工学院大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年10月23日(木) 09:55~11:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、工学院大学
発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
工学院大学 総合研究所 所長 小林 元康
- 10:00~10:25
- 製造技術
1)薄膜トランジスタを熱処理なしで作製するプロセス技術
工学院大学 工学部 電気電子工学科 教授 相川 慎也
新技術の概要
紫外線照射を用いることで、安定性に優れたアモルファスIn2O3系薄膜トランジスタを室温で作製するプロセス技術を提供します。照射環境と紫外線波長を検討することで、照射中の意図しない加熱を抑制した完全室温プロセスです。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、フォトンエネルギーの高い紫外線が用いられていたため、意図しない加熱が生じ、基板温度が150℃程度まで上昇してしまうことが課題でした。本技術では、低エネルギーの紫外線照射の後に静置時間を設けることで、この課題をクリアしました。
新技術の特徴
・紫外線照射に伴う基板温度の昇温がない(100℃未満)
・照射および静置環境が大気であるため、工程が簡便
・耐熱性の低いプラスチックを基板として使用可能
想定される用途
・薄膜トランジスタ
- 10:30~10:55
- デバイス・装置
2)ガリウムベースの液体金属を用いた光遮光/光反射素子
工学院大学 情報学部 情報通信工学科 教授 高橋 泰樹
新技術の概要
数ボルトの電圧(電流)を用いることで、液体金属を格納したりアクティブエリアに膜状に展開したりして光を制御する装置です。シャッターとして光の透過・遮光を制御するだけでなく、液体金属を展開したときの表面を鏡として用いることで、光の反射・非反射の制御も可能です。
従来技術・競合技術との比較
機械的な可動部が無いので、小型化が期待できます。液晶を用いた光制御デバイスの様に偏光板を用いる必要が無いため、光利用効率が高く、金属膜を用いるため完全な遮光が可能です。また、金属を用いることから可視光以外の電磁波への応用も考えられます。デューティ比を制御した印加電圧波形を用いることで、従来よりも低電圧駆動が可能です。
新技術の特徴
・機械的可動部なし
・ガリウムベース液体金属使用
・光の遮光・透過・反射制御デバイス
想定される用途
・光遮光/反射制御素子
・光偏向素子
関連情報
デモあり
- 11:00~11:25
- エネルギー
3)変形自在で発電出力が高い熱電発電モジュール
工学院大学 先進工学部 環境化学科 准教授 桑折 仁
新技術の概要
陽極酸化アルミニウム基板を用いた本熱電発電モジュールは、自由に変形できます。さらに従来の高分子基板を使ったフレキシブルモジュールと比較して、基板の熱伝導性に優れていることから、受熱部の熱抵抗が小さくなり、ダイレクトに熱電材料に熱が伝わり、より高い発電出力が期待できます。
従来技術・競合技術との比較
従来の熱電発電モジュールは熱電変換材料を金属電極で直列に繋ぎ、その外側をアルミナ板などのセラミックス板で挟み込んだ構造であり、変形できません。変形可能な熱電モジュールは低熱伝導率の高分子基板を用いるため、熱抵抗となり、熱電材料の性能を発揮しにくいものとなっています。
新技術の特徴
・曲面を有する熱源に本モジュールを装着可能
・変形可能なため既存の熱源に装着可能
・セラミックス基板を用いたモジュールに比べて平面熱源での発電でも2倍の有効最大出力
想定される用途
・自動車の排気管を熱源とした排熱発電
・住宅などの給湯配管の排熱発電
・防災減災センサー用の地表熱発電
- 11:30~11:55
- 建築・土木
4)打診反発音周波特性による外壁タイルセイフティー診断
工学院大学 建築学部 建築学科 教授 田村 雅紀
新技術の概要
本技術は、外壁タイルの点検・診断に、通常使用する打診ハンマーを用い、タイルへの打診時反発音を高速フーリエ変換により周波数データに置換え、タイル接着状態(健全、部分浮きなど)の評価と、タイル付着特性に及ぼす影響を診断する。
従来技術・競合技術との比較
国内には外壁タイルを使用した建物が膨大にあり、外壁診断として多用されている打音検査法は、テストハンマーを用いて健全部と浮き部の差異を検査員が聴分け判定しますが、測定結果を客観的な数値で表せず、判定精度にばらつきが生じてしまうが、その問題を解決している。
新技術の特徴
・外壁タイルを使用した建物ストックの外壁診断には、社会的な大きな需要があることに対応している
・現状のタイル打診調査は、人的ばらつきを許容しているが、客観性を持たせて信頼性を改善している
・外壁タイル等の安全性の判断を客観的にくだすことができる
想定される用途
・外壁タイルを使用した建物ストックの外壁調査・診断
・AI技術への応用展開ができるデータを格納している
・ドローン技術への応用展開ができるデータを格納している
関連情報
展示品あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
工学院大学 研究推進部
TEL:03-3340-3440
Mail:sangaku
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URL:https://www.kogakuin.ac.jp/form/20240711.html
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