説明会の
お申込み

スマートライフ~四国国公立大学~ 新技術説明会【オンライン開催】

日時:2025年09月11日(木) 09:55~15:25

会場:オンライン開催

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、
     四国産学官連携イノベーション共同推進機構
     (SICO)、株式会社テクノネットワーク四国、
     徳島大学、香川大学、高知大学、
     愛媛大学、高知工科大学

発表内容詳細

  • 09:55~10:00

開会挨拶

四国産学官連携イノベーション共同推進機構(SICO) 理事 藤本 真路

  • 10:00~10:25
  • エネルギー

1)光を用いて磁界を観る

高知工科大学 システム工学群 電子・光工学専攻 准教授 田上 周路

新技術の概要

本センサはレーザー光でアルカリ金属セル内の磁場変化を検出し、高感度・高分解能・非侵襲を実現。医療や探査など応用が期待されます。

従来技術・競合技術との比較

従来のコイル型磁界センサは金属部品が磁界に影響を与えるが、光学式は非侵襲で正確な測定が可能。サブmm分解能で走査なしに磁界を画像化できます。

新技術の特徴

・磁界を乱さない
・1mm以下の空間分解能で磁界分布の画像化が可能
・機械走査なしで画像取得可能

想定される用途

・無線給電中の磁界分布測定
・電池内の電流分布や異物検出
・磁気微粒子を用いたガン検出

  • 10:30~10:55
  • 情報

2)マルチモーダル感情推定技術を応用したAIストレスチェッカー

徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 理工学域知能情報系 准教授 松本 和幸

新技術の概要

音声・言語・画像などのマルチモーダル情報を融合し、モダリティ間の相関性や共起性をもとに感情やストレスを高精度に推定するソフトフェアを開発。信頼性の高いデータで学習し、ストレス推定80%超の精度を達成。今後は時系列変化や個人差を考慮した手法に拡張させ、より高精度の個人最適化を目指す。

従来技術・競合技術との比較

従来のストレス診断は問診を解析するタイプが主流である。生体情報やマルチモーダル情報を元にストレスチェックに用いた例もあるが、学術的根拠に乏しい手法が多く精度や信頼性に課題があった。本技術は複数モダリティの時系列相関を考慮し、精神医学に基づく信頼性の高いデータで学習した新たなストレス推定技術である。

新技術の特徴

・音声、言語、画像の特徴を時系列を考慮して融合することで、従来の感情推定技術よりも高精度な感情推定が可能となる(positive/negative/neutral推定においてSOTA達成)
・モダリティ間の共起性を用いて推定根拠を提示できるため、なぜそのような感情が推定されたのかを人間が解釈しやすい(モダリティ共起に基づく因果推論)
・モダリティ特徴量の共起性に基づくクラスタリングによりパラメータ数を圧縮することで、従来よりも軽量なモデルを実現(エッジデバイス上に搭載)

想定される用途

・うつ病などのメンタルヘルス診断補助
・遠隔ミーティングにおける出席者の感情推定
・車載システムへの搭載によるドライバおよび同乗者の感情推定

関連情報

デモあり

  • 11:00~11:25
  • 材料

3)木質バイオマスに金属イオンを配位することで有価炭素材料に変換

高知大学 理工学部 化学生命理工学科 教授 森 勝伸

新技術の概要

木質バイオマスであるリグニンを鉄イオンやコバルトイオンを配位し、低酸素雰囲気下で熱処理を行うと、導電性材料として有用なグラフェンを含む炭素材料を生成することができる。この炭素材料は電極触媒や導電性高分子材料の補強剤として応用が期待されており、その基礎研究も進められている。

従来技術・競合技術との比較

バイオマスを有価な炭素材料に変換する技術は国内ではほとんどみられていないが、中国では盛んに行われている。ただし、炭素材料中のグラフェンを高結晶で獲得する技術は途上であり、本技術は優位に立っている。

新技術の特徴

・本技術は鉄イオンを溶解した水溶液に微粒化した木質バイオマスを分散させ、乾燥、熱処理によってグラフェンを含む炭素材料を提供するものである
・鉄イオンはグラフェンを生成する触媒となっており、他の金属イオン(ニッケル、コバルト等)によっても同様の成果が得られる
・リグニンのようなフェノールを多く含む炭素源であれば、同様の操作でグラフェン含有炭素材料を得ることができる

想定される用途

・導電性材料の補強剤(フィラー)
・電極触媒:例えば、硝酸塩還元ーアンモニア製造
・吸着剤:炭素材料の多孔性を利用したCO2の吸着

関連情報

サンプルあり

  • 13:00~13:25
  • アグリ・バイオ

4)新規双性イオンコポリマーを活用した免疫化学的検出システム

徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 教授 田端 厚之

新技術の概要

本技術は、生体適合性を備えた新規双性イオンモノマーであるMCHPとMEAとの重合体として合成したコポリマーに見出された「抗原と抗体の特異的反応性を維持しつつタンパク質の非特異吸着を抑制する」という効果に注目し、免疫化学的な検査系の検出感度や特異性をさらに高めたシステムの構築への展開を企図するものである。

従来技術・競合技術との比較

酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)などの免疫化学的検出法において、非特異反応(基材に対するタンパク質の非特異的吸着)の抑制のためにウシ血清アルブミンやスキムミルクなどの生体由来成分が用いられており、製品ロット間の品質や安定供給が懸念されている。本新技術は、これらの懸念点を一挙に解決するものである。

新技術の特徴

・ 生体適合性を備えた双性イオンモノマーMCHPを基盤としたMEAとの重合体として構成されるコポリマー
・ 抗原抗体反応等の特異的な反応性は維持しつつタンパク質の非特異的吸着を抑制
・ 基材への細胞付着の抑制効果も示す

想定される用途

・ 既存のELISAキットの高性能化
・ 抗原抗体反応に基づく高性能な免疫化学的検出法の開発
・ 様々な材料に対するタンパク質非特異的吸着の抑制

関連情報

サンプルあり

  • 13:30~13:55
  • アグリ・バイオ

5)乳酸菌を腸まで届ける柑橘果皮CNFゲル

愛媛大学 イノベーション創出院 紙産業イノベーションセンター 講師 秀野 晃大

新技術の概要

柑橘ジュース製造工場から大量に廃棄されている柑橘果皮を原料として、柑橘果皮セルロースナノファイバー(CNF)を調製し、乳化能およびゲル化能に関する知見を明らかにすると共に柑橘果皮CNFゲルを用いた新規固定化担体を開発した。

従来技術・競合技術との比較

CNFは、結晶性セルロース主体のナノ繊維であり、高機能材料として活発に研究されているが、CNFを用いた微生物資材の研究開発は検討されていない。一方、ヒト腸内で有益に機能するプロバイオティクスが着目され、農畜産業への応用も期待されている。本研究では、柑橘果皮CNFゲルを用いた新規固定化担体を開発した。

新技術の特徴

・柑橘果皮CNFの調製技術
・柑橘果皮CNFの乳化能およびゲル化能
・柑橘果皮CNFゲルを応用した固定化担体

想定される用途

・乳酸菌等飲料・加工品製造品
・乳酸菌を含むプロバイオティクス関連製品
・環境農業資材(畜産や養殖魚、植物に対するプロバイオティクス資材)

関連情報

サンプルあり

  • 14:00~14:25
  • アグリ・バイオ

6)温度依存的な粒子径分布変動を観測する新規ネイティブ電気泳動法

徳島大学 先端酵素学研究所 助教 松﨑 元紀

新技術の概要

タンパク質解析手法として温度依存的なタンパク質の状態分布変動を、簡便かつ経済的に観測できる新規なネイティブ電気泳動法を開発した。これにより、従来の解析手法では得られなかった分子レベルの動的な情報を、平均像ではなく、それぞれの状態の分布として得られ、より広範な分野で応用可能になる。

従来技術・競合技術との比較

タンパク質、核酸などの粒子径測定手法は高価な装置が必要であり、かつ平均像の情報しか得られなかった。一方、分布の情報を得られる従来のネイティブ電気泳動法は低温に限定され汎用性が低かった。本発明はこれらの課題を解決し、温度依存的なタンパク質の粒子径分布変動を簡便かつ経済的に観測できる新規方法を提供する。

新技術の特徴

・温度変化に伴うタンパク質の会合状態数やその分布を詳細に解析できる
・タンパク質間、タンパク質-核酸間など蛍光検出可能なあらゆる物質の相互作用を (検出器により5波長まで) 同時に検出できる
・不安定な結合による相互作用、クラウディング環境や細胞ライセート共存下の非特異的相互作用など複雑な条件でも分析できる

想定される用途

・創薬分野(分子標的薬開発、バイオ医薬品品質管理、薬効メカニズム解析、創薬スクリーニング、診断薬開発)
・食品産業(タンパク質品質評価、保存方法の開発、アレルゲンたんぱく質検出・反応性評価)
・基礎研究(タンパク質の機能、構造安定性、分子間相互作用、翻訳後修飾、疾患メカニズム解明)

関連情報

デモあり

  • 14:30~14:55
  • 材料

7)吸湿自己集合性と水剥離型接着性を併せ持つポリシロキサン材料

香川大学 創造工学部 材料物質科学領域 准教授 原 光生

新技術の概要

本技術は、湿度に応答して構造や物性が可逆的に変化するイオン性ポリシロキサンを基盤とした新規材料です。湿度変化により接着性や導電性、粘弾性が変化するため、水剥離型の低環境負荷接着剤や環境応答型センサへの応用が期待されます。さらに、ポリジメチルシロキサン(PDMS)との共重合やイオン基の選択により、機能のカスタマイズが可能です。

従来技術・競合技術との比較

従来の接着剤の中にはリワーク性に優れた製品もありますが、水で容易に剥離できるものは非常に限られています。加えて、高温環境下での接着力維持と、自然吸湿による接着力低下の両立は困難でした。本技術は、湿度に応じて接着性が制御され、ナノスケールの水層形成によりキャリア輸送も可能とする新しい機能性接着材料です。

新技術の特徴

・湿度に応じて接着性・導電性・粘弾性を可逆的に制御可能
・水で容易に剥離できる一方、高温環境下でも接着力を保持
・加湿によりナノスケールの水層が形成され、その厚みは分子設計でオングストロームオーダーで制御可能

想定される用途

・水剥離型の低環境負荷接着剤
・湿度検知・呼気検出などの柔軟型環境センサ
・吸湿誘起ナノ構造を活用したイオン輸送膜・電解質材料

関連情報

サンプルあり

  • 15:00~15:25
  • 計測

8)大型構造物へのアクティブサーモグラフィ非破壊検査技術

徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 理工学域 機械科学系 准教授 石川 真志

新技術の概要

検査対象物を加熱しながらその表面温度を赤外線サーモグラフィで観察し、健全部ー異常部間で生じる温度差から内部異常を検出するアクティブサーモグラフィ法による非破壊検査に注目し、同検査の大面積化、高精度化を実現するため、加熱装置の時間的・空間的な走査と、熱画像の位相変換技術を併用した検査技術を提案する。

従来技術・競合技術との比較

建物や土木構造物などの大面積に対する非破壊検査では、一般的には近接目視・打音検査が行われている。これらは近接するための足場の設置が必要、検査精度が検査員の技量に依存するなどの課題を有している。一方で、提案技術は非接触・遠方からの検査も可能であり、かつ熱画像、位相画像を利用した定量的な評価も可能であることから、従来法よりも高効率かつ高精度な検査が可能となることが期待される。

新技術の特徴

・赤外線サーモグラフィを利用した非接触非破壊検査技術
・走査加熱の利用による検査の大面積化、大型構造物への適用可能性
・熱画像の位相画像変換を利用した高精度化と、画像による定量評価

想定される用途

・建物外壁検査(タイルの浮き検査など)
・橋梁、トンネル等、大型土木構造物の非破壊検査
・大型の金属構造物、複合材構造物の非破壊検査

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

四国産学官連携イノベーション共同推進機構(SICO) SICO事務局(徳島大学産学官連携プラザ内)
TEL:088-656-9702 
Mail:sico-officeアットマークtokushima-u.ac.jp
URL:https://www.tokushima-u.ac.jp/ccr/active/project/sico/

株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部
TEL:087-813-5672 
Mail:tloアットマークs-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/

徳島大学(株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部)
TEL:087-813-5672 
Mail:tloアットマークs-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/

香川大学(株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部)
TEL:087-813-5672 
Mail:tloアットマークs-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/

高知大学(株式会社テクノネットワーク四国 技術移転部)
TEL:087-813-5672 
Mail:tloアットマークs-tlo.co.jp
URL:https://www.s-tlo.co.jp/

愛媛大学 研究・産学連携支援部 研究・産学連携課
TEL:089-927-8819 
Mail:sanrenアットマークstu.ehime-u.ac.jp
URL:https://ccr.ehime-u.ac.jp/ccr/

高知工科大学 研究連携部 地域イノベーション共創推進課
TEL:0887-57-2743 
Mail:orgアットマークml.kochi-tech.ac.jp

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top