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高専 新技術説明会【対面開催】

日時:2025年10月14日(火) 13:25~15:55

会場: JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、国立高等専門学校機構

発表内容詳細

  • 13:25~13:30

開会挨拶

国立高等専門学校機構 研究総括参事 松本 佳久

  • 13:30~13:55
  • アグリ・バイオ

1)光合成微生物抽出物を用いた有用物質生産による低炭素技術

国立高等専門学校機構 宇部工業高等専門学校 物質工学科 准教授 町田 峻太郎

新技術の概要

微細藻類(スピルリナや窒素固定シアノバクテリア)から抽出したエキスを主栄養源とする培地を用い、油脂産生酵母を遺伝子組換えなしで培養し、バイオ燃料としての油脂を、低炭素プロセスで生産する技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来は油脂生産において、遺伝子組換え微細藻類やコストの高い炭素源が必須であり、屋外大量培養や商業化が規制や経済性の観点から困難であった。一方、本技術は微細藻類エキスに代替し、非組換え酵母を用いるため規制回避とコスト低減に期待できる。

新技術の特徴

・微細藻類エキスを主要栄養源とする培地を構築し、油脂生産酵母を培養
・非遺伝子組換えの酵母を利用することで法制度上の制約を回避
・窒素固定藍藻由来のエキスにより、無機窒素に加え空気中窒素も栄養源として利用可能とし、肥料/乳酸原料にも利用展開可能

想定される用途

・油脂微生物のトリアシルグリセロール生成による低炭素バイオ燃料(バイオディーゼル等)生産
・アンモニア化成菌のアンモニア生成による肥料用の低炭素アンモニア生産
・乳酸菌の乳酸生成による、バイオプラスチック原料用の低炭素乳酸生産

  • 14:00~14:25
  • 医療・福祉

2)爪表面からの動作センシング:爪のひずみデータから手話を推定

国立高等専門学校機構 香川高等専門学校 機械電子工学科 准教授 石井 耕平

新技術の概要

爪は指の曲げ伸ばし、指同士や他の物体との接触により、微小なひずみを生じている。本技術は、手の爪にひずみセンサを装着し、手話動作に伴い発生する手の爪のひずみを計測し、得られたひずみデータから手話を推定するものである。手話翻訳装置の他に、データグローブへの応用も期待される。

従来技術・競合技術との比較

モーションキャプチャを利用したシステムでは利用者のカメラ撮影が必要であるが、本技術はウェアラブルデバイスをベースとしており、カメラ撮影が不要である。爪や指先に作用する外力に起因する爪のひずみを計測することで、加速度センサにより指の姿勢を取得するシステムでは難しかった、指同士や指と手のひらの接触を検出できる。

新技術の特徴

・カメラを使わずに、手や指の動作を推定
・爪表面にセンサを取り付けるため、触覚を妨げない
・加速度センサによる指先の動作計測では難しい、指に作用する外力を推定

想定される用途

・手話翻訳システム
・指先の力覚センシングシステム
・データグローブに代わる手の動作計測システム

関連情報

・展示品あり

  • 14:30~14:55
  • 機械

3)シームレスな全方向から連結可能な機械式コネクタ

国立高等専門学校機構 八戸工業高等専門学校 産業システム工学科・電気情報工学コース 
助教 赤川 徹朗

新技術の概要

本コネクタは、切れ目ない全方向からの連結が可能であり、摩擦力を利用した物理的方法から複数のコネクタを連結させる。また、本コネクタは連結するコネクタ間にオス/メス型のような構造の違いが存在しない。本コネクタを搭載した移動ロボットを用いれば、複数のロボット間で連結を繰り返し「ロボット群の高速な集合体形成/変形」の技術が実現できる。

従来技術・競合技術との比較

移動体を自律的に連結させる従来技術として、連結対象の本体に特定の方向へ向けた連結口を設置する手法が広く用いられるが、設置された互いの連結口をうまく重ね合わせて連結する必要があり、連結対象の移動制御にはミリメートル単位の精度が求められる。しかし、提案する新技術を用いれば連結位置や進入角度を気にせずに多数の対象を素早く連結させ、自在な構造物を構成できる。

新技術の特徴

・シームレスな全方向との連結
・ジェンダーレスな構造
・制御装置から連結の強弱を調節可能な機械式コネクタ

想定される用途

・AGV(無人搬送車)
・未知環境での運用が想定されるロボット(災害救助、月面探査など)
・汎用型多目的ロボット

  • 15:00~15:25
  • エネルギー

4)墨汁をつかって室温で簡単に太陽電池を作製

国立高等専門学校機構 長岡工業高等専門学校 電気電子システム工学科 教授 島宗 洋介

新技術の概要

本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。n型シリコン基板の表面にカーボンブラックを含有する溶液を塗布乾燥後に、カーボンブラック含有層の一部を除去して太陽電池の基本構造を実現できる。室温程度の温度でカーボンブラック含有層を乾燥固化することができるため、容易に短時間で製造可能であることを特徴とする。

従来技術・競合技術との比較

太陽電池の基本となるpn接合は、Siを基板とする場合、不純物を拡散、活性化させるために800℃程度以上の高温長時間の熱処理が必要で、拡散炉のような特殊な装置が必要となる。本発明は、市販のSi基板表面にカーボンブラック含有塗料を塗布後、数十分間程度の室温乾燥で容易にpn接合に相当する構造が実現できる。

新技術の特徴

・数10分間程度で特殊な装置を必要とせずに室温で太陽電池の基本構造ができる
・カーボンブラック含有塗料は市販の墨汁が利用でき、Si基板への塗布時には筆で任意のパターンを描くことができる
・一度墨汁を塗布した後も有機溶剤などでふき取り、Si基板を再生できる

想定される用途

・理科教材(教育機関の授業時間内で太陽電池を作成、評価まで可能)
・任意の図柄のデザイン性に優れた太陽電池
・"煤(カーボンブラックの一種)"を太陽電池へ有効利用の可能性あり

関連情報

・サンプルあり

  • 15:30~15:55
  • デバイス・装置

5)太陽下でも明るく鮮やかに表示できるプロジェクタ用スクリーン

国立高等専門学校機構 仙台高等専門学校 総合工学科 教授 若生 一広

新技術の概要

自転車の反射板等で用いられている再帰性反射材の微小光学構造に傾斜を持たせて曲面化することにより、所望の方向と範囲に反射光を集中させることを可能とする光学設計技術を確立した。これにより、太陽下でも明るく鮮やかに表示でき、曲面化も可能な次世代型指向性スクリーンを実現している。

従来技術・競合技術との比較

通常の再帰性反射材は、光が入射した方向にそのまま反射するが、本技術では微小光学構造の形状を最適化設計することで所望の方向と範囲に反射光を集中できる。また曲面化も可能である。これにより従来のスクリーンでは対応できない新たな用途を開拓できる。

新技術の特徴

・太陽下のような明環境でも明るく鮮やかに表示可能
・曲面化が可能
・用途目的に合わせて光学設計を変更可能

想定される用途

・ 昼の屋外や明るい環境での映像視聴
・ 陽射しがある車内でのプロジェクションマッピング、映像表示
・反射光分布制御用シート

関連情報

・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立高等専門学校機構 本部事務局研究推進課研究支援係
TEL:03-4212-6813
Mail:kenkyu-sien アットマークkosen-k.go.jp
URL:https://www.kosen-k.go.jp/

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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