボットによる対象物のピッキング
・計算リソースが少ない生産ラインにおける部品の検出、仕分けシステム
・実異常サンプルの入手が難しい現場における外観検査システム
関連情報
デモあり
展示品あり
- 14:30~14:55
- 情報
中央大学 理工学部 精密機械工学科 教授 新妻 実保子
新技術の概要
古くから人と良好な関係を構築してきた犬の愛着行動を、人と犬との関係性とその人を含む環境要因によって犬に生じるストレスを表現し、ストレスを低減させる行動としてモデル化し、これを行動モデルとして動作するロボットエージェントを設計した。
従来技術・競合技術との比較
従来のコミュニケーションを主目的としたロボットエージェントの行動は、単純かつパターン数も限定的であり、一定限度を超えると同じ振る舞いが続くため、ユーザーが飽きて長期間的に関心が維持されないという問題があった。そこで、コミュニケーションや状況に応じた複雑かつ連続的な振る舞い変化が可能なロボットエージェントを提供する。
新技術の特徴
・シチュエーションに応じた行動生成が可能
・飼い主(オーナー)と他者を区別し、それぞれの人との関係に応じた振る舞いを行える
・時間経過に応じたロボットエージェントとの関係構築が行える
想定される用途
・VRアニマルセラピー/仮想的な犬エージェントとの遊びを通じたレクリエーション
・ペットロボット型見守りシステム
・ペットロボット型コミュニケーション促進支援
関連情報
デモあり
- 15:00~15:25
- アグリ・バイオ
東洋大学 生命科学部 生物資源学科 教授 梅原 三貴久
新技術の概要
ストリゴラクトンは植物ホルモンの一つとして知られている。ストリゴラクトン生合成阻害剤または作用阻害剤を植物組織に処理し、ストリゴラクトンのはたらきを抑えると植物のクローン再生が促進される。よって、これらの阻害剤は植物のクローン再生を促進する新しい植物成長調節物質として利用できる化合物である。
従来技術・競合技術との比較
従来の技術では、植物組織から芽の再生を誘導するためにサイトカイニンという植物ホルモンを処理する。本技術で紹介するストリゴラクトン関連阻害剤は、サイトカイニンよりも多く植物体が再生したことから、新たな植物成長調節剤として利用できる可能性がある。
新技術の特徴
・ストリゴラクトン関連阻害剤の処理によって植物クローンの再生を促進できる
・ストリゴラクトン関連阻害剤の処理と従来の方法を組み合わせることで、組織培養の効率を向上させることができる
・反対に、ストリゴラクトンそのものの処理によって芽の誘導を抑えることができる
想定される用途
・花卉の苗の生産効率向上
・薬用植物の組織培養効率向上
・種子を得にくい植物の増殖
関連情報
サンプルあり
展示品あり
- 15:30~15:55
- 創薬
5)光で標的生体分子を不活化する技術の開発
発表資料東京薬科大学 薬学部 医療衛生薬学科 准教授 谷口 敦彦
新技術の概要
分子ローターの性質に基づいて、標的との結合に依存して光酸素化能を発揮する分子を開発した。本分子を標的親和性分子に導入することで、標的を選択的に光酸素化することができる。本技術によって、マイオスタチンの選択的な光酸素化及び不活化に成功し、これは筋ジストロフィー等の筋萎縮性疾患の治療法につながる。
従来技術・競合技術との比較
一般的な光増感剤とは異なり、本光酸素化分子は標的と結合した時にのみ光酸素化能を発現するため、標的選択的な光酸素化を可能とする。また、近赤外光で励起できる点、夾雑系での非特異的吸着が低減された点から、生体適用性に優れている。
新技術の特徴
・標的の不活化を光によって制御することができる
・光酸素化によって不可逆的かつ触媒的に標的を不活化するため、強力な阻害効果が得られる
・光酸素化分子を任意の標的親和性分子に導入することで、任意の生体分子を標的とすることができる
想定される用途
・任意の病原性生体分子を光照射によって、強力に不活化する光治療薬としての応用
・研究対象とする生体分子に対して、光照射による時間・空間分解能を持った不活化を行うことで、その生体分子の機能を解明する研究ツールとしての応用
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
上智大学 学術情報局 研究推進センター
TEL:03-3238-3173
Mail:g_rant-cosophia.ac.jp
URL:https://www.sophia.ac.jp/
中京大学 研究推進部 研究支援課
TEL:052-835-8068
Mail:liaisonml.chukyo-u.ac.jp
URL:https://www.chukyo-u.ac.jp/research_2/liaison/
中央大学 研究推進支援本部 研究支援室
TEL:03-3817-1674
Mail:ksanren-grpg.chuo-u.ac.jp
URL:https://www.chuo-u.ac.jp/research/industry_ag/clip/
東洋大学 研究推進部 産官学連携推進課
TEL:03-3945-7564
Mail:ml-chizaitoyo.jp
URL:https://www.toyo.ac.jp/research/industry-government/ciit/
東京薬科大学 教学IR研究推進課
TEL:042-676-5349
Mail:sangaku-mltoyaku.ac.jp
URL:https://cutting-edge-research.toyaku.ac.jp/
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