説明会の
お申込み

タンパク等の高分子化合物と分析法の新たな展開 ~三重大学、岐阜大学~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年10月07日(火) 13:30~15:55

会場:オンライン

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、三重大学、岐阜大学

協力:株式会社三重ティーエルオー

説明会のお申込みはこちら

<お申込み方法・聴講方法>

聴講をご希望される方は、「説明会のお申込みはこちら」よりお申込みください。

申込受付:開催日前日まで

・お申込み完了後、マイページが設定され「事前登録完了のお知らせ」が届きます。
・メールに従いログインIDとパスワードでマイページへのアクセスをご確認ください。
・開催日前日にマイページより聴講用URLをご案内いたします。
・当日はマイページよりご聴講いただけます。

発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • 分析

1)セルロース磁性ビーズを用いる自動化適用の糖ペプチド調製法

岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 糖鎖分子科学研究センター 糖鎖分子科学部門
糖鎖分析化学研究室 准教授 中嶋 和紀

新技術の概要

本技術はプロテオミクスのためのタンパク質前処理法(SP3法)を土台に、セルロース磁性ビーズとイオンペア剤を用いる糖ペプチド調製方法である。特に、安価で市販されている磁性粒子と、ギ酸などのイオンペア剤を組み合わせることにより、高純度な糖ペプチドを安定して製造できることを発見した。

従来技術・競合技術との比較

過去に報告されているSP3法によるペプチド調製法や、セルロースビーズによる糖ペプチド精製法では、数百検体以上の前処理が困難であった。このたびペプチド調製から糖ペプチド精製までの一気通貫型の技術を確立したことにより、自動化が進み、1000検体以上の多検体分析が可能になった。

新技術の特徴

・様々な生体試料から高純度な糖ペプチドを製造できる方法
・糖鎖分子を高純度に調製できる調製法
・環境にやさしいギ酸をイオンペア剤用いて、糖ペプチドを製造する方法

想定される用途

・疾患バイオマーカー探索
・糖鎖自動分析装置の開発

関連情報

・デモあり

  • 14:00~14:25
  • アグリ・バイオ

2)安全安心な溶媒を用いた細胞由来リン脂質ベシクルの大量調製

三重大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 湊元 幹太

新技術の概要

生体に有害な有機溶媒の代替として食品添加物や大豆油などの食用油を使用し、細胞の原形質膜に由来するリン脂質ベシクル(リポソーム)を簡便かつ大量に調製する技術です。細胞をそのまま使います。細胞の脂質組成や複合糖質などの細胞表面の特性を再現した大きなリポソームになります。

従来技術・競合技術との比較

生体膜成分をそのまま取り出し、大きな膜として再構築することができます。リポソーム形成に普通必要な生体にとって厳しい条件(無極性溶媒抽出や高温抽出)は使いません。最初に大きく(10ー100 マイクロメートル)作るのでマイクロ~ナノサイズへのサイジングが容易です。

新技術の特徴

・いろいろな、細胞、生体小胞、から大きな人工膜(リポソーム)に再構築
・温和な抽出条件、生体膜成分の保存性
・高い調製効率、スケールアップの可能性

想定される用途

・ライフサイエンスの基礎研究キット
・DDSやワクチンの研究のカプセル

  • 14:30~14:55
  • アグリ・バイオ

3)ヒトミルクオリゴ糖の生産のための基盤研究

岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 糖鎖分子科学研究センター 糖鎖分子科学部門
システム糖鎖生物学研究室 教授 藤田 盛久

新技術の概要

ヒトミルクオリゴ糖の一つであるdisialyl-N-tetraose (DSLNT)の合成を行う酵素を同定を行い、培養細胞および微生物を用いて産生する技術を開発した。微生物発酵生産へ向けて、酵素改変に取り組み基盤技術を構築した。さらに、動物培養細胞株を用いたヒトミルクオリゴ糖の生産、改変技術を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

上市されているヒトミルクオリゴ糖は微生物発酵で生産されているが、DSLNTのような6糖以上の複雑構造は未実現である。特に、シアル酸をNアセチルグルコサミンに転移する酵素の微生物における活性は知られておらず、これまで困難であった。本技術ではDSLNT合成酵素を同定し、培養細胞および微生物での効率的な生産を可能にした。

新技術の特徴

・DSLNTの生合成に必要な糖転移酵素を同定、最適化
・動物培養細胞および大腸菌でのDSLNT合成酵素の産生を実現
・動物培養細胞を用いた多様なヒトミルクオリゴ糖の生産系を構築

想定される用途

・乳児用粉ミルクへの機能性オリゴ糖添加素材としての応用
・新生児壊死性腸炎(NEC)などの予防・治療を目的とした医療食品素材
・腸内細菌叢や免疫系調節を狙ったプレバイオティクス成分としての活用

  • 15:00~15:25
  • 計測

4)人手いらずで発酵を見守る:不透明懸濁系対応ラマンプローブによる現場実装型センシング技術

三重大学 大学院生物資源学研究科 共生環境学専攻 助教 内藤 啓貴

新技術の概要

本技術は、特定波長のレーザー励起光をプローブでサンプル界面に集光してラマン情報を取得することで、光分析のボトルネックであった不透明懸濁系に対する弾性散乱の影響をほぼ無視して成分分析を可能とする新規光計測技術である。例えば発酵槽内の不透明懸濁系をリアルタイムに計測できるため、微生物やその代謝物量の経時変化を捉えられ、アグリ・バイオ分野の革新をも支える学際融合領域の技術である。

従来技術・競合技術との比較

現在、小規模酒蔵における発酵工程の品質管理の従来技術には、水蒸気蒸留装置と重量法を組み合わせた振動式密度計や、近赤外分光法を用いたアルコール分析装置など、高精度な分析技術が利用されている。しかし、これらの手法は固液分離やサンプリングを前提としており、装置コスト・運用負担の両面で小規模事業者にとって導入障壁が高い。

新技術の特徴

・無濾過にて発酵槽のダイレクト測定
・連続モニタリング可能
・複数成分同時計測可能

想定される用途

・食品、バイオマスエネルギーの発酵過程のモニタリング
・高濁度液体に対する品質評価(水質等)
・味覚センサ

  • 15:30~15:55
  • 医療・福祉

5)Ras切断融合タンパク質による汎Ras阻害技術

岐阜大学 大学院連合創薬医療情報研究科 創薬科学専攻 生命分子科学研究領域 
准教授 本田 諒

新技術の概要

Ras切断又は修飾酵素ドメインと高親和Ras結合ドメインを一本の融合タンパク質として設計し、細胞内へ送達することでG12C以外を含む全Ras変異型や野生型の活性を同時に失活させ、強力な抗腫瘍作用を示す技術。

従来技術・競合技術との比較

従来のG12C共有結合阻害剤は特定変異型に限定され、Ras切断又は修飾酵素単独では細胞侵入性や結合力が不十分。本技術は酵素活性と結合親和性を協奏させる融合設計で低用量でも広範Rasを無力化できる。

新技術の特徴

・切断酵素+結合ドメインの二重作用で汎Ras阻害
・TAT等CPP付与で腫瘍細胞内へ高効率デリバリー

想定される用途

・抗がん剤
・分子標的薬
・汎Ras阻害剤

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

三重大学 ((株)三重ティーエルオー)
TEL:059-231-9822
Mail:mie-tlo アットマークmie-tlo.co.jp
URL:https://www.mie-tlo.co.jp

岐阜大学 学術研究・産学官連携推進本部 産学官連携推進部門
TEL:058-293-2025
Mail:sangaku アットマークt.gifu-u.ac.jp
URL:https://ari.gifu-u.ac.jp/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top