信州大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年08月05日(火) 10:00~14:25
会場:オンライン
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、信州大学
<お申込み方法・聴講方法>
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 10:00~10:25
- 環境
1)グラフェン包接ゼオライト膜による省エネな酸素富化技術
信州大学 工学部 特任准教授 大塚 隼人
新技術の概要
本技術は、省エネルギーかつ低コストで富化酸素を製造する超高速気体分離膜モジュールである。ゼオライト結晶をグラフェンで包接した膜により、従来比で1000倍以上の速度で窒素と酸素の分離を可能とした。工業炉へのオンサイト供給のみならず、アスリート用酸素吸入機や他分離法との組み合わせによる省エネ効果も期待できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の高分子分離膜は酸素製造量とコスト面に課題があり、深冷分離法やPSA法は高いエネルギーと設備コストを要する。これに対し本技術は、従来比1000倍以上の分離速度と、省エネルギー・低コストの両立を実現した。低圧駆動によりポンプや装置の小型化も可能であり、現場でのオンサイト供給に最適な技術である。
新技術の特徴
・超高速分離
・高い窒素と酸素の分離性能
・省エネルギー
想定される用途
・工業炉への富化酸素供給
・酸素吸入機
関連情報
・サンプルあり
- 10:30~10:55
- 計測
2)ヒトの匂いを離れた場所から高速検出:蚊触角を用いた匂いセンサ
信州大学 繊維学部 機械・ロボット学科 准教授 照月 大悟
新技術の概要
本技術は、蚊の卓越した嗅覚を応用したバイオハイブリッド型のヒト臭検出センサである。ヒト特有の匂いを高感度に検出し、視界不良や瓦礫下など画像センサが機能しにくい災害現場での要救助者探索に貢献する。小型化・ロボット搭載が可能で、今後の防災分野への応用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
本技術は、蚊の触角を用いたバイオハイブリッド方式により、従来のガスセンサよりも高感度・高選択的にヒト由来の匂いを検出可能である。呼気や皮膚由来成分を複合的に捉え、視覚に依存しないため、瓦礫下や暗所など画像センサの利用が困難な環境でも機能する。小型・軽量・低消費電力で、ロボット搭載にも適する。
新技術の特徴
・ヒト関連臭を直接検出する
・小型、軽量、低消費電力である
・移動ロボットへの組込みができる
想定される用途
・災害時の要救助者探査
・閉所空間でのヒト探索
・ビル・工場内のセキュリティ管理
関連情報
・デモあり
- 11:00~11:25
- 材料
3)アルコール・界面活性剤フリーの安全な害虫忌避(虫よけ)剤
信州大学 工学部 物質化学科 教授 酒井 俊郎
新技術の概要
蚊媒介感染症の拡大対策として、安心・安全な虫よけ剤の開発を目指した。従来の忌避剤はアルコールや界面活性剤を含み、生体安全性に課題があった。本技術は、アルコール・界面活性剤を一切使用せず、水中油滴型エマルションとして天然成分を安定分散させる処方開発に成功したものである。
従来技術・競合技術との比較
従来の虫よけ剤はアルコールや界面活性剤を基剤とし、生体安全性に問題があった。また、ディートなどの人工化学成分が使われる例も多い。本技術はアルコール・界面活性剤を一切用いず、天然成分のみを用いることで、生体安全性の高い虫よけ剤を実現した点で従来品と大きく異なる。
新技術の特徴
・アルコールを使用せずに、精油を水中に分散して安定化する乳化技術
・界面活性剤を使用せず、水溶性高分子を使用して精油を水中に分散して安定化する乳化技術
・生体安全性の高い乳化製品の製造技術
想定される用途
・虫よけ剤
・芳香剤
・香粧品
関連情報
・サンプルあり
- 13:00~13:25
- 機械
4)逆磁歪材料で実現する、高効率可変磁束モータ
信州大学 工学部 電子情報システム工学科 准教授 佐藤 光秀
新技術の概要
本技術は、逆磁歪材料をモータ回転子に挿入し、回転時の遠心力によって逆磁歪材料に作用する応力を調整し、応力分布を考慮した磁気回路設計を特徴とするものである。これにより、回転数に応じて可変界磁を制御し、高効率な運転範囲の拡大を実現した新構造のモータである。産業機械や家電、電気自動車など幅広い分野での応用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来、可変界磁を実現するモータは構造が複雑化しやすく、設計や製造に課題があった。また、漏れ磁束型の可変界磁モータでは最大トルクの低下が問題となっていた。本技術は、逆磁歪材料をモータ回転子に挿入するだけの簡易構造で可変界磁を実現し、最大トルクの低下も抑制できる点で優れている。
新技術の特徴
・モータの高速回転を実現する
・可変速運転するモータの高効率領域を拡大する
想定される用途
・エアコン用可変速運転モータ
・洗濯機用可変速運転モータ
・電気自動車主機モータ
- 13:30~13:55
- 医療・福祉
5)ポリ乳酸へのペプチド固定化:"亜"光学異性体間の分子間相互作用の利用
信州大学 繊維学部 応用生物科学科 准教授 橋本 朋子
新技術の概要
オリゴ-D-アラニンをポリ-L-乳酸(PLLA)との間の新しい分子間相互作用のための配列として、PLLAへの新しい機能性ペプチド固定化を達成した。機能性配列には生体環境下双性イオン性を示すペプチド配列を新しく特定・設計した。本技術は、双性イオン性配列のみならず、様々な配列の固定化に可能にし、PLLA由来材料の高機能化に寄与しうる。
従来技術・競合技術との比較
本技術では、溶媒を組み合わせることにより、縮合剤などの試薬を用いることなく、成形済みポリ乳酸由来の表面特異的に、機能性ペプチドを固定化できる。また、ペプチドの合成段階から固定化までの工程が、より簡便となる。
新技術の特徴
・新しい分子間相互作用によるポリ乳酸の表面改質
・新規生体親和性ペプチドの提案
想定される用途
・高い生体親和性・機能性を有する吸収性バイオマテリアル開発
・表面特性の異なるポリ乳酸由来材料の創出
- 14:00~14:25
- 機械
6)非線形軟磁性材が切り拓く革新的な高効率IPMモータ
信州大学 工学部 電子情報システム工学科 特任教授 水野 勉
新技術の概要
本技術は、非線形軟磁性材料を活用し、d軸フラックスバリア構造を持つ可変磁気抵抗形IPMモータである。非線形軟磁性材料は、原点から6kA/mまでは透磁率が低く、それ以降に急激に増加し、等方性電磁鋼板と同等の磁束密度を実現しつつ鉄損も小さいという特長を有する。
従来技術・競合技術との比較
従来のIPMモータは中高速回転域でのトルクや効率に限界があったが、本技術は非線形軟磁性材料とd軸フラックスバリア構造の相乗効果により、最大トルクを維持しつつ、10,000rpmで2.4倍、15,000rpmで4.8倍と大幅なトルク増加、および最高回転数を50,000rpmまで拡大(従来:15,000rpm)、さらに高効率運転を実現した。
新技術の特徴
・可変磁気抵抗形IPMモータ
・非線形軟磁性材料
・性能向上
想定される用途
・EV用モータ
・スピンドルモータ
・超高速回転モータ
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
信州大学 株式会社信州TLO
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