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日本原子力研究開発機構 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年06月24日(火) 10:00~11:55

会場:オンライン

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、日本原子力研究開発機構

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発表内容詳細

  • 10:00~10:25
  • 情報

1)死角のない広域監視を最小コストで実現する最適化アルゴリズム

日本原子力研究開発機構 システム計算科学センター 町田 昌彦

新技術の概要

屋内に様々な物が設置されている広い工場や博物館内等を隈なく死角なしで監視するには、カメラを複数台適切に配置する必要があります。本技術は、カメラ等のモニタリング機器の台数を必要最小限に抑え、且つそれらをどこに設置するかを提案するアルゴリズムであり、合理的かつ数学的に裏付けられた最適設置を可能とする点に特徴があります。

従来技術・競合技術との比較

従来は、観測点の決定に際し合理性に係る評価は困難で、観測点数が過剰となったり不足したりすることが通例でした。新技術では、合理的かつ数学的な裏付けに立脚し、観測点数を極力抑え、対象区域内の観測対象を隈なく観測可能とするよう観測点を決定することで、死角の発生による観測漏れリスクの低減と過剰設置による無駄を回避します。

新技術の特徴

・監視・観測にかける費用を最小限とする一方、監視・観測の効果を最大化する方法の提案(例:監視カメラの最小設置数と最適な設置場所の提案)
・環境が時々刻々変わっても再計算することで、監視・観測にかかるコスト低減と最大の効果を示し続けるインテリジェント監視・観測技術
・放射線量の3次元分布を求めるため、最適な放射線観測地点を決定し、放射線源(位置と強度)の推定精度を向上する技術

想定される用途

・監視カメラ設置個所の最適化等に活用可能。具体的には、駅、空港、ショッピングモール等での人流量・混雑度・群衆挙動のモニタリングの最適化
・大型の食品、半導体、精密機器工場における熱の異常発生監視等。火災リスク低減や製品異常発生の予兆等の早期発見を目的とするモニタリングの最適化
・原子力施設の廃止措置事業で活用(放射線モニタリング等)可能

関連情報

・デモあり

  • 10:30~10:55
  • 計測

2)超広帯域NMRプローブ:磁性体をはじめ様々な核種の測定に最適

日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター スピン-エネルギー科学研究グループ 
研究員 今井 正樹

新技術の概要

本プローブは超広帯域(10MHzから1GHz)のNMR測定が可能です。磁性材料などNMRスペクトルの周波数が広がったり、大きくシフトする試料でも信号の全域を測定することができます。内部磁場が大きなマンガン・希土類系磁石の電子状態、および電子スピンー核スピンの相互作用が強い次世代量子デバイス材料の研究評価に使用できます。

従来技術・競合技術との比較

磁性材料では、その磁性により信号のブロード化や大きな周波数シフトがおこりうるため、磁性状態の帯域に合わせてプローブを調整する必要があります。本プローブは広帯域に対応しており磁性によるシフトが数100MHz以上でも全域を測定することができます。特にHe温度のような低温域で、冷却したまま一連の測定を効率的に行えます。

新技術の特徴

・強磁性・反強磁性材料(例:スピネル酸化物、希土類磁石)の内部構造および磁性状態の評価
・磁性による極端な周波数シフトもカバーできるためマンガンや希土類核のNMR測定が容易に
・電子スピンと核スピンの相互作用が強い物質のNMRによる量子物性の研究

想定される用途

・スピネル型酸化物、希土類磁石、ペロブスカイト酸化物
・スピントロニクス材料やトポロジカル絶縁体の電子状態の測定
・電子スピンと核スピンの相互作用が強い系での量子現象の研究

  • 11:00~11:25
  • デバイス・装置

3)収束と成形 ─2つの機能を1台で実現する加速器用電磁石─

日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター 加速器ディビジョン 加速器第三セクション 
研究員 地村 幹

新技術の概要

荷電粒子ビームを標的まで輸送する場合、ビームパイプの太さなどによる要請を満足するため、四重極磁石を用いることでビーム幅を調整します。一方、八重極磁石を用いると、ビーム分布を成形することが可能となり、標的に合わせたビームを発生させることができます。本技術は、コイルの巻き方と磁石の配置を工夫することで四重極磁石(収束)と八重極磁石(分布成形)の双方の機能を持つ1台の電磁石の製作を可能にするものです。

従来技術・競合技術との比較

従来技術を用いて収束と分布成形といった複数の機能を単一の電磁石に持たせる場合、純粋な四重極磁石と比較すると、生成磁場の精度悪化は避けることができませんでした。収束磁場の強度を変更すると分布形状も変わってしまうので、ビーム分布を平坦化することは困難でした。しかし、本技術を用いると、複数の機能を持ちながら、純粋な四重極磁石と同じ精度の収束磁場を発生させることが可能です。

新技術の特徴

・ビームの収束と分布成形の両方の機能を持つ単一の電磁石であるため、通常2台の電磁石を1台に集約でき、高メンテナンス性、低コスト、省スペース
・高精度の収束磁場が生成可能かつ、収束磁場と分布成形磁場は互いに影響を受けないため、既存の装置でも置き換えが容易で信頼性が高い
・ビーム幅が大きい四重極磁石の位置で分布成形磁場を発生させることが可能なため、高い効率で分布成形が可能

想定される用途

・ビーム輸送路の小型化による既存装置の低コスト化や新たな可搬型加速器の実現
・イオン注入装置における高い均一性を持つビームの生成、注入密度や注入角度の高度な制御
・粒子線治療装置における腫瘍形状に合わせたビーム分布の成形

関連情報

・サンプルあり

  • 11:30~11:55
  • デバイス・装置

4)放射線の"見える化"を小型・軽量で実現:低コスト新型γ線カメラ

日本原子力研究開発機構 福島廃炉安全工学研究所 廃炉環境国際共同センター 
放射線デジタルグループ 北山 佳治

新技術の概要

全方位のガンマ線を高精度に可視化する新型カメラを開発しました。片手で持てるほど小型で複数種類のガンマ線源を同時に可視化できます。原子力施設の保守点検、インフラ設備の非破壊検査、がん治療用RI薬剤の体内分布可視化装置の低価格化、ガンマ線バーストのような天体現象の全方位監視衛星など、様々な分野で従来機では難しかった高度な応用が期待できます。

従来技術・競合技術との比較

従来のガンマ線イメージャーは視野が狭く、数万chの検出器読み出しが必要であるため複雑で高コストでした。本技術は、全方位視野を持ちつつ8chで動作するため圧倒的に低コストです。さらに、形状の自由度が高いため、ウェアラブルデバイスなど、現場ごとのニーズに合わせた用途開発が可能です。

新技術の特徴

・片手で持ち運べるサーベイメーターと同等の重さ(2 kg程度)の360°カメラ
・従来品1台の価格で10台製作可能となり、これまで難しかった複数台連携によるマルチポイントの3D放射線マップ生成
・形状自由度が高くウェアラブル化や既存装置との一体化などニーズへ個別対応が可能

想定される用途

・原子力施設における保守点検・廃止措置時の空間線量とホットスポットの同時可視化により、作業時間の短縮と被ばく低減を実現
・PETやSPECTにおける患者や測定部位に応じたオーダーメイドイメージング装置への応用により、検出効率の向上と低被ばく化を実現し、プレシジョンメディスンを推進
・宇宙機搭載に対応する軽量・全方位視野イメージャーとして、ガンマ線バーストや宇宙線の常時監視、深宇宙探査への展開を想定

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本原子力研究開発機構 研究開発推進部
TEL:080-7528-3908
Mail:seika.riyou アットマークjaea.go.jp
URL:https://tenkai.jaea.go.jp/achievement/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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