早稲田大学 新技術説明会【オンライン開催】
日時:2025年07月29日(火) 13:30~15:55
会場:オンライン
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、早稲田大学、
株式会社早稲田大学TLO
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発表内容一覧
発表内容詳細
- 環境
1)トリプルハイブリッドによる圧縮空気駆動型モビリティの実現
早稲田大学 理工学術院 大学院環境・エネルギー研究科 環境・エネルギー専攻
教授 小野田 弘士
新技術の概要
本発明は、圧縮空気、電気、人力の3動力を組み合わせることにより、発明者らが開発してきた圧縮空気エンジンモビリティの課題を解決する。各原動機のエネルギー貯蔵部が小型・軽量化や用途に応じた出力配分・車体重量に調整が可能となる。
空気エンジン及び空気ボンベは他の動力源より軽量であり、また使用される希少資源が少なく、リサイクルも容易であり、ライフサイクルでの環境負荷の面でも有効となる。
従来技術・競合技術との比較
電動アシスト自転車や電動のモビリティが競合となるが、圧縮空気の需要が旺盛な事業所での選択肢のひとつとなりうる可能性がある。
新技術の特徴
・圧縮空気、電気、人力を組み合わせることで、今までにないモビリティを実現
・電気自動車、燃料電池自動車における資源制約の課題解決
・圧縮空気による余剰再エネの貯蔵技術と組み合わせることで、エネルギー貯蔵・利活用技術として、新たな選択肢の提示
想定される用途
・モビリティ(陸上、水上等)
関連情報
・展示品あり
- 14:00~14:25
- 製造技術
2)温度変化で可逆的に形態変化するハイドロゲル
早稲田大学 次世代ロボット研究機構 ヒューマン・ロボット共創研究所
客員次席研究員 長濱 峻介
新技術の概要
本発明は、温度応答性高分子と物理架橋材料を用いたハイドロゲルを、表裏で異なる表面積を有する凹凸構造として簡便に製造する方法である。温度変化により可逆的に形状が変化し、ドラッグデリバリーシステムや温度センサー、マイクロロボットなどへの応用が期待される。
従来技術・競合技術との比較
従来の温度応答性ハイドロゲルは、複数回の成型や位置合わせを要し製造が煩雑であった。本発明は、物理・化学架橋の併用と凹部への一括成型により、微細構造を有するゲルを簡便かつ高精度に製造でき、量産性や形状制御の面で優れる。
新技術の特徴
・凹凸構造を形成し、表裏の表面積に差を付けることで変形挙動を制御
・温度変化により可逆的に形状変化
・アライメントや積層などの操作が不要で、容易に㎛オーダーの構造制御が可能
想定される用途
・ドラッグデリバリーシステム
・温度センサー
・マイクロロボット
関連情報
・デモあり
- 14:30~14:55
- 医療・福祉
3)スマートフォンを用いた他覚的眼屈折力測定システム
早稲田大学 人間科学学術院 人間科学部 健康福祉科学科 准教授 岡崎 善朗
新技術の概要
スマートフォンを活用したフォトレフラクション法に基づく他覚的屈折力測定法を開発した。本技術は、網膜からの反帰光像をスマートフォンカメラで撮影し、画像解析することにより眼屈折力を推定する。従来法に比べて小型で安価な構成であるため、学校等の検診現場や途上国診療への応用が期待できる。
従来技術・競合技術との比較
オートレフラクトメーターは、光を網膜に投影し、反射する光を解析することで屈折力を自動測定する専用装置である。本技術は、市販のスマートフォンのカメラと線状光源を組み合わせて網膜からの反帰光像を撮影し、その縦横比等を解析することによって屈折力の推定を行う。
新技術の特徴
・スマートフォンを活用するため、携帯性とコスト面に優れるだけでなく、高い汎用性を有している
・検者が不要で、眼屈折力をセルフチェックできる可能性がある
・スマートフォンの通信機能の活用により、遠隔診療に応用できる可能性がある
想定される用途
・学校検診でのスクリーニング検査
・途上国などの医療へのアクセスが難しい地域での屈折検査
・日常生活における目のセルフケア
- 15:00~15:25
- デバイス・装置
4)切り紙構造による高効率立体化熱電デバイス
早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 機械科学・航空宇宙学科 教授 岩瀬 英治
新技術の概要
シート状配線基板に切り込みを入れて脚部を引っ張って立体化することで、熱源面と放熱面の距離を確保し、温度差を効果的に生成する熱電発電デバイス。発電セルを一括立体化でき、設置が容易で高発電効率を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来の熱電発電デバイスは、平面上に配置された薄膜素子が多く、発電効率が低い。また、湾曲や立体化が難しく、熱源面への密着性が低下する課題も存在する。本発明は切り紙構造により立体化することで、効率的な温度差生成と高発電効率を実現した。
新技術の特徴
・立体化による高発電効率
・取り付け自由度が高い設計
想定される用途
・ウェアラブルデバイス
・高効率発電システム
- 15:30~15:55
- 情報
5)ニューラルネットが確率を高速学習することで、実用コストを削減可能に
早稲田大学 理工学術院 総合研究所 名誉研究員 松山 泰男
新技術の概要
本技術は、アルファ対数と呼ばれる一般化対数を用いることで、確率を推定するニューラルネットワークのトレーニングにおいて著しい高速化をもたらす。アルファの値を適切に選ぶことで、従来の対数に基づく訓練法よりも優れた高速性が得られ、日々生起するデータへのファインチューニングのコスト削減や消費電力の低減に大きく寄与する。
従来技術・競合技術との比較
生成AIはニューラルネットワークにより確率を推定し、データの判別や関連性を示す。本技術では、アルファダイバージェンスによる誤差逆伝播法を提案し、学習の高速性を実験で確認している。従来の交差エントロピー法は学習するデータの特性抽出が不十分であり、学習が遅い。また、従来法は教師信号の焼き入れ・焼きなましを考慮していない。
新技術の特徴
・確率を推定するニューラルネットワークのトレーニングにおいて、アルファダイバージェンスという誤差量を用いて、従来法をはるかに凌ぐ高速化を達成している
・用途が極めて広範である生成AIのファインチューニング、すなわち日常的に発生するデータに対応した更新において、人力や消費電力の軽減につながる
・教育ツール、事務文書処理、生産計画の立案などといった、生成AIの裾野のすべてに対してよい性能を与える
想定される用途
・生成AIの中心部分に適用できる
・特定用途向けの生成AI、すなわちエッジAIのベンチャー企業が増えているが、そのような人材や企業の低コスト化を図れる
・教育機関用対話ツール、企画書作成などの事務書類作成、市場動向分析などのマーケティングといった多方面への適用が可能
関連情報
・サンプルあり
・デモあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
早稲田大学 リサーチ・イノベーション・センター
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