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物質・材料研究機構 (NIMS) 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年07月31日(木) 13:30~15:55

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、物質・材料研究機構

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発表内容詳細

  • 13:30~13:55
  • 材料

1)バイオマスを主原料として活用できる多色蛍光材料

物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター ナノ光制御グループ 
グループリーダー 長尾 忠昭

新技術の概要

一つの粒子が照射光の波長の違いで様々な色(近赤外光を含む)に発光する多色蛍光材料、光の指紋として使えるバーコード状のスペクトルを生じる材料、太陽光を完全に反射する白色材料、などを合成した。これらは高い機械的な強度と溶剤への高い化学的安定性も有する。

従来技術・競合技術との比較

従来の発光材料の様に、金属原料や石油化学系原料、複雑な反応プロセスを必要とせず、水熱合成法を用いてワンステップで合成が可能である。蛍光体に多く使用される希土類金属や半導体も含まない。燃焼による廃棄が可能。

新技術の特徴

・カーボン、窒素、酸素を主成分とする、低環境負荷な高効率な蛍光体
・光の指紋として使える発光スペクトル
・紫外線を完全にブロック、太陽光もブロック

想定される用途

・無害、低環境負荷な蛍光塗料、インク
・セキュリティ用多色インク
・紫外線、太陽光防御材料

関連情報

サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • 材料

2)金並みの導電性、7 eV超の仕事関数、高耐久性の酸化物薄膜

物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター 電子活性材料チーム 
独立研究者 原田 尚之

新技術の概要

高い導電性を持つ酸化物薄膜を2インチウエハにスパッタ成膜しました。厚さ30nm程度の薄膜で、抵抗率が約4μΩcmです。化学的に安定で、高い剥離強度と大気中800℃の耐熱性を備えています。層状の結晶構造により、7eV超の高い仕事関数を持ちます。近赤外線1550nmをよく透過します。エレクトロニクス、電極触媒など幅広い用途を想定しています。

従来技術・競合技術との比較

酸化物でありながら極めて高い導電性を示します。特に、約14nmの膜厚において、Cu代替配線の候補材料群を超える導電性が得られています(arXiv:2505.14094)。また、終端面に応じて、金属性物質の仕事関数として最も大きな7.8 eVを示します。多くの金属と異なり、材料自身が酸化物であるため錆びは問題になりません。

新技術の特徴

・導電性(抵抗率 約4 μΩcm)
・高い仕事関数(約7.8 eV)
・近赤外線 1550nmの透過率が約80%(シート抵抗 20Ωの薄膜にて)

想定される用途

・微細配線
・(近赤外透明)電極材料
・触媒

関連情報

サンプルあり

  • 14:30~14:55
  • 材料

3)高強度ゲル電解質の創製とリチウム金属負極への応用

物質・材料研究機構 高分子・バイオ材料研究センター 分子機能化学グループ 
主任研究員 玉手 亮多

新技術の概要

高濃度リチウム塩が溶解した有機溶媒(有機電解液)と水素結合性高分子から形成される、非常に高強度な高分子ゲル電解質を開発した。この高分子ゲル電解質をリチウム金属負極に塗工して人工的な保護被膜とすることで、リチウム金属負極を用いる二次電池のサイクル特性の大幅な向上が確認できた。

従来技術・競合技術との比較

従来のリチウム伝導性ゲル電解質と比較して非常に高い力学強度(ヤング率・破断応力・機械靭性)を有する。また、高分子の前駆体となるモノマーと有機電解液、光開始剤を混合してUV光を照射するという非常に簡便な手法で合成が可能。ゲル電解質をリチウム金属負極の保護被膜とすることで、モデルセルにて被膜のないリチウム金属と比較して5倍以上の長寿命化を達成。

新技術の特徴

・非常に簡便にワンポットの光重合で作成可能
・既報のリチウム伝導性ゲル電解質を凌ぐ高い力学強度
・次世代負極材料であるリチウム金属負極の保護材料として用いることで、電池性能を向上可能

想定される用途

・リチウム金属負極を用いた次世代リチウム二次電池への応用
・その他次世代蓄電池への応用
・柔軟性・高強度性を生かしたフレキシブル/ウェアラブルデバイスへの応用

関連情報

サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 医療・福祉

4)吹き付けて傷を治す粉体

物質・材料研究機構 高分子・バイオ材料研究センター バイオポリマーグループ 
グループリーダー 田口 哲志

新技術の概要

冷水魚のスケソウダラから抽出したゼラチンを主成分とし、湿った生体組織に吹き付けるだけで傷口に接着して被覆し、傷を治す粉体を開発しました。内視鏡で切除した早期消化管がん部位に適用すると効果的に傷口を被覆して治癒を促進する特徴があります。

従来技術・競合技術との比較

創傷被覆材、ステロイド等が使用されていますが、組織接着性が低い点、生体吸収性が乏しい点、分解に伴う炎症が生じる点、創傷部への送達が難しい点などの課題があります。本技術の材料は、従来技術と比較して生体組織接着性と生体親和性に優れ、傷の治癒に伴って分解・吸収されます。

新技術の特徴

・水産加工廃棄物のスケソウダラ皮から抽出したゼラチンを主成分としている
・湿った箇所に接着して傷を治す
・乾燥粉体であることから、空気に載せて目的部位に吹き付けることができる

想定される用途

・創傷被覆剤(消化器内視鏡による早期消化管がん除去後)
・癒着防止剤
・止血材

  • 15:30~15:55
  • 材料

5)発電するエレクトレット液体材料を開発し自由変形微小変位センサに応用

物質・材料研究機構 ナノアーキテクトニクス材料研究センター フロンティア分子グループ 
グループリーダー 中西 尚志

新技術の概要

π共役分子(色素)と分岐アルキル鎖を構成成分とするπ液体とそのゲル(πゲル)を開発し、静電荷を材料の内部と表面に安定保持させた液体・ゲルエレクトレットを創成した。同エレクトレットを基材にヘルスケアやロボティクスへの応用に適した自由変形性振動発電素子(微弱振動センサ)を作製した。

従来技術・競合技術との比較

静電荷を材料表面に安定保持する無機(酸化物)やフッ素系ポリマーを基材とするエレクトレット材料は知られているが、それらは柔軟性が乏しく、ウェアラブル素子の様な自由変形性が要求される振動発電素子や変位センサとしての応用は達成されていない。

新技術の特徴

・究極の柔らかさ(流動性)を持つエレクトレット材料
・形状を問わず、自由に変形できる微弱振動・微小変位センサ
・エレクトレット(静電荷保持)に限らず、様々な機能分子を液体材料化

想定される用途

・身体の可動部位に貼り付けて変位センサとして応用(健康観察、スポーツ理学)
・人声センサ・嚥下センサ(喉部分に貼り付け)
・ロボット可動部のセンサ

関連情報

サンプルあり
デモあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

物質・材料研究機構 外部連携部門 企業連携室
TEL:029-859-2600 
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