ライフサイエンス~南日本ネットワーク~ 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年12月04日(木) 09:55~14:55
会場:オンライン開催
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、宮崎大学、琉球大学、
北九州市立大学、都城工業高等専門学校、
山口大学、鹿児島大学、大分大学
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 09:55~10:00
開会挨拶
大分大学 産学官連携推進センター センター長 小田 和広
- 10:00~10:25
- アグリ・バイオ
1)臨床検体からの高効率ウイルス分離を実現する新規細胞株技術
宮崎大学 農学部 獣医学部門 獣医学領域 獣医微生物学 准教授 齊藤 暁
新技術の概要
重要な家畜である豚ウイルス感染症の制御に向け、豚由来PK-15細胞にIfnar1またはStat2遺伝子欠失を導入し、さらに豚TMPRSS2を安定発現させ、臨床検体からのウイルス分離効率を大幅に向上させる新規細胞株を開発した。本細胞株は診断、ワクチン開発、ウイルス学研究に幅広く活用できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の方法では豚以外の動物由来細胞を用いているという懸念があった。また、通常のPK-15細胞ではインターフェロン応答によりウイルス増殖が抑制され、臨床検体からの分離効率が低いという課題があった。本技術では応答欠損とTMPRSS2発現により増殖性を高め、呼吸器系ウイルスにも有効とした。
新技術の特徴
・ウイルス分離効率向上
・ワクチン製造効率上昇、コスト削減
想定される用途
・ウイルス分離、診断
・ワクチン製造
関連情報
サンプルあり
- 10:30~10:55
- 医療・福祉
2)AR陰性前立腺癌で発現するST3GAL2関連ムチン
琉球大学 大学院医学研究科 腎泌尿器外科学講座 非常勤講師 齋藤 誠一
新技術の概要
シアル酸転移酵素ST3GAL2は多数の癌関連遺伝子発現を上方制御する。そのうちMUC1とMUC16の血清レベルは、去勢抵抗性前立腺癌においてPSAが検出できないアンドロゲン受容体 (AR)陰性癌の増殖状況を反映するため、PSAを補完し、AR陰性癌も含めた進行把握のための画像検査の必要性を軽減する。
従来技術・競合技術との比較
ARによって産生されるPSAはAR陽性癌の増殖状況のみ反映する。一方、MUC1及びMUC16はAR陰性癌で発現し、その血清レベルは陰性癌の増殖状況を反映する。血清PSA及びMUC1、MUC16を測定することで去勢抵抗性前立腺癌におけるAR陽性・陰性癌それぞれの増殖状況を把握することが可能である。
新技術の特徴
・シアル酸転移酵素ST3GAL2が悪性度に関与する多数の癌関連遺伝子のmRNA発現を上方制御する
・ST3GAL2が上方制御するMUC1及びMUC16はAR陰性前立腺癌で発現する
・MUC1及びMUC16の血清レベルは、それぞれ、転移性去勢抵抗性前立腺癌 (mCRPC)患者の全生存率に有意に関連する
想定される用途
・AR陰性前立腺癌にはAR標的薬は無効なため、MUC1及びMUC16の血清レベルがドセタキセルやカバジタキセルの適応に用いられる
・高レベルの血清MUC16は、ほぼ専らmCRPCで観察されるため、mCRPCの診断基準の一つとして用いられる可能性がある
・MUC1及びMUC16の血清レベルは、mCRPCの予後予測に用いられる
関連情報
サンプルあり
- 11:00~11:25
- 環境
3)環境に配慮したソーラーパネル火災用泡放火剤
北九州市立大学 国際環境工学部 生命工学科 教授 河野 智謙
新技術の概要
近年ソーラーパネルを集積した発電施設や建物等が増加しているが、このような設備の火災に対する消火活動は、感電や漏電の危険を伴うため大きく制限されている。本技術は、ソーラーパネル火災の消火に特有の漏電・感電の危険を阻止するための特殊な泡による遮光性能と燃焼部位に対する効果的な消火性能を併せ持った泡消火剤を提供するものである。
従来技術・競合技術との比較
発表者らは過去四半世紀にわたり環境に配慮した泡消火剤の開発に従事してきた。一方、ソーラーパネル火災では、太陽光照射下、発電が継続されてしまうため、感電・漏電のリスクが高く、日中の消火が大きく制限されるため、既存の泡消火剤を利用することができない。日米の研究機関は消火・延焼防止と同時にソーラーパネルの遮光を推奨しているが、同一視機材で消火・延焼防止・遮光を実現する技術は存在しなかった。本技術は、これらの課題を解決する世界で唯一の技術であると言える。
新技術の特徴
・ソーラーパネル火災の消火
・ソーラーパネル火災の延焼防止
・ソーラーパネル火災時の遮光
想定される用途
・生態毒性を低減させた泡消火剤技術との組み合わせが可能
関連情報
サンプルあり
- 11:30~11:55
- 材料
4)ユニークな構造を特徴とする多孔質ガラス粉体
都城工業高等専門学校 物質工学科 教授 野口 大輔
新技術の概要
南九州特有の火山噴出物であるシラスを原料とし、ガラスの相分離現象を利用してスピノーダル構造体の粉体を作製した。この粉体は、連結孔を有するアモルファス構造を特徴とし、細孔径もメソ~マクロ孔から構成されている。高い機械的強度、耐熱性、耐薬品性を備え、サイズや細孔構造を制御できることから、幅広い用途への応用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来の多孔体において細孔制御と機械的強度の両立はトレードオフの関係であった。この材料は、完全無機質材料で極めて剛性かつ圧縮性に強い構造をしていることによる、高い耐薬品性、耐熱性および優れた機械的強度を有しており、厳密に制御された熱処理と化学処理によって細孔制御を実現している。
新技術の特徴
・メソ~マクロ孔の連結孔を有した多孔質粉体
・完全無機質材料
・安価で作成容易
想定される用途
・ガス吸着剤(消臭機能、空気清浄作用、VOC吸着作用)
・乾燥剤(調湿機能)
・基質、担体(土壌改良材および水質浄化材)
関連情報
サンプルあり
- 13:00~13:25
- アグリ・バイオ
5)感覚的な茶園評価の見える化と収量予測技術
山口大学 教育学部 理科教育講座 教授 柴田 勝
新技術の概要
永年性作物である茶は、収量や品質に感覚的な「樹勢」が強く影響する。本技術は、秋季に撮影した茶園の樹冠画像と農家の経験を組み込んだ数理モデルにより、「樹勢」を定量的に評価し、春の収量を高精度で予測する技術である。熟練者の暗黙知を見える化し、省力化・高収益化を可能にする。
従来技術・競合技術との比較
非破壊法であるNDVI(正規化植生指数)やLAI(葉面積指数)など従来技術では新芽の伸長前の診断ができないことやその精度の低さから、収量予測を行う事ができなかった。本技術は農家の経験を活用し数理モデル化することで高精度の収量予測を可能とする。
新技術の特徴
・茶園の樹冠画像から高精度な収量予測が可能
・農家の感覚を数理モデルに組み込み再現
・永年性作物(常緑果樹)に応用可能な手法
想定される用途
・茶工場での加工スケジュールの効率化による品質劣化防止
・新規就農者向けの栽培支援システムへの応用
・営農支援アプリ・農機メーカーへのシステム実装
- 13:30~13:55
- 医療・福祉
6)血漿エクソソームを用いたうつ病の判別を補助する方法
山口大学 医学系研究科 高次脳機能病態学講座 助教 富永 香菜
新技術の概要
本発明は血漿から抽出されたエクソソームの表層にある糖タンパク質ヴォン・ヴィレブランド因子(vWF)を測定、評価することにより、うつ病の罹患状態や治療による寛解状況の判断を可能とする技術である。
従来技術・競合技術との比較
血漿から抽出したエクソソームを使うことにより、患者の負担を軽減しながら安定した解析結果が得られる。健常者とうつ病患者の判別だけでなく、同一のうつ病患者の急性期と寛解期の判別が可能である。ELISAの手法を応用することにより、安価にエクソソーム上の糖タンパク質量を測定できる。
新技術の特徴
・血漿エクソソームで精神神経系疾患の診断が可能
・エクソソーム表面糖鎖構造の新規手法を開発
想定される用途
・うつ病急性期を客観的に判別することが可能となる
・うつ病患者の経過観察において、寛解期になったか否かを判別することが可能となる
・健康診断等で抑うつ状態の早期発見に利用できる
- 14:00~14:25
- アグリ・バイオ
7)2種類の金属ナノ粒子を用いる免疫検出技術
鹿児島大学 大学院理工学研究科 理学専攻 教授 新留 康郎
新技術の概要
抗体を修飾した金銀(AuAg)と金パラジウム(AuPd)合金ナノ粒子が近接した時に得られるAgPd+イオンを抗原抗体結合のレポーターイオンとして用いる。レーザー脱離イオン化(Laser Desorption/Ionization: LDI)質量分析装置の超高感度性・高いイオン識別能力を活かして、高感度かつハイスループットな新しい分析技術を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来の免疫検出法(ELISA等)では、高感度化のためのシグナル増幅プロセス(酵素反応、化学発光)が必要であり、その分析手順は煩雑である。一方、申請者が提案する分析法では、分析感度は質量分析装置そのものの高感度性・選択性に依存し、抗原抗体反応の結合定数を直接計測できるレベルの感度となる。さらにその計測は簡便かつハイスループットである。
新技術の特徴
・マスプローブとして機能する金属ナノ粒子の設計
・抗原抗体反応で生成した金属ナノ粒子複合体の高感度検出
・汎用性の高い免疫検出技術
想定される用途
・ウイルス・疾病マーカー検出
・ELISAを代替する汎用免疫検出技術
- 14:30~14:55
- 医療・福祉
8)「排泄情報を収集する次世代紙巻器システム」(病院向・介護施設向・独居老人向/公共施設向)
大分大学 研究マネジメント機構 URA室・知的財産管理部門 教授 松下 幸之助
新技術の概要
トイレを普通に使うだけで排せつ記録を自動作成。排せつ検知は赤外線センサーと紙切板ローラーで行い、トイレットペーパー使用量と速度から個人識別。IoT連携で日時・回数・種類(尿・便)をアプリで記録。介護者の負担軽減、健康管理、見守り機能に貢献。自動洗浄や発電機能も搭載して使いやすさとメンテナンスフリーを追求。
従来技術・競合技術との比較
従来の排せつ記録システムは便座内センサーやAI画像処理で排尿・排便を検知し、介護職員に通知する仕組みが主流です。競合技術は着座時間や排泄物の状態を記録し、介護支援アプリと連携する点が特徴ですが、大がかりで高コストのため普及していません。
新技術の特徴
・個人識別機能付き排せつ検知:トイレットペーパーの使用量と引き出し速度を学習し、個人を識別する独自技術
・IoT連携による自動記録:排せつの日時・回数・種類(尿・便)をアプリに自動記録し、介護者の負担を軽減
・自動洗浄・発電機能搭載:使いやすさとメンテナンスフリーを追求し、電源不要で持続的に運用可能
想定される用途
・介護施設での排せつ管理:高齢者の排せつ状況を自動記録し、介護スタッフの業務負担を軽減
・在宅介護での見守り支援:家族や訪問介護士がアプリで排せつ状況を把握し、異常時に早期対応
・医療機関での健康モニタリング:排せつパターンから疾患の兆候を把握し、診療や治療に活用
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
宮崎大学 研究・産学地域連携推進機構 知的財産・研究リスクマネジメント部門
TEL:0985-58-7592
Mail:chizai-s
of.miyazaki-u.ac.jp
URL:https://www.miyazaki-u.ac.jp/kscrs/
琉球大学 知創推進部研究推進課産学連携推進係
TEL:098-895-8670
Mail:sangaku
acs.u-ryukyu.ac.jp
URL:https://www.u-ryukyu.ac.jp/
北九州市立大学 企画管理課 企画・研究支援係
TEL:093-695-3367
Mail:kikaku
kitakyu-u.ac.jp
URL:https://www.kitakyu-u.ac.jp/
都城工業高等専門学校 総務課総務企画係
TEL:0986-47-1306
Mail:kikaku
@jim.miyakonojo-nct.ac.jp
URL:https://www.miyakonojo-nct.ac.jp/
山口大学 大学研究推進機構 産学公連携・研究推進センター
TEL:0836-85-9961
Mail:yuic
yamaguchi-u.ac.jp
URL:https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/
鹿児島大学 南九州・南西諸島域イノベーションセンター 知的財産・リスクマネジメントユニット
TEL:099-285-3878
Mail:tizai
kuas.kagoshima-u.ac.jp
URL:https://www.krcc.kagoshima-u.ac.jp/
大分大学 研究推進部産学連携課
TEL:097-554-8517
Mail:chizai
oita-u.ac.jp
URL:https://www.oita-u.ac.jp/
新技術説明会について
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
TEL:03-5214-7519
Mail:scett
jst.go.jp





